1010 Radio

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ロシアのソーシャル目覚まし

2012-08-02 | ラジオ
ロシアで考案されたソーシャル目覚ましが、世界規模のサービスを開始した。
このプロジェクトの名前はブジスト。ロシア語を話す人なら全世界から誰でもプロジェクトに参加することができる。
このようなプロジェクトは世界でも類をみない。プロジェクトは、一人の人物が見ず知らずの人を電話で起こすというものだ。

起こしてもらう必要のある人、あるいは寝坊する人は、サイトwww.budist.ruで申し込むことができる。
申請者は氏名、性別、電話番号、Eメールアドレスを入力するほか、起こしてもらいたい時間を指定する。
誰かを起こしたい人は、サイト上でそれが可能な時間を指定する。指定された時刻にボイスメールから連絡が入り、起こしてもらいたい人の電話に自動で接続される訳だ。
このようなシステムにより、電話のかけ忘れは生じないほか、受信者の電話番号が表示されることもない。
起こしたい人が現れなかった場合には、ロボットのブージャが電話をかけてくれる。

ソーシャル目覚ましのアイデアが生まれたのは今から7年前。考案したのはグラチク・アドジャミャンさんだ。アドジャミャンさんは同時期に複数の場所で働き勉強していた。睡眠時間はごくわずかで、常に寝不足だったアドジャミャンさんの目を覚ますことができる目覚まし時計は一つもなかった。
そんなアドジャミャンさんにとって最も効果的だったのは、知らない電話番号からの電話だった。
お客さんからの電話かもしれないと思ったアドジャミャンさんは、急いで我に返り、社長秘書のようにしっかりした声で応対した。 そんなアドジャミャンさんは、知らない番号から電話がかかってきた時、人間は本能的に相手に良い印象を持たれるように努力するため、人は眠りからいち早く覚めようとすると語る。そして知らない人と会話した後、今までの眠気は吹き飛んでしまう。

アドジャミャンさんのソーシャル目覚ましでは、いろんな手段が使われている。人を眠りから覚ますために詩の朗読や歌が歌われたりする。また同じ世代の異性からの目覚ましの連絡が入ることもある。そのため素敵な出会いが訪れる可能性もある。
アドジャミャンさんのソーシャル目覚ましプロジェクトは6月初旬に拡大され、ロシア語を話す人であれば世界中から登録することが可能となった。サービスはこれまで通り無料だ。数ヵ月後にはWakie.comの英語バージョンが開設される予定だ。

ソーシャル目覚ましプロジェクト・ブジストは、ロシアで最も人気のあるソーシャルネットワーキングサービス「(ロシア語なので聴き取れず)」の創始者たちによって開催された、ベンチャービジネスコンクールで入賞した6つのプロジェクトのうちの一つだ。
入賞したプロジェクトのなかではブジストのほかに、2つのプロジェクトが社会的に有益な目的を持っている。
プロジェクト・お互いは、相互支援のソーシャルネットワークで、支援を提供できる人は具体的な支援内容を掲載し、支援を必要とする人は依頼内容を伝えるというものだ。
もう一つのプロジェクト「ロシア語の聴き取れず」は、プロジェクトの運営者たちは優れた教育講義ビデオを製作し、自由に閲覧できる形でインターネット上に配信したというものだ。

こんな目覚ましがあると、ほんとうに目が直ぐに覚めるかも知れませんね。

フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)
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日経BP社

6月30日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
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中国とアメリカ ミャンマーで衝突

2012-08-01 | ラジオ
ミャンマーは中国とアメリカとの新しい対立の場所となる。ロシアの専門家らは、アメリカがミャンマーとの関係を改善したことで、そのような見方を示している。
最近、オバマ大統領はミャンマーに対する制裁の一部解除を発表し、アメリカとのビジネスへの扉を開いた。
アメリカ企業にはミャンマーの石油ガス分野など、重要な分野への投資が解禁されたほか、金融サービスを提供することができるようになる。現在それらの分野では中国資本が圧倒的な地位を占めている。
アメリカはミャンマーに対して1988年の軍事クーデター以降、厳しい制裁を科してきたが、その間に中国がすっかり立場を強化したのだ。オバマ大統領は制裁措置の緩和について、ミャンマーでのリベラル改革が始まり、民主主義への前進が見られているためだと説明している。

ただロシア科学アカデミーアメリカ・カナダ研究所のゾロタリョフ副所長は、制裁緩和の真の理由は別のところにあると指摘している。
「先ずは地域におけるアメリカの地政学的利害がある。それは中国との対立であり、軍事力を含めた中国の成長する力を封じ込めることだ。全体としてこの地域でアメリカは、中国以外の国々との間で、いざという時に支持を得られるとか、少なくとも忠実な立場を期待できるような関係を築こうとしている。
ベトナムおよびインドとの関係も、そのような考えによるものだ。ミャンマーとの関係も、その民主化云々の話ではなく、地政学的な立場によるものなのだ」
副所長は、このようにコメントしている。

どちらにせよアメリカに続いて西欧諸国、日本などがミャンマーとの関係改善に動いた。日本は西欧諸国よりも一歩早い動きを見せ、4月末には28年ぶりにミャンマーの大統領が東京を訪問した。テイン・セイン大統領には約40億ドルにのぼる負債の帳消しが約束されたほか、インフラ建設のための優遇条件での円借款が約束された。
ロシア科学アカデミー東洋学研究所のユルロフ分析員は、日本が東南アジアにおける影響力のある大国として自らを位置づけており、ミャンマーにおいて中国に挑戦しようとしていると指摘している。
「ミャンマーにおける中国の影響力はとても強力で、今でもそれは続いています。しかし最近、ミャンマーは国際的な孤立から抜け出し、様々なところから風が吹いている。中国だけでなく日本からも欧米からも風が吹いている。
ミャンマーは今のところ非常に貧しい国だ。ミャンマーは当然、東だけでなく、西にも目を向けている。要は選択しなくてはならないのですが、それは非常に困難な選択なのだ」
分析員は、このようにコメントしている。

中国の切り札は、ミャンマーを通ってベンガル湾に抜ける石油ガスパイプライン。また最近、中国国務院のメン・チャンチュン氏がミャンマーを訪問したことも重要だ。メン・チャンチュン氏は政府で治安関係を担当しているが、ミャンマーとの間で全面的な関係発展を確認し、今後とも中国を頼りにできることをアピールした。
ロシアの諺で「空を飛んでいるツルよりも、手の中にあるシジュウカラを与えよ」というロシアの諺があるが、ミャンマーにとっても、すでにある中国との関係が、将来的な欧米との協力から得られる利益よりも重要なのかもしれない。

未知なるミャンマー
クリエーター情報なし
毎日新聞社

7月14日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
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