8日 読売新聞編集手帳
広岡達朗さんがプロ野球・西武の監督に就任した頃である。
選手の食生活にも目を光らせる「管理野球」が話題を呼んだとき、
日本ハム監督の大沢啓二さんが噛(か)みついた。
〈オラァ面白かねェぜ。菜っぱ食って強くなるなら、毎年、羊がホームラン王よ〉。
各界の名言・迷言を集めた山藤章二さんの著書『ついついの発言』(講談社)から引いた。
大沢さんは、「毎年、ヤギさんチームが優勝するぜ」とも語ったらしい。
広岡さんは菜食主義を唱えたわけではないので、批判には早合点の気味があるのだが、
早合点も激情も、すべてを引っくるめて愛されたところが人徳だろう。
大沢さんが78歳で急逝した。
(接戦に敗れて)「よく追い込んだ。グチはよそうぜお富さんだ」。
(大敗を喫して)「きょうは話すことはない。負けたときは監督が悪い、と書いておいてくれよ」。
本紙の縮刷版には、“親分”の愛称を裏切らない監督時代の大沢語録が残っている。
近年はスポーツ界のご意見番として、
テレビの情報番組で毎週、辛口にして人情味あふれる論評を聞かせてくれていた。
日曜日の朝が、すこし寂しくなる。
広岡達朗さんがプロ野球・西武の監督に就任した頃である。
選手の食生活にも目を光らせる「管理野球」が話題を呼んだとき、
日本ハム監督の大沢啓二さんが噛(か)みついた。
〈オラァ面白かねェぜ。菜っぱ食って強くなるなら、毎年、羊がホームラン王よ〉。
各界の名言・迷言を集めた山藤章二さんの著書『ついついの発言』(講談社)から引いた。
大沢さんは、「毎年、ヤギさんチームが優勝するぜ」とも語ったらしい。
広岡さんは菜食主義を唱えたわけではないので、批判には早合点の気味があるのだが、
早合点も激情も、すべてを引っくるめて愛されたところが人徳だろう。
大沢さんが78歳で急逝した。
(接戦に敗れて)「よく追い込んだ。グチはよそうぜお富さんだ」。
(大敗を喫して)「きょうは話すことはない。負けたときは監督が悪い、と書いておいてくれよ」。
本紙の縮刷版には、“親分”の愛称を裏切らない監督時代の大沢語録が残っている。
近年はスポーツ界のご意見番として、
テレビの情報番組で毎週、辛口にして人情味あふれる論評を聞かせてくれていた。
日曜日の朝が、すこし寂しくなる。