言いたい事を言った後は成り行きを見守っていこうかと:
この選挙と言い、アメリカの大統領選挙戦と言い、何となくマスコミの空疎なお祭り騒ぎのような感を免れないので、個人的には余り感心していない。と言うことで、今回は色々と聞こえてくる話も含めて雑感を述べていこうかと。
小泉進次郎論:
何方があけすけに指摘された話だったのかは覚えていない。つい先日のこと、私にとっては妙に説得力がある話が聞けた。それは「兎角、中身がない事ばかり言っていると厳しく批判されている小泉進次郎氏が総理・総裁に選出されても心配はない」と指摘しておられた話が面白かったのだ。その内容はと言えば、
「小泉純一郎元総理もそういう何もない感があった方で、官僚や側近が熱心にレクをしても聞いているのかいないのか手応えがなく、聞き終われば『うん』、『解った』、『いけ』だったかのような三言を発するだけだった。だが、側近がしっかりしていたので立派に総理の職が務まった。そういう事だから、ご子息の進次郎氏も優れた側近さえ周囲にいれば心配ないだろう」と論じておられた。随分きついことを言われるものだと、かえって感心した。
民主主義の間怠っこさ:
昨年辺りだったかと記憶する、橋下徹氏が「民主主義は良い制度だとは解っているが、現状ではどれほど優れた案であっても、皆で寄って議論して選挙して決めているのでは、手間と時間がかかりすぎる。専制主義国であれば独裁者が即断即決する方式なので、彼等に先手を打たれてしまいかねない」と民主主義の弱点を指摘していたのが印象に残っている。
この度の総裁選のように40歳代でも若手と言われる精鋭や、政治経験豊富であるかのハーバード大学の修士王を持つ60歳代の宿将(ベテランに相当する熟語である)たちを10か11人が、我こそはと出馬して出てきて政見や自党の改革案等々の抱負を後20日ほどの間に述べる事になる。その間に世界の情勢は待ってくれることなく遠慮会釈無く変化して行く。新総裁が選ばれた頃には、対応が難しくなる事態が生じかねない気がしてならない。
いっそのこと、何処か専制君主国のように、何処かに別格の権力者がいて、超能力を使って独断で判断して「君を選ぶから真剣に事に当たって間違いなくこの難局を切り抜けて、我が国に嘗ての栄光と輝きを取り戻せ」と指名してくれれば万事が速やかに解決するのに等と他愛もない事を言いたくなってしまう。それほど、現代の制度というか民主的な仕組みは手間暇がかかるのだ。見方にも依るが、アメリカの学歴競争のようでもある。
現実を見て語って欲しい:
私は何方が選ばれても賛意を表しようもなければ、苦情も言えないのだ。候補者の高邁な理想論や減税論も有り難いのかもしれないが、米が買えなくなって価格が高騰している時に「相場が崩れるから備蓄米の放出はしない」と、原稿を読むような大臣を選出為されない総理大臣が望ましいと思うのは誤りか。賃金を上げようと我々に向かって叫ぶのではなく、劣化したとしか思えない経営者たちを直接督励してくれる人が良くはないか。
マスコミの誰が1位で2位に誰が来るのかという情報を聞いても虚しさだけが残る。誰が残るのかではなくて、誰が選ばれれば最も一般の市民の暮らしが楽になるかを論じて貰いたい気がする。身内の裏金問題の再度の後始末や、外向きのASEANもAUKASもNATOもTICADでも何でも重要だろうが「米が5kgで¥3,000もする事態を何とかしましょう」と約束する人の方に有り難みがある気がする今日この頃である。
このような願いを誰に託す事になるのかと見守っていこう。