11月26日 NHK海外ネットワーク
台湾は去年、中国とのFTA自由貿易協定にあたる経済協力枠組み協定を結び、
この協定の効果もあって、
台湾の去年の経済成長率は10,7%を記録、今年も4.5%の見通し。
中国と台湾の経済協力の流れに乗ろうという日本企業も出てきた。
先月、台北でアニメ映画の製作発表会が行なわれた。
日本と台湾の会社が協力して製作し、
中国でも上映が予定されている。
中国の辛亥革命の指導者 孫文が主人公。
「ALWAYS三丁目の夕日」などのCGと手がけている制作会社から日本人スタッフが
アニメ製作の技術指導を目的に台湾を訪れた。
表情や動くなどひとつひとつを作りこむCG映画は、
わずかな動きや色合いの差で出来が大きく変わため、
キャラクターが激しく動くシーンではどうすればより自然に見えるか、
髪の毛の先端の動きまでアドバイスをした。
日本側が台湾と組むメリットは中国市場への展開である。
中国では外国映画の輸入が年間50本前後に制限されているが、
台湾映画の輸入は制限されていないため、
台湾映画に協力することで中国に進出するのが狙いだ。
日本側は、
この映画を足がかりに実写映画の分野、アニメーションの分野、
映像と名のつくものに関しては一緒にできるようアプローチしていきたいと考えている。
日本と台湾の企業が連携した中国進出の動きは他の業種でも始まっている。
10月、関西にチェーン展開する和食レストランの店が上海にオープンした。
オープンから1ヶ月、
ランチタイムの客の数は予想を3割~5割上回る好調なスタートである。
どんぶりものが中国の人たちに人気で、
他にも寿司やすき焼きなど定番の日本食がずらりと並んでいる。
好調の背景には台湾企業のノウハウがあった。
パートナーは10年以上前から中国に進出している統一超商で、
アメリカのコーヒーショップやコンビニなどのチェーン展開を
いくつも成功させてきた実績がある。
この和食レストランは、
実は3年前に単独で上海に出店したが、
中国の習慣や客の好みを充分把握できないまま2年で閉店した。
クリスマスにカップルの客を取り込もうと特別メニューを開発することになり、
料金は二人で6000円余りと中国では高めの価格に設定。
日本側の担当者は豪華な食材を並べたが
台湾側の担当者からデートの食事にふさわしくないと注文がついた。
食べ物が大きすぎる、
黒い器も中国の人に喜ばれない、と指摘された。
料理に合わせてワインを提供することで贅沢感を出せないかと提案された。
この会社は上海で2号店の出店計画を進めている。
若者に人気がある田子坊をよばれる地区の入り口に面した一等地。
この場所を選んだのも台湾側である。
和食レストランチェーン社長
「我々ではなかなかこういう場所を見つけられないし
契約にいたることは難しいと思う。
台湾企業と組んでよかったとつくづく思う。」