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アメリカの新国防戦略が意味するもの(2)

2012-01-19 | ラジオ
これに関連してアメリカの新国防戦略の作成者達は、中国の軍事力の伸びに伴って、その戦略的意向がより明確になるに違いないと見ている。それによって地域での軋轢を避けることができるからだ。
一方中国政府は、アメリカは自分達を抑え込もうとしていると感じている。中国が苛立ちをもって、アメリカはインドとの戦略的パートナーシップ確立を目指すとする、新しい国防戦略の条項を捕らえている事は明らかだろう。
オバマ大統領のプランによるとインドは、インド洋の幅広いゾーンにおける安全を保障することになる。これは明らかに、中国の影響力との釣り合いを取るためのものだ。

アメリカの新国防戦略の中ではロシアについても言及されている。作成者達は、アメリカは両国の利益が一致する領域での、ロシアとの一層緊密な協同行動構築が重要だとみなしている。
またイランをめぐって先鋭化している危機が、露米関係においても追加的な苛立ちの基になりつつある事がはっきりしている。
アメリカの新国防戦略が発表されたその日、イラン側のイニシアチブによって、ロシアとイランの大統領は電話会談を実施した。その際、メドヴェージェフ大統領とアフマディネジャド大統領は、シリア情勢を含めた共同地域の諸問題の解決は、政治的な手段によってのみ可能であるとの固い確信を表明している。
また電話会談でメドヴェージェフ大統領は特に、イラン側がイランに核プログラムに対する信頼の段階的回復を目指す、ロシアの提案を前向きに肯定的に評価している点を指摘した。 

ここで注意を促したいのは、先にアメリカがイランの核武装を阻止するため、イランの核施設に先制攻撃をする、仕掛ける可能性があると脅迫した点だ。
またイラン海軍の演習やイランによる、ホルムズ海峡封鎖の可能性に対抗するためのアメリカの第5艦隊空母のホロムズ海峡海域入りなど、ここ最近の出来事は、ペルシャ湾情勢の先行きをひどく暗くしている。
アメリカ・イスラエル両政府はまた、対空、対ミサイル防衛システムの共同演習実施の意向を持っているようだが、そうしたことがなされるならば中東地域の状況が一層悪化することは目に見えている。

1月7日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル