11月28日に開催した 「ロゼワイン&発酵中華のマリアージュディナー」 では、ロゼワインに関するレクチャーを少々する予定でしたが、参加者の皆さんがすっかりワイン&料理を楽しまれている雰囲気をこちらの話で中断するにはしのびなかったので、ワインのレクチャーは割愛させていただきました。が、準備してまとめたものがあるので、こちらで紹介したいと思います。
以前のブログ記事で書いた内容をひとつにまとめたものです。
かなりの長文になりますので、お時間のあるときにでもご覧ください
※ ディナー会のレポートは 【ワイン編】 / 【料理編】 を参照ください
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ロゼワインに関するエトセトラ
生産
ロゼワインを最も多く生産している国はフランスで(28%)、2位にイタリア(21%)、同点3位にスペインとアメリカ(18%)が続きますが、欧州勢が全世界の75%を占めています。
フランスの中では、プロヴァンス38%、ロワール20%、ボルドー&周辺13%、ローヌ12%と、プロヴァンスがダントツ。プロヴァンスだけで全世界のロゼワイン生産量の8%を誇ります。
プロヴァンスでは、ロゼ88%、赤9%、白3%ですから、
ロゼワインといったらプロヴァンス、プロヴァンスといったらロゼ。
プロヴァンスワインの産地は、南仏マルセイユとニースの間とその周辺です。
紀元前6世紀頃、港町マルセイユにはギリシャ人が船でやってきていました。彼らは薄い色の付いた飲物を携えていましたが、それこそがロゼワインでした。
その飲物をマルセイユでもつくろうと、ギリシャ人たちがブドウの樹を植えたのが、フランスのワインづくりの最初といわれています。つまり、プロヴァンスがフランス最古のワイン産地であり、ロゼワインこそが最古のワイン、ということになります。
当事は、黒い皮で白い果肉を持つブドウを足で踏み、少し色がついただけの果汁を発酵したもの=ロゼワインをつくり、兵士たちの飲物として配っていました。薄い色のワインは兵士たちのノドを潤し、栄養補給にもなる大事なものでした。このような形で、ワインづくりはマルセイユからフランス南部、スペイン、ポルトガルの欧州各地に伝わっていきました。
消費
消費量がダントツなのは、やはりフランスで(34%)、米国(16%)、スペイン(12%)、イタリア(9%)、ドイツ(7%)、英国(5%)と続きます(2006年の統計)。
上記以外のEUも9%で、全世界のロゼワインの73%を欧州で消費しています。
色別の消費量を見ると、2006年ではロゼの比率は全世界のワインの9%(2,110万ヘクトリットル)でしたが、2009年には9.5%(2,320万ヘクトリットル)と伸びていて、2014年には9.91%(2,500万ヘクトリットル)になると予測されています(伸び率7.76%)。
ロゼの成長は、消費量、生産量、比率、すべてにおいて順調 です。
以前も紹介しましたが、フランスでは購入されるワイン4本のうち1本がロゼ。
ロゼワインはトレンドとなっています。
このトレンドはフランスだけでなく多くの国に広がっています。北欧は特に需要が伸びていますが、さらに期待されているのが米国やカナダなどの北米、新興市場としては中国、ブラジル、ロシアが注目されています。
世界市場におけるロゼワインの躍進は赤ワイン市場を侵食していますが、日本では白ワイン市場に大きく食い込み、白がじわじわとロゼに置き換わる傾向が続く予測が出されています(2011~2015年のロゼの伸び率予測は+55.56%、白は-0.84%、赤は+3.52%)
つまり、ロゼは日本でも人気急上昇中、ということです。
白市場を侵食中というのは、白ワイン好きとしてはかなり微妙なのですが、ロゼは2011年の実績ではまだ0.36%のシェア(白は28.77%、赤は70.86%)にすぎず、2015年の予測でも0.54%ですから(白は27.85%、赤は71.59%)、ロゼ自体としてもっと頑張ってほしいと思います。
ロゼの人気の理由
ロゼワイン最大の生産シェアを誇る仏プロヴァンスのプロヴァンスワイン委員会では、
ロゼ人気は、ライフスタイルの変化が大きい ため 、と分析しています。
現代の食生活では、早く食べられるもの、冷たいもの、軽めのもの が好まれるようになっています。また、ローカルなフードだけでなく、世界各国の料理が食べられるようになってきました。特に和食は大人気で、アジアンやエスニックなども人気です。
こうした さまざまな料理によく合い、飲んですぐに楽しい気分にさせてくれる飲物として、ロゼワインが注目されるようになってきました。
近年、フランスでは一人が1年に飲むワインの消費量が減っており、日本でもそうですが、特に若い世代のアルコール離れが顕著です。
しかし、フランスでは、ロゼワインが若い人たちに受けています。
その理由は、色がキレイで、アロマが好ましく、飲み方がやさしく、自由だから。
赤ワインや白ワインは、ある程度の知識や情報を持っていないと選びにくく、特に赤は通向けといわれます。
しかし、ロゼワインは知識や伝統や階級などを気にせず、自由にアプローチしてすぐに楽しめ、1日のうちいつ飲んでもピッタリ来ます。
ロゼはそのままワインだけで飲んでもよく、どんな料理にも合わせられます。
ちなみに、フランスでは食事と一緒に飲まないワイン消費は全体の40%だとか。つまり、ワインだけをゆるゆるダラダラ飲むことが多いというわけです(笑)
また、健康志向の地中海料理との関連から、それに合わせるプロヴァンス地方のワイン=ロゼワインにつながったこと、家庭の中でワイン購入の主導権を握っているのは 女性 で、女性はロゼワインの購入に積極的 である、といったことも、ロゼ人気を大きく押し上げたといいます。
女性がロゼを選ぶ理由のひとつに、キレイな色があります。前述したように、ロゼワインは兵士のワイン、男が飲むワインでした。しかし、近年の研究、技術向上により、バリエーション豊かなピンク色が出せるようになってくると、女性たちがそれを見逃すはずがありません。
女性たちは食卓に載せるのに、美しいロゼワインを選ぶようになってきました。また、女性たちがよくワインを飲むようになってきたという時代背景もあります(ヨーロッパでは80%の女性がワインを飲むという統計があります)。
さらに、太陽、海岸、バカンス、ロマンティック、解放的で自由なライフスタイル、といった、プロヴァンス地方独特の雰囲気が、この地でつくられるロゼワインのイメージと結び付けられていることも、ロゼ人気の理由でしょう。
ロゼワインが順調
スティルワインの消費量においては、ロゼと赤は今後も順調で、白ワインが落ち込んでいく、と予測されています。
特に ロゼワインの伸びが顕著で、このロゼ人気は世界的な傾向でもあります。ただし、アジア市場全体を見ると、ロゼワインの消費量はごく少量にとどまっています。
ということは、ロゼ人気は成熟したワイン市場において見られるように思います。
日本でのロゼワイン消費量を数値で見ると、2006年に4,000ケースだったのが、2010年には9,000ケースと、84.69%増加しています。
2011年は震災の影響をものともせず、9,000ケースの実績を上げ、2015年には1万4,000ケースにまで増える見込みです(+55.56%)。
赤ワインも、2006~2010年で+12.17%、2011~2015年予測で+3.52%と伸びを見せますが、ロゼワインの伸び率には及びません。
白ワインに至っては、2006~2010年で+7.54%でしたが、2011~2015年予測では-0.84%(716万ケース→710万ケースにダウン)となっています。
食のライト化で白ワインが人気かと思いきや、白を飲んでいた人がロゼにシフトしてくる形になりそうです。
ロゼの躍進は、世界的なロゼ人気が後押ししていることもあるでしょうし、2011年の大震災後に日本に発足した 「ラブ・ロゼ」プロジェクト の影響もありそうでしょうか。
また、女子会ブームの影響で、色がキレイで華やかなロゼワインが女子に似合うから、と支持につながっているように思います。
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上記の記事は、当ブログ内の リンク集 「ロゼワインの魅力をたっぷりと」 (2012/6/14)から集めました
さあ、あなたもロゼワインが飲みたくなってきませんか?(笑)
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以前のブログ記事で書いた内容をひとつにまとめたものです。
かなりの長文になりますので、お時間のあるときにでもご覧ください
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※ ディナー会のレポートは 【ワイン編】 / 【料理編】 を参照ください
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ロゼワインに関するエトセトラ
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ロゼワインを最も多く生産している国はフランスで(28%)、2位にイタリア(21%)、同点3位にスペインとアメリカ(18%)が続きますが、欧州勢が全世界の75%を占めています。
フランスの中では、プロヴァンス38%、ロワール20%、ボルドー&周辺13%、ローヌ12%と、プロヴァンスがダントツ。プロヴァンスだけで全世界のロゼワイン生産量の8%を誇ります。
プロヴァンスでは、ロゼ88%、赤9%、白3%ですから、
ロゼワインといったらプロヴァンス、プロヴァンスといったらロゼ。
プロヴァンスワインの産地は、南仏マルセイユとニースの間とその周辺です。
紀元前6世紀頃、港町マルセイユにはギリシャ人が船でやってきていました。彼らは薄い色の付いた飲物を携えていましたが、それこそがロゼワインでした。
その飲物をマルセイユでもつくろうと、ギリシャ人たちがブドウの樹を植えたのが、フランスのワインづくりの最初といわれています。つまり、プロヴァンスがフランス最古のワイン産地であり、ロゼワインこそが最古のワイン、ということになります。
当事は、黒い皮で白い果肉を持つブドウを足で踏み、少し色がついただけの果汁を発酵したもの=ロゼワインをつくり、兵士たちの飲物として配っていました。薄い色のワインは兵士たちのノドを潤し、栄養補給にもなる大事なものでした。このような形で、ワインづくりはマルセイユからフランス南部、スペイン、ポルトガルの欧州各地に伝わっていきました。
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消費量がダントツなのは、やはりフランスで(34%)、米国(16%)、スペイン(12%)、イタリア(9%)、ドイツ(7%)、英国(5%)と続きます(2006年の統計)。
上記以外のEUも9%で、全世界のロゼワインの73%を欧州で消費しています。
色別の消費量を見ると、2006年ではロゼの比率は全世界のワインの9%(2,110万ヘクトリットル)でしたが、2009年には9.5%(2,320万ヘクトリットル)と伸びていて、2014年には9.91%(2,500万ヘクトリットル)になると予測されています(伸び率7.76%)。
ロゼの成長は、消費量、生産量、比率、すべてにおいて順調 です。
以前も紹介しましたが、フランスでは購入されるワイン4本のうち1本がロゼ。
ロゼワインはトレンドとなっています。
このトレンドはフランスだけでなく多くの国に広がっています。北欧は特に需要が伸びていますが、さらに期待されているのが米国やカナダなどの北米、新興市場としては中国、ブラジル、ロシアが注目されています。
世界市場におけるロゼワインの躍進は赤ワイン市場を侵食していますが、日本では白ワイン市場に大きく食い込み、白がじわじわとロゼに置き換わる傾向が続く予測が出されています(2011~2015年のロゼの伸び率予測は+55.56%、白は-0.84%、赤は+3.52%)
つまり、ロゼは日本でも人気急上昇中、ということです。
白市場を侵食中というのは、白ワイン好きとしてはかなり微妙なのですが、ロゼは2011年の実績ではまだ0.36%のシェア(白は28.77%、赤は70.86%)にすぎず、2015年の予測でも0.54%ですから(白は27.85%、赤は71.59%)、ロゼ自体としてもっと頑張ってほしいと思います。
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ロゼワイン最大の生産シェアを誇る仏プロヴァンスのプロヴァンスワイン委員会では、
ロゼ人気は、ライフスタイルの変化が大きい ため 、と分析しています。
現代の食生活では、早く食べられるもの、冷たいもの、軽めのもの が好まれるようになっています。また、ローカルなフードだけでなく、世界各国の料理が食べられるようになってきました。特に和食は大人気で、アジアンやエスニックなども人気です。
こうした さまざまな料理によく合い、飲んですぐに楽しい気分にさせてくれる飲物として、ロゼワインが注目されるようになってきました。
近年、フランスでは一人が1年に飲むワインの消費量が減っており、日本でもそうですが、特に若い世代のアルコール離れが顕著です。
しかし、フランスでは、ロゼワインが若い人たちに受けています。
その理由は、色がキレイで、アロマが好ましく、飲み方がやさしく、自由だから。
赤ワインや白ワインは、ある程度の知識や情報を持っていないと選びにくく、特に赤は通向けといわれます。
しかし、ロゼワインは知識や伝統や階級などを気にせず、自由にアプローチしてすぐに楽しめ、1日のうちいつ飲んでもピッタリ来ます。
ロゼはそのままワインだけで飲んでもよく、どんな料理にも合わせられます。
ちなみに、フランスでは食事と一緒に飲まないワイン消費は全体の40%だとか。つまり、ワインだけをゆるゆるダラダラ飲むことが多いというわけです(笑)
また、健康志向の地中海料理との関連から、それに合わせるプロヴァンス地方のワイン=ロゼワインにつながったこと、家庭の中でワイン購入の主導権を握っているのは 女性 で、女性はロゼワインの購入に積極的 である、といったことも、ロゼ人気を大きく押し上げたといいます。
女性がロゼを選ぶ理由のひとつに、キレイな色があります。前述したように、ロゼワインは兵士のワイン、男が飲むワインでした。しかし、近年の研究、技術向上により、バリエーション豊かなピンク色が出せるようになってくると、女性たちがそれを見逃すはずがありません。
女性たちは食卓に載せるのに、美しいロゼワインを選ぶようになってきました。また、女性たちがよくワインを飲むようになってきたという時代背景もあります(ヨーロッパでは80%の女性がワインを飲むという統計があります)。
さらに、太陽、海岸、バカンス、ロマンティック、解放的で自由なライフスタイル、といった、プロヴァンス地方独特の雰囲気が、この地でつくられるロゼワインのイメージと結び付けられていることも、ロゼ人気の理由でしょう。
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スティルワインの消費量においては、ロゼと赤は今後も順調で、白ワインが落ち込んでいく、と予測されています。
特に ロゼワインの伸びが顕著で、このロゼ人気は世界的な傾向でもあります。ただし、アジア市場全体を見ると、ロゼワインの消費量はごく少量にとどまっています。
ということは、ロゼ人気は成熟したワイン市場において見られるように思います。
日本でのロゼワイン消費量を数値で見ると、2006年に4,000ケースだったのが、2010年には9,000ケースと、84.69%増加しています。
2011年は震災の影響をものともせず、9,000ケースの実績を上げ、2015年には1万4,000ケースにまで増える見込みです(+55.56%)。
赤ワインも、2006~2010年で+12.17%、2011~2015年予測で+3.52%と伸びを見せますが、ロゼワインの伸び率には及びません。
白ワインに至っては、2006~2010年で+7.54%でしたが、2011~2015年予測では-0.84%(716万ケース→710万ケースにダウン)となっています。
食のライト化で白ワインが人気かと思いきや、白を飲んでいた人がロゼにシフトしてくる形になりそうです。
ロゼの躍進は、世界的なロゼ人気が後押ししていることもあるでしょうし、2011年の大震災後に日本に発足した 「ラブ・ロゼ」プロジェクト の影響もありそうでしょうか。
また、女子会ブームの影響で、色がキレイで華やかなロゼワインが女子に似合うから、と支持につながっているように思います。
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上記の記事は、当ブログ内の リンク集 「ロゼワインの魅力をたっぷりと」 (2012/6/14)から集めました
さあ、あなたもロゼワインが飲みたくなってきませんか?(笑)
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