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モスクワでの中東和平会議の開催に関連して

2009-07-31 | ラジオ
ロシアのチュルキン国連大使はモスクワでの中東和平会議の開催
に付いて発言し、問題の当事国の間には大きな意見の対立が見ら
れるが、中東和平会議開催は国際社会で話し合われるべき主要な
議題の一つであり続けていると述べた。

大使は続けてロシア外務省の中東担当部署は、会議の議題を取り
まとめるため全力を尽くしていると強調した。
ロシアは国連安保理決議および中東和平仲介役4者の決定によって
開催が決まった、モスクワ中東和平会議の準備作業を続けている。
この会議は今年前半に開かれる予定だったが、開催は延期されてい
る。
その主な原因に付いてチュルキン大使はイスラエル政府の立場がハ
ッキリしないことを述べている。
イスラエルは会議の開催を原則的に支持すると表明しながら、会議で
扱う議題の調整で譲歩しない立場を示している。

これに付いてチュルキン国連大使は、この問題を調整するためロシア
のアレクサンドル・スルタノフ大統領特使が先週、この地域を訪れたこ
とを明らかにした。
ロシアはモスクワ会議は具体的な結果をもたらすものとなるべきだと
考えており、そのためには先ずパレスチナ自治区へのイスラエルの入
植など原則的な問題を解決する必要があるとの立場を占めている。

ここで国際社会はイスラエルに対し包括的和平プラン、いわゆるロード
マップへ定められた義務を遂行するよう求める立場で一致している。
またイスラエルはパレスチナ自治区に対する発言を和らげ、アラブは和
平案に記された考えに耳を傾けなければならない。
イスラエルと対立する国々は、イスラエルとの関係正常化に向けた条件
を提示している。
それらは全て国連決議に基づいたものだ。なかでも重要なのは1967年
に占領した土地から撤退し、東エルサレムを首都としたパレスチナの独
立を認めるというものだ。
一方のパレスチナにとっては別の重要な側面がある。
モスクワの会議には強力な代表団が参加する予定だ。
つまりパレスチナ国内の一連の対立を、取り除かなければならないという
ことだ。
エジプトはパレスチナ国内で対立する、ファタハとハマスの和解に向け懸
命に努力している。

こういった問題で進展は見られるものの、挙国一致内閣の創設という重要
な課題が遂行されるには、まだまだ時間が掛かりそうだ。
現在の状況に付いて専門家は次の様にコメントしている。
「イスラエルはもしモスクワ会議にハマスやヒズボラの代表者が参加するの
であれば、自国代表団を送り込まないと強く主張している。
スルタノフ大統領特使の中東訪問はイスラエルとパレスチナの、過激主義勢
力の立場を、少しずつ近づけようとするロシアにとって必要不可欠なものだっ
た。
当事国のいずれかが参加しないようなモスクワ会議は意味が無いのだ」
専門家はこの様に述べている。

モスクワでの中東会議ではレバノン、シリアとイスラエルとの、対話の再開に
付いも話し合われることになっている。
こうした意味においても各国はすでに今、例え僅かでも互いに歩み寄りを見せ
ることが必要だ。
そうすれば中東和平会議は効果を生み、成功を齎すことが出来るだろう。

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7月28日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル