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その峰の彼方ー笹本稜平

2019年07月05日 | 読書

評価4

北米の最高峰(標高6,194㍍)マッキンリー(現在はデナリが正式な呼名)の最難関ルート・カシンリッジの冬季単独登攀成功後に消息を断った架空の登山家・津田悟の救出に向かう捜索隊の姿と悟の山に込めた魂を描く山岳長編。

津田が進めていたリゾートホテル計画が救出作業と同時進行で語られるが、山にのめり込んで読み進めていた身からすれば少々興醒め。で、津田が山に求めたものが何だったのか?は、結局わからずじまいだった。ま~、一日も休まず、朝晩5日間も読み続けたんだから「面白くないわけではなかったんだろう」ってことで評価は4(笑)。

アメリカとカナダの五大湖沿岸に保留地を有するイロコイ連邦というインディアンの部族国家があることを初めて知った。

※気になる言葉メモ(487頁)
「死ぬときに自分は何者だったかと自らに問いかけて、なんの答えも持ち合わせていないとしたら、生まれてこなかったのと変わりない。」