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金正恩体制でミサイル発射実験は活発化するか。韓国の研究所の発表した報告書によせて

2012-01-21 | ラジオ
北朝鮮は恐らく今年2012年、ミサイル発射実験を活発化させ、三度目となる核実験を行い(女性アナウンサーが何と言ってるのか不明)。
韓国ソウルにある国際関係国家安全保障研究所の出した報告には、こうした文言が並んだ。

北朝鮮の政権が国家統制の経験を持たぬ若い後継者、金正日氏の三男である金正恩氏に移譲されたことは、多くのオブザーバーが懸念を呼んだ。
死去した金正日氏の長男、正男氏は先日、声明を表し父親の死後、国の実権は現在国を動かしているエリートたちの手中に集中し、弟の正恩氏は後継者の轡をはめられるものの、象徴以上のものにはならないと発言している。
正男氏は、正恩氏は2年間の後継者教育を受けたものの、国家の枢機を継承するにはこれでは不十分であり、そのため指導部の個々の勢力間の争いが激化しかねないとの見方を示している。

韓国の専門家たちは経済的困難と政治的要因によって、北朝鮮の抱える問題がさらに深刻化する恐れがあると捉えている。
そのため金正恩氏は内部の団結を強化するための、新たな煽動に走らざるを得ず、ミサイル発射や第3の核実験を行って緊張を煽ることも在り得る。
正恩氏にとっては、こうした方法は自らの首長としての役割を誇示し、体制コントロールを強化するために欠かせない。
韓国では、こうした見方がなされている。

同時に国際関係安全保障研究所の報告書には、今年2012年の前半に朝鮮半島の核問題を話し合う、6ヵ国協議が再開される可能性についても書かれている。
新たな核実験もしくはミサイル発射実験の活発化は、北朝鮮の国際的な孤立を深める恐れがあり、北朝鮮指導部にとってはこうしたデリケートなときに、孤立化を引き起こすことは得策ではない。
第3の核実験はもしかすると、純粋に技術的理由によっても行われないかもしれない。

エネルギー経済安全保障センターのフロプコフ所長は、ロシアの声からのインタビューに対し、北朝鮮のプルトニウムの備蓄量に限界があることから、単にデモンストレーションやプロパガンダ的な目的で核実験が行われることはないだろうとして、次のように語っている。
「理論上は北朝鮮の新たな指導部が核実験を行って、国防分野における政策の継承性をデモンストレーションしたいと希望することも有り得るが、核実験が核ポテンシャルを向上させるのではなく、イメージ上の理由から行なわれ得るということに抵抗する、一連のファクターがある。
その主たる理由は北朝鮮が有する核物質の量的な限界だ。北朝鮮は行う核実験の、それぞれの合目的性を厳密に秤にかけて評価せざるを得ない」
所長は、このような見解を示している。

今のところ北朝鮮情勢には、カオスや不透明な兆候は見られない。これは報告書の作成者も認めており、北朝鮮指導部は安定を維持していると書いている。
この体制をどれほど長くもたせることが出来るのかに付いては、おそらく誰も分からないだろう。
多くは北朝鮮の国内抗争だけでなく、アメリカと韓国の立場にもよるだろう。煽動や北朝鮮の体制の堅牢さを試す、如何なる試みも報復措置や急激な事態の悪化を招きかねないからだ。

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