6月29日 おはよう日本
日本の排他的経済水域の南鳥島付近の水深5600メートルの海底。
泥には
国内の消費量の227年分にあたる
680万tのレアアースが含まれていると推計されることが
東京大学の研究グループの調査でわかった。
泥は少なくとも1,000平方kmに広がる。
グループでは
開発できれば世界に大きなインパクトを与える
と考えている。
東京大学 加藤泰浩教授
「レアアールは中国が独占し難しい資源。
日本が独自に開発できるチャンスがある。
非常に重要だと考える。」
このレアアースが注目されたのは
おととし中国が輸出量を前の年より40%減少させたことがきっかけだった。
中国の輸出規制は継続し
レアアースの国際的な価格は高止まりが続いている。
このため
日本、アメリカ、EUヨーロッパ連合は
中国の輸出規制はWTO世界貿易機関のルールに違反しているとして
WTOに正式に提訴したばかりだった。
水深5,600mからどうやってひきあげるのか。
研究に参加してきた三井海洋開発株式会社は
国内の他の企業とともに
レアアースを含んだ深海の泥を採取する技術を開発する計画である。
具体的には
海底の油田から原油を引き上げる技術を応用し
洋上の船から海底の泥の中まで金属の管を下ろして
空気を送り込むことによって泥の引き上げを行なう。
日本が誇る海洋資源探査船「ちきゅう」に新たなシステムを搭載できれば
1万5,000トン/日の引き上げが可能である。
海洋開発会社 島村好秀常務執行役員
「レアアースという貴重な資源が日本にあるなら
それを最大限にいかす。
そのために我々がやってきた技術が生かせれば一番良いこと。
出来るだけ早く実証実験にもっていきたい。」
南鳥島近くの海底に眠っていた大量のレアアース。
貴重な資源をどうやって安定的に確保するのか悩んできた日本の産業界にとって
開発の成功が期待される。