アメリカはロシアとの関係を強化するための、幾つものチャンスを逃し
たが、両国の関係改善のためのチャンスはまだ残されている。
アメリカのゲイツ国防長官は、PBCテレビからのインタビューに答えた
中でこの様な見方を明らかにした。
これに関連してロシアの声の政治評論委員は、次の様にコメントして
いる。
最近アメリカ政府指導部は、将来の露米関係に付いて活発な意見交
換を行っている。
オバマ次期アメリカ大統領は今週(先週)雑誌「TIME」からのインタビュ
ーに答えたなかで、ロシアとの関係はアメリカの外交政策における優
先項目の一つとなっていくだろうと述べた。
またジョージ・ブッシュ大統領も次期大統領への餞の言葉を贈ったな
かで、ロシアとの関係に付いて言及している。
アメリカ企業研究所で演説を行ったブッシュ大統領は、アメリカとロシア
の間には共通の利益もあるが、問題も数多く残されていると指摘した。
今、アメリカ政府が今後の露米関係に、これほど注目しているという事
実は、オバマ新政権の下ではロシアとの関係は、重要視されないので
はないかとの見方を示していた人々の考えを否定するものだ。
こうした意味において今後も引き続き、国防長官のポストを維持するこ
とになるゲイツ氏のインタビューは注目に値する。
と言うのもゲイツ長官はロシアとの間で、完全な形で二国関係を築いて
いくことを支持する姿勢を示したからだ。
しかもその長官の発言は予期せぬ、しかし非常に率直のものだった。
ゲイツ長官は西側諸国が社会経済的に困難な時代にあった、ロシアの
弱さを利用して、欧州通常戦力条約・CFE適合条約の合意を迫ったこと
を認める発言を行った。
この様な発言は遅すぎた感がある。
しかしこれはアメリカや、その同盟国がCFE条約を批准しない限り、その
条約で定められた義務の遂行を一時停止するとした、ロシアの立場を多
くの者に理解させる助けとなるものだ。
次はミサイル防衛システムの、ポーランドやチェコへの配備計画に関する
ロシアの立場を、率直に認めることが求められる。
何故ならイランからのミサイルの脅威が存在するという、神話の様な根拠
が単なる口実であるということは誰にでも理解できることだからだ。
さらに南オセチア紛争を引き起こしたのが、グルジアであるということをア
メリカが認めた場合、露米関係はさらに強化されていくだろう。
ブッシュ政権は事実多くのチャンスを逃した。しかし両国関係を修復し、よ
り高いレベルにするための可能性はまだ開かれている。
メドヴェージェフ大統領とプーチン首相が、これまでに繰り返し述べている
ように、ロシアはこの可能性を利用しアメリカとの間に平等で互恵的で、公
正な関係を築いていく用意がある。
ですから来年1月20日の、アメリカの政権交代に大いに期待したいと思う。
12月20日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル