11月27日 サンデーモーニング
祖父母ら家族を失いながら、
残された田畑で再び農業に取り組む28歳の若者がいる。
木の枝に必死につかまり九死に一生を得た22歳の若者は、
高校を卒業後、定職につかなかったが故郷の荒れ果てた港を前に漁師を志した。
震災が発生してから、
被災地での復興を引っ張る若者たちの姿が目立つ。
仙台市でIT事業に携わる男性(38)。
震災後、仕事がなくなった仙台のIT業界を立て直そうと地元企業と連携し
新たな技術開発に取り組んでいる。
そのまわりには一緒に仕事に取り組む多くの若者たちがいる。
現在は人の脳波を読み取る脳波センサーを使ったスマートフォン向けのソフトウェアを開発中。
連携を呼びかけた製造業の関係者とミーティングを開いた。
この場を設けたのは、
被災地のベンチャー企業などを支援して新しい産業を掘り起こそうとしている
ベンチャーキャピタルMAKOTOの代表。
彼も30代である。
震災後、彼が立ち上げたMAKOTO.
至誠通天
誠を尽くせば願いは天に通じる
人としても誠を重んじた、吉田松陰や西郷隆盛ら幕末の志士らにその名をちなんだ。
MAKAOTO 竹井智宏代表(37)
「まだ震災は終わっていないと思う。
今から企業がどんどん倒産する。
阪神大震災のときも2年目以降倒産が増えている。
不幸になる人をこれ以上増やしたくない。
私利私欲ではなくて世のため人のために体を張ってやるぞと。
地域の希望を作り出していく。
そう思い続けて人々がそれに向かって行動すれば変わらないことはない。」
今、被災地東北ではさまざまな分野で若者たちが率先して立ち上がっている。
今回の震災で全国各地から駆けつけ支援活動を行なったボランティアは
延べ85万人以上。
そこにもまた多くの若者がいた。
自ら幾度も被災地に赴きさまざまな支援活動を行なっている弁護士の堀田力さんは、
若者たちに自分たちの信じる復興への道を歩んでほしいとエールを送る。
「若い人たちの素直な完成をいかすことが求められているし
それが出来る世界。
自分の感性を信じてこれは違うを感じたら妥協しない。
それが新しい道をひらく唯一の道。」
大きな被害を受けた東北の復興に若者の新しい発想が欠かせない。
幕末から明治維新に時代を大きく動かしたのは地方の若者たちだった。
西郷隆盛(明治元年40歳)
高杉晋作(享年27)
坂本龍馬(享年32)
中岡慎太郎(享年29)
今回も大きな時代の変化は地方から生まれるのではと東北の若者に期待する声がある。
12年間、宮城県知事を務めた浅野史郎さん。
「新しい未来を創ろうと後ろは振り向かない。
幕末の若者も同じ。
震災からの復興というのは“創造”。
古いものに回帰することとは違う。
ゼロから新しいものを作り出していく時に中心になるのは若者でなければならない。」