日本で活動している初の日本人MW(マスター・オブ・ワイン)大橋健一さんによるオーストラリアワインのマスタークラスセミナーが、2017年5月23日、都内で開催され、私も参加してきました。
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大橋健一さんは、栃木県宇都宮市で酒販店を経営されています。
そのため、私も10年以上前にお店に取材に行ったことを記憶しています。
その当時は、まさかMWを取得されるとは思いもよりませんでした。
MWの道は厳しいと聞いていますので、かなりの努力をされたのでしょう。
MWの試験は世界3カ所(ロンドン、カリフォルニア、シドニー)で行なわれます。
大橋さんが選んだ試験会場は、シドニーだそうです。
また、大橋さんは“オーストラリアワイン名誉スペシャリスト”にも就任されていますので、オーストラリアとのつながりが非常に強い人物といえるわけです。
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2016年12月、大橋MWは、ワインオーストラリアの招きでオーストラリアを1週間にわたって訪問し、ワイン産地や生産者を巡るだけでなく、影響力のある料飲店や小売店の取材のほか、マスターソムリエ、MW、ジャーナリスト等と会い、現在のオーストラリアで起きている変化を調査されたそうです。
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その調査内容を、今回のセミナーで語ってくれました。
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大橋さんによると、日本市場でのオーストラリアワインは、ほぼ安定状態にあり、横ばいが続いているといいます。
世界のワインの中では、オーストラリアワインは一応、日本では勝ち組に入ります。
しかし、世界の他の国際都市と比べると(ロンドン、シドニー、ニューヨーク)、日本はフランスワインに偏っています。
日本の出生率は低く、その一方で、海外からの観光客は年々増加しています。
外国人観光客の出身国を見ると、オーストラリアは6位で、日本市場でのワイン輸入量も第6位。
オーストラリアは対外輸出に力を入れている国でもあります。
先日、“オージービーフ・ラム及び ワインを使用したセールスプロモーション”の表彰式で、オーストラリア駐日大使が日豪EPA関税協定の段階的撤廃に触れていらっしゃいました。
2011年には、日豪間のワインとビーフの関税はゼロになります。
これまでも、オーストラリアワインは価格以上の品質が望めるバリューなワインが多くありましたが、それがさらに魅力を増してきます。
しかも、高いワインほど、よりバリュー度が高くなります。
紙パック入りの安い“カスクワイン”はオーストラリアにもあります。
しかし、チリ、フランスのラングドック、南アなどの国の方が価格面で強いため、「オーストラリアでは、カスクワインでは勝負しない。とっくに終わっている」と大橋MWは言います。
オーストラリアは安いワインで勝負をする方向ではなく、価格帯の高いワインにシフトし、アピールしていこう、という方向に変化しているといいます。
これまでは、安いお手頃ワインをオーストラリアに求めてきた人も多いかと思いますが、そういうワインなら他の国で探せばいい、ということです。
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では、オーストラリアワインの特徴は?
― The oldest but new!
オーストラリアの土壌は世界で最も古いといわれています。
しかし、生産者の世代交代が進み、若い消費者も成長しています。
つまり、古いだけじゃなく、新しいものが育ってきている、ということです。
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若い世代は色々な国を廻り、グローバルな視点から、色々なワインを生み出してます。
若い消費者が好むデザインやテイストのワインが発信され、普通なら行なわれないブレンドや、奇妙なラベル、といったものが当然のように出てきています。
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もちろん、オーセンティックなワインも素晴らしいものがあります。
― Lighter in style
アルコールが高く、濃厚でガッツリしたワインから、より軽やかなスタイルへのシフトは、世界的な傾向です。
特にオーストラリアでは、pHをかなり低くしたワインが見られるようになりました。
地球温暖化を受け、ハングタイムを短くし、早く収穫する傾向もあります。
“ヌーヴォー”と呼ばれる、フレッシュで新鮮な味わいのワインが好まれるようになり、ボジョレ・ヌーヴォーで知られるブドウ品種“ガメイ”は、今やオーストラリアでは最もクールなブドウのひとつになっています。
“Pet Nat”(ペット・ナット、ペティアン・ナチュレル”の略)と呼ばれるガス圧の弱い発泡ワインもトレンドです。特にビオのもの。
たしかに、ほわほわ~っとしたゆるいガス圧の軽~い豪州ワイン、よく見ます。
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セミナーでは大橋MW厳選の12アイテムの豪州ワインを試飲しました
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左端のワインがペットナット
「どんなワインでもある、という懐の深さが、オーストラリアにはある」と、大橋MWが言っていましたが、昔なら、“オーストラリアといえばシラーズだよね?”で語られていたのが、今はとんでもないことになっています。
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オーセンティックな素晴らしいワインの間に興味を惹かれるラベルのワインあり
オーストラリアは“輸出”をプッシュしている国であり、日豪ではEPA関税協定の優位性もありますので、昔とは違う“現在進行形のオーストラリアワイン”に注目しない手はありません。
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セミナーには非常に多くの人が参加していました。
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大橋健一さんは、栃木県宇都宮市で酒販店を経営されています。
そのため、私も10年以上前にお店に取材に行ったことを記憶しています。
その当時は、まさかMWを取得されるとは思いもよりませんでした。
MWの道は厳しいと聞いていますので、かなりの努力をされたのでしょう。
MWの試験は世界3カ所(ロンドン、カリフォルニア、シドニー)で行なわれます。
大橋さんが選んだ試験会場は、シドニーだそうです。
また、大橋さんは“オーストラリアワイン名誉スペシャリスト”にも就任されていますので、オーストラリアとのつながりが非常に強い人物といえるわけです。
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2016年12月、大橋MWは、ワインオーストラリアの招きでオーストラリアを1週間にわたって訪問し、ワイン産地や生産者を巡るだけでなく、影響力のある料飲店や小売店の取材のほか、マスターソムリエ、MW、ジャーナリスト等と会い、現在のオーストラリアで起きている変化を調査されたそうです。
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その調査内容を、今回のセミナーで語ってくれました。
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大橋さんによると、日本市場でのオーストラリアワインは、ほぼ安定状態にあり、横ばいが続いているといいます。
世界のワインの中では、オーストラリアワインは一応、日本では勝ち組に入ります。
しかし、世界の他の国際都市と比べると(ロンドン、シドニー、ニューヨーク)、日本はフランスワインに偏っています。
日本の出生率は低く、その一方で、海外からの観光客は年々増加しています。
外国人観光客の出身国を見ると、オーストラリアは6位で、日本市場でのワイン輸入量も第6位。
オーストラリアは対外輸出に力を入れている国でもあります。
先日、“オージービーフ・ラム及び ワインを使用したセールスプロモーション”の表彰式で、オーストラリア駐日大使が日豪EPA関税協定の段階的撤廃に触れていらっしゃいました。
2011年には、日豪間のワインとビーフの関税はゼロになります。
これまでも、オーストラリアワインは価格以上の品質が望めるバリューなワインが多くありましたが、それがさらに魅力を増してきます。
しかも、高いワインほど、よりバリュー度が高くなります。
紙パック入りの安い“カスクワイン”はオーストラリアにもあります。
しかし、チリ、フランスのラングドック、南アなどの国の方が価格面で強いため、「オーストラリアでは、カスクワインでは勝負しない。とっくに終わっている」と大橋MWは言います。
オーストラリアは安いワインで勝負をする方向ではなく、価格帯の高いワインにシフトし、アピールしていこう、という方向に変化しているといいます。
これまでは、安いお手頃ワインをオーストラリアに求めてきた人も多いかと思いますが、そういうワインなら他の国で探せばいい、ということです。
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では、オーストラリアワインの特徴は?
― The oldest but new!
オーストラリアの土壌は世界で最も古いといわれています。
しかし、生産者の世代交代が進み、若い消費者も成長しています。
つまり、古いだけじゃなく、新しいものが育ってきている、ということです。
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若い世代は色々な国を廻り、グローバルな視点から、色々なワインを生み出してます。
若い消費者が好むデザインやテイストのワインが発信され、普通なら行なわれないブレンドや、奇妙なラベル、といったものが当然のように出てきています。
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もちろん、オーセンティックなワインも素晴らしいものがあります。
― Lighter in style
アルコールが高く、濃厚でガッツリしたワインから、より軽やかなスタイルへのシフトは、世界的な傾向です。
特にオーストラリアでは、pHをかなり低くしたワインが見られるようになりました。
地球温暖化を受け、ハングタイムを短くし、早く収穫する傾向もあります。
“ヌーヴォー”と呼ばれる、フレッシュで新鮮な味わいのワインが好まれるようになり、ボジョレ・ヌーヴォーで知られるブドウ品種“ガメイ”は、今やオーストラリアでは最もクールなブドウのひとつになっています。
“Pet Nat”(ペット・ナット、ペティアン・ナチュレル”の略)と呼ばれるガス圧の弱い発泡ワインもトレンドです。特にビオのもの。
たしかに、ほわほわ~っとしたゆるいガス圧の軽~い豪州ワイン、よく見ます。
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セミナーでは大橋MW厳選の12アイテムの豪州ワインを試飲しました
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左端のワインがペットナット
「どんなワインでもある、という懐の深さが、オーストラリアにはある」と、大橋MWが言っていましたが、昔なら、“オーストラリアといえばシラーズだよね?”で語られていたのが、今はとんでもないことになっています。
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オーセンティックな素晴らしいワインの間に興味を惹かれるラベルのワインあり
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オーストラリアは“輸出”をプッシュしている国であり、日豪ではEPA関税協定の優位性もありますので、昔とは違う“現在進行形のオーストラリアワイン”に注目しない手はありません。
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セミナーには非常に多くの人が参加していました。
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