評価
1453年5月29日、コンスタンティノープルはマホメッド2世率いるトルコ軍の猛攻によって陥落、1123年間に渡って栄華を誇ったビザンチン帝国が崩壊したのだった。12人の人物によってこの事実を語らせることによって物語に厚みをもたらしている。塩野節炸裂!
東西教会統一を目指すイシオドスと反対派ゲオルギオスの考え方の違いが面白い。登場人物が生き生きとしていてかなり読みやすい。ちなみに、表紙左手突端の高い塔が「ガラタの塔」、右手突端が「聖ソフィア大聖堂」中ほどが「皇宮」と「メソティキオン城壁」、手前の赤い天幕がマホメッド2世の天幕、と思われます。
登場人物を記しておきます。いや~また行きたい所が一つ増えちゃったなぁ~(笑)
・マホメッド2世
・コンスタンティヌス11世
・トレヴィザン(ヴェネツィア艦隊司令官)
・ニコロ(ヴェネツィア艦隊付の青年医師)
・テダルティ(フィレンツェ商人)
・ミハイロヴィッチ(トルコ側のセルビア軍人)
・イシオドス(東西教会の統一を推進する枢機卿)
・ゲオルギオス(教会合同に反対するギリシア正教の修道士)
・ロメリーノ(ジェノヴァ居留区の代官)
・フランゼス(コンスタンティヌスの臣下)
・トルサン(モハメッド2世の小姓)
・ウベルティーノ(ゲオルギオスの弟子の学生)