新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

Stop the insanity

2020-12-30 14:58:15 | コラム
ニューヨーク・ポスト紙がトランプ大統領に告げた:

昨29日だったか、我が国のマスメディアが一斉にこのトランプ大統領のお気に入りのNY POST紙の、言うなれば驚愕的な記事を採り上げて報じた。“Stop the insanity”は「狂気の振る舞いをお止めなさい」とでもすれば良いのだろうが、それを一面の社説欄に思い切り大きな活字で掲載したのだった。確かテレビの画面にはこの一面の絵も出ていたが、いくら何でも大統領を捉まえて「精神錯乱呼ばわりはないだろう」と、思わずにはいられなかった。しかも、そこまで指摘したのがNY TIMESでもW POSTでもCNNでもないのだから、余計に衝撃的だった。

このタブロイド判の新聞が如何なる表現の仕方をしたかを検索してみれば「もう好い加減に選挙の敗北を認めなさい。さもないと貴方のレガシー(と敢えてカタカナ語にするが)が残りませんよ」という書き出しだったのだ。トランプ大統領寄りの新聞だったからこその思いを込めた言い方だとは思うが、insanityという言葉まで使ったのは「凄すぎないか」と感じた次第だった。

確かに、大統領選挙が始まる前からと終わってからのトランプ氏の振る舞いは、我が国で報じられていることが反トランプのメデイアの報道に従っていたにしても、些か度を超した奇矯なものではないのかと思って眺めていた。選挙人による投票が終わった後でも引き継ぎの手続きを進める訳でもなく、連日のようにゴルフに明け暮れているとの報道まであった。それが正しい事実に基づいた報道であれば、NY POST紙が言ったような“insanity”が必ずしも誤りとは言えないと思わせられた。

私は確かにトランプ氏をアメリカ大統領に相応しくない言葉遣いや礼儀作法を見て、元の上司や同僚や知人たちのように嫌っていたのは間違いない。だが、彼の大統領としての4年間の実績まで批判していたのではなかった。だが、選挙以後の振る舞いは些か常軌を逸しているのではないかと,苦々しい思いで眺めていた。だが、その結果がご贔屓の新聞に「精神錯乱呼ばわり」までされるに至っては、トランプ氏もそろそろ矛を収めても良い時が来たのかと思わせられた。バイデン大統領がアメリカの国益に直結するか否かは措くとしても、トランプ氏も思い切りが必要かと思っている。

私は我が国の中でもトランプ大統領の再任を望んでおられる数多くの方がおられて、デモンストレーションまでやっておられるのにも、アメリカ対中国と我が国と中国の間だけを考える時に、無理からぬものがあるかと思って望見している。と同時に、アメリカであれほど知識階層に評判が悪いトランプ大統領の我が国の支持者が立ち上がられたことには驚きを禁じ得ないのだった。見方を変えれば、私が繰り返して指摘して来た「民主党政権は我が国にとっては先ず確実に好ましくない」と認識しておられる方が多いのだろうと受けとめている。

1月20日はもう目と鼻の先だ。それまでにトランプ大統領がどのような行動を選ばれるかに焦点が絞られたのではないのだろうか。アメリカにも「立つ鳥跡を濁さず」という格言があるかと思って検索してみれば、“A bird does not leave its nest in a mess.”というのがあった。果たして、トランプ氏は跡を濁さずに「名誉ある撤退」をされるのだろうか。



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