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母校・盛岡一高や岩手のスポーツ情報、読書感想、盛岡風景などをお伝えします。

今日の盛岡

2021年12月25日 | 盛岡風景



雪が降った後は、中央通~市役所~中ノ橋~元バスセンター~盛岡八幡宮口~ホットライン肴町(1往復)~大通~長田町の消雪歩道を行く。どうやら八幡宮口から東は消雪仕様ではない模様。これでちょうど7㌔。

坂の上の雲(1)ー司馬遼太郎

2021年12月24日 | 読書

評価4

再読(前回2019年10月9日)。
日露戦争勝利の立役者、秋山好古・真之兄弟の物語。同郷で真之とは同級の正岡子規の生き様も語られる。第1巻では好古は騎馬戦の習得にフランスへ、真之は海軍少尉として戦艦吉野引き取りにロンドンへ赴くまで。正岡子規は肺結核を患い故郷松山で療養中。病床から抜け出し野球で遊ぶ子規の姿が微笑ましい。

太平洋戦争物を読んだ後は時代を遡って明治時代へ。「宣戦と同時攻撃」を唱えたのは、当時日本陸軍を指導していたドイツ陸軍参謀総長のメッケルだったという。まさに歴史は繋がっているのである。




日輪の遺産ー浅田次郎

2021年12月23日 | 読書

評価4

再読(前回2017年9月9日)。
終戦直前、日本軍はマニラから運んだ時価二百兆円にものぼる財宝を戦後の復興のために奥多摩へ秘匿した。その作業を命ぜられたのが何も知らぬ35人の女学生だった。死出の旅に出た老人から託された手帳がその真相を語り始める。過去と現代を行きつ戻りつ綴られる著者お得意の歴史フィクション。

実は財宝はマッカーサーがフィリピン独立に用立てようと貯め込んでいたものを山下将軍が日本へ運んだもので、血眼になってマッカーサーが探し出した物の残り半分だったのだ。

財宝の搬入作業が終わり玉音放送を聴いて「ああ、これで家に帰れる」と喜んだ女学生が何故一人を残して死を選んだかが最終頁でようやく明かされる。現代語りがユーモアを交えた軽い調子なので、最終盤との落差にかなり戸惑う。ただ一人生き残った級長だった女学生(金原久枝)の心情が全くこちらに伝わらないところが残念。浅田次郎も若かったということか・・・



シェエラザード(下)ー浅田次郎

2021年12月21日 | 読書

読書4

再読(前回2017年10月27日)。
国際赤十字船として転用された豪華客船弥勒丸の帯びた密命は、シンガポールで積んだ金塊を上海へ送り届けることだった。陸軍の謀略で乗船した二千名の引揚者を人柱に風雨で煙る海原を進む弥勒丸を敵潜水艦群が待ち構える。阿波丸事件をもとに浅田次郎が描く大叙事詩完結。

金塊の上海持ち込みは、戦況が苦しくなった日本軍による中国経済立て直しのためであった。その目的のために翻弄される乗組員、軍人、特務機関員、民間人、そして豪華客船弥勒丸の運命。まあ~よくもま~こんなストーリー考えつくものだ。しかし、弥勒丸引揚の謎に取り込まれる男女のちんけな恋愛話は、この作品に必要だったのだろうか?紅白歌合戦の幕間のくだらないコントを見せられているようで興ざめすることこの上ない(ので読み飛ばした)。