10月2日 NHK週刊テレビニュース
大阪地検特捜部主任検事、前田恒雄容疑者が証拠として押収したフロッピーを
改ざんしたとして逮捕された事件。
大坪前特捜部長と佐賀前副部長は、意図的な改ざんを知りながら
発覚しないよう隠ぺいした疑いがもたれている。
大坪前部長は
「前田検事が『間違えて書き換えた。』と説明しているという報告を受けたが
当時すでに正しいデータが裁判に出されていたこともあり、
わざとだとしても説明がつかないと判断しフロッピーを調べなかったことなど、
対応に問題があったが改ざんを隠したことは絶対にない。」
と話していた。
佐賀前副部長は
「証拠を書き換えた問題を隠ぺいしたことはない。
そうした指摘は自分の記憶や当時の日誌の記録とも異なる。
一連の問題は当時大阪地検の上層部にすべて報告していて
『問題ない』とする判断は大坪前部長と二人だけでしたのではない。」
と話していた。
大坪前特捜部長がトップを務めていた特捜部 “最強の捜査機関”とよばれ、
おかれているのは大阪、東京、名古屋の三つの地検だけである。
容疑者の逮捕と裁判所への起訴の双方を自ら行う権限を持っている。
特捜部長を経験すると、その後各地の地検トップの検事正や高検トップの検事長など
検察の主要ポストへの登用が多く、エリートコースといわれている。
その特捜部の隠ぺいを主導したとすれば検察の組織そのものが厳しく問われることになる。
元東京地検特捜部副部長 若狭勝弁護士
「前田検事が証拠隠滅容疑で逮捕されたことはゆゆしき問題だが
彼の検事としての資質が大きく欠如していたと、個人に帰結する。
特捜部ナンバー1、ナンバー2の逮捕は、特捜部の組織として事件を起こした。
検察の危機的状況と言える。」
最高検の調べによると、大坪前特捜部長はデータの改ざんについて
「過失で処理しろ」と支持していたとされ、隠ぺいとみて調べている。