MLBは未だアジア系の選手たちには狭き門なのか:
昨8日の夜に、何時も偶然なので失礼かもしれないが、U-18の野球のアジア選手権(と言うのかな)の決勝戦にチャンネルが合ったのだった。対戦しているのは日本とチャイニーズタイペイだった。画面を見て閃いたことは「チャイニーズタイペイが優勢かな」だった。アナウンサーがチャイニーズタイペイの4番を打っている「コ・シンシェン」(漢字を発見できなかった)がDodgersとマイナー契約を結んでいると紹介していた。
そこで気が付いたことがあった。それは「我が国からは藤浪晋太郎を含めれば2024年の時点では12人もの投手と野手がMLBの第一線で活躍しているのだが(日本には何らかの制約があるのか)日本の野球界で高校在学中にMLBとは言わないまでも、マイナー契約に至った、将来を有望と見込まれた選手はいなかったのでは」という事だった。
韓国からMLBに入って活躍していた選手としては、ダルビッシュ有がいた頃のテキサス・レンジャーズに秋信守(シュシンス)外野手がいた記憶がある。また、今年のナショナルリーグの韓国で開催されたオープニングゲームに出場したサンデイエゴ・パドレスのショートストップには金河成(キムハソン)がいた。
それではと検索してみれば、韓国からは3人で、台湾からは2人とあった。「あれ、少ないな」と意外な感を禁じ得なかった。秋信守は既にMLBから退いていたのだった。気が付いた現象は、日本からは12名も行っている中で、大谷翔平を投手に加えて数えると10名が投手で、野手は鈴木誠也と吉田正尚のみであり、内野手は一人もいなかった。
外野手では打者として数々のMLB記録を打ち立てたイチローが光り輝く存在だが、内野手で名を為したのはスワローズから転進した岩村明憲だけのように思える。西岡剛も名手の一人だったが、ダブルプレーの際に滑り込んできた走者にぶつかられて壊されて以降、内野手で転進していた者を知らない。だが、投手では野茂英雄の成功例を始めとして、立派に通用している投手は多い。大谷翔平は別格であろうが。
ここまで見てきて思い当たることはと言えば、WBCを何回も制覇している我が国や、確かな実力を見せている韓国からも野球界の最高峰と認められているMLBには、今や中心勢力に成り上がったかと思わせられる南アメリカの諸国と比較すれば、その選手の数が如何にも少ないと解るのだ。言い方を変えれば「未だに狭き門」であるようなのだ。私は「何故だろう。アジア勢は決して技術的には劣っていない」と思うのだ。
そこで、思い浮かぶのは、アメリカで最も人気が高いフットボールの世界の中でも強豪大学として広く認められているオクラホマ州立大学にコーチ留学して研鑽を積まれた現同志社大学ヘッドコーチ・橋詰功氏が指摘された言葉である。それは「あの世界に入ればティームで相互に意思の疎通を図るのが重要な課題なので、日本人にとってそこに立ちはだかるのが英語という壁」なのである。
それが証拠にと言うべきか何と言うべきか、大谷翔平には新たな通訳がついているし、他の選手たちも同様だ。だが、スペイン語系の国から来ている選手たちに通訳がついているとは思えないのだ。英語とスペイン語の間には共通な言葉も多く、英語の単語の発音を変えればそのままスペイン語になってしまう例もあるので、あの選手たちは習得しやすいのではなかろうか。
我が国の英語教育を論おう(アゲツラオウ)とするのではなく、我が国からMLBに進出して活躍している選手たちを考察していたら、英語の問題に突き当たったと言うだけこと。韓国では国家として英語の教育を推進していると聞いているし、カリフォルニア州等に数多く移住して来ている者たちの英語力はかなり高い水準にあるのだが。