新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

9月21日 その2 大谷翔平が一寸気になった

2024-09-21 10:43:39 | コラム
大谷翔平はMLBのtacit rule(またはagreement)に抵触していないかと:

アメリカにいて野球通の人たちと一緒に観戦していて教えられたことの一つに「暗黙の合意」(=tacit agreement)というか「暗黙の規則」(=unspoken rule)というのがあった。それは結構複雑で、

*ホームランを打って走っているときに「やったぞ」というような示威行為をするのは、対戦相手方に失礼であるからするな。

*大量にリードしているティームの走者は盗塁をするな。盗塁としても盗塁とは記録されない。

*同じく大量リードのティームは犠牲バントをするな。

辺りだったと思うが、「大量失点して交代の投手がいなくなり、野手が登板したときには打者も遠慮して打て」というのもあったような記憶もあった。だが、これも含まれているとネットの情報にはあった。大谷翔平が知らないはずはないと思う。

そこで、大谷君である。試合を最初から観ていた訳ではないので具体的なことは知らない。だが、確か20対3でDodgers(ダジャースである)が勝ったはず。51個目の盗塁が何点のリードの時だったかは分かっていないが、後からニュースを見て「もしかして?」と少し気になった。

そこで、51本目のホームランだが、あの時の投手は内野手だったはず。それでも、大谷は委細構わずに打ちに行っていた。そして「ホームラン」だった。このような場合にはMLBでは報復のデッドボールをぶつけるのだと聞いていた気がする。大記録樹立の瞬間だったが、微妙なのではないのかと、一寸以上に気になった次第。

日本の高校までの野球では甲子園に出ることと、そこでの優勝が高校球児たちの夢だそうだから、MLBの暗黙のルールなど関係ないだのだろう。特に「自己を犠牲にしてもティームの為」である犠牲バントは、その大目的達成の為には欠かせない勝利への手法だ。「やったぞ」という事を示す「ガッツポーズ」も堂々と披露されている。これらの行動は「文化の違い」であるから四の五の言う気はない。余談になるが「ガッツポーズ」は和製のカタカナ語である。

MLBでは“tacit”即ち明文化された規則でも合意でもないのであるから、大谷のあのホームランも盗塁も不問に付されるのだろうかと、一寸ばかり気になったのである。因みに「不文律」は“unwritten law”と言うようだ。

9月20日の出来事

2024-09-21 08:36:29 | コラム
大谷翔平とpagerと植田和男日銀総裁とセントラルリーグと:

大谷翔平は偉いし立派だ:
朝はブログの更新に忙しいので、余りテレビは見ていない。だが、一休みして一寸覗くと、50本目を打ったし盗塁も50に到達して記録ずくめだとアナウンサーが興奮していた。日頃から大谷については点が辛すぎると息子から非難されていたが、1日で両方とも仕上げてしまったとあれば「偉い。たいしたものだ」と賞賛を惜しまない。だが、ブログを仕上げ終えてみれば51-51だったのでまたビックリ。

その後のインタビューにユニフォームの腕まくりで登場した寛いだ格好で現れた大谷の体格を見て圧迫された恐ろしさすら感じて、今更ながら驚嘆させられた。何しろ彼の上半身はと言えば、分厚い壁を思わせるほどの筋肉の発達振りなのだったから。

試合中にテレビの画面で見る彼の体格は、身長が高い所為もあるが、細身のようだ。だが、あの物凄い筋肉の付き方が、アメリカに行ってから尋常ならざるトレーニングを積んだのだろうと思わせてくれた。あの体格に仕上げたことがあってこその51-51だと良く分かった。

大谷翔平はトレーニングの方法は明かさないかも知れないが、密着している駐在の記者たちはそういう点も取材して、NPBの者たちを啓蒙してほしいものだ。陳腐なことを言えば「大谷翔平は一日にして成らず」であると知らせても良いだろう。

“pager”だった:
ヒズボラ(Hezbollah)に属する者たちがレバノンで持ち歩いている「通信機器」が突如して爆発し、多くの死傷者が出たと報じられている。ヒズボラ側はイスラエルかモサドが爆薬を仕込んだのだと断定して、復讐を公言している。報道では「その通信機器は40年ほど前に我が国でも使われていたポケベル(=ポケットベル)のようなものだ」となっていたが、そんな機器が、スマホが遍く普及している21世紀の今日でも使われているとは意外だった。

昨日は帰りのバスまでに少し時間に余裕があったので、ジムのサロンでThe New York Timesの見出しだけの音読を試みた。そこにこの通信機器関連の記事があった。主語はpagerだったので、ポケットベルの事だったと確認できた。そんならそうと最初から言えよと思った。

そうだったならば、通信機器などと回りくどいことを言わず「ヒズボラは未だに所謂ポケベルを使っている狙いは何なのか。位置を知られるとか傍受を防ぐ狙いか」くらいのことを言っても良くないか。まさか、彼等を茶化すと報復でもされると怖れていうのではあるまい。

なお、NY Timesの記事では「誰がどうやってpagerに爆発物を仕込んだのかについては、イスラエル側は触れていないし、方法は不明だ」とあった。それにしても、イスラエル対ハマスの争いに加えて、イランが支えているヒズボラもイスラエルに立ち向かうとあっては、中東情勢は益々緊張感が増すだろう。自民党と立憲の候補者たちが触れて然るべき問題ではないのかな。

植田和男日銀総裁の英語:
昨日、暫くぶりに覗いてみたYouTubeにこういうのがあったのだ。単なる好奇心で聞いてみて驚かされた。非常に立派な英語力で、ご専門の分野であるとはいえ、専門語を駆使されて金利、景気、物価、雇用等々について流れるように明快に語っておられたのだから。しかも、何時もテレビに登場される時のような厳粛な(暗い、失礼)な表情ではなく、微笑みさえ浮かべてあおられた明るい表情だったのだ。

英語で話すと性格が変わったようになる方を何人か知っている。嘗てのMead Corp.の日本代表者だった故HM氏もそうだった。不断は穏やかで生真面目で厳格なのに、立派な力を備えておられる英語に変わると談論風発でユーモアに溢れた分かりやすい話し方の語り口に変わるのだった。何故そのように変わるのかという因果関係は知らないが、英語力の高さは関連するのではないのか。

植田総裁の経歴については「東大出身の東大教授」くらいしか承知していなかったので、一体何時何処であれほどの英語力を備えられたのかと、Wikipediaで急遽調べてみた。分かったことはといえば、総裁はMITのビジネススクールでPh.D.を取得しておられた。そうであれば、相当以上の英語力があっても不思議ではないが、あの力はそこだけて身につけられたのではないだろう。凄いと思った。

なお、MITとはMassachusetts Institute of Technology、即ちマサチューセッツ工科大学のことで、アメリカの工科大学の中でも最高峰である。ではあっても、ビジネススクールまでも設置してあるのが特色だろう。これも全アメリカの中でも優秀の部類。このビジネススクールについて、如何にもアメリカらしい話を聞いたことがあった。

それは「ハーバード大学のビジネススクールの教授になることを目指していた優秀な学生が、先ずMITのビジネススクールに入学してPh.D.の学位を取得してから、ハーバード大学のビジネスクールの教授になれた」という話。意外な話であるようだ。これは「アメリカの大学では成るべく自校の出身者ではない者を教授に任命しようとするから」なのである。我が友YM氏はハーバード大学のビジネススクールの出身者だから、ハーバード大学のビジネススクールには採用されなかったようだ。

広島カープと阪神タイガースの惨めな負け方:
昨夜はこの両者の試合を掛け持ちしていたが、途中で先が見えたので、8時過ぎで観戦を止めた。広島はジャイアンツに負けて4位にまで落ち込んだ。私の見るところでは「新井監督の采配と指導宜しきを得て首位で頑張ってきたが、新井方式の制度疲労が来て、ゴールの前まで来て失速したようなのだ。何も西川竜馬一人に逃げられたからではないだろう。

阪神タイガースは昨年の優勝ティームと誰も変わっていないにも拘わらず、何をやっても上手く行かない。昨年の優勝で燃え尽きたままで電池切れかとすら思わせる。中野拓夢は最多安打だったが今年は、佐藤輝明は時々打つが失策王、恐怖の8番打者だった木浪聖也は普通の8番バッターに、昨年のMVP村上頌樹は並の投手になってしまってのでは、岡田監督も何ともならなかったのだろう。

これでは「今年のジャイアンツは端倪すべからざるものがある」と指摘しておい事が、着々と現実のものになりそうで気が重い。二男は「監督を代えると勝てるらしい」と予言していたが。