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大沢親分

2010-10-14 22:42:58 | 編集手帳
  8日 読売新聞編集手帳



  広岡達朗さんがプロ野球・西武の監督に就任した頃である。
  選手の食生活にも目を光らせる「管理野球」が話題を呼んだとき、
  日本ハム監督の大沢啓二さんが噛(か)みついた。
  〈オラァ面白かねェぜ。菜っぱ食って強くなるなら、毎年、羊がホームラン王よ〉。
  各界の名言・迷言を集めた山藤章二さんの著書『ついついの発言』(講談社)から引いた。
  大沢さんは、「毎年、ヤギさんチームが優勝するぜ」とも語ったらしい。

  広岡さんは菜食主義を唱えたわけではないので、批判には早合点の気味があるのだが、
  早合点も激情も、すべてを引っくるめて愛されたところが人徳だろう。
  大沢さんが78歳で急逝した。

  (接戦に敗れて)「よく追い込んだ。グチはよそうぜお富さんだ」。
  (大敗を喫して)「きょうは話すことはない。負けたときは監督が悪い、と書いておいてくれよ」。
  本紙の縮刷版には、“親分”の愛称を裏切らない監督時代の大沢語録が残っている。
  近年はスポーツ界のご意見番として、
  テレビの情報番組で毎週、辛口にして人情味あふれる論評を聞かせてくれていた。

  日曜日の朝が、すこし寂しくなる。

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