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中国で相次ぐ工場閉鎖 岐路に立つ中国の日系製造業

2015-09-09 07:15:00 | 報道/ニュース

9月1日 キャッチ!


急速な経済発展をけん引してきた中国南部の広東省。
安い豊富な労働力を背景に製造業が集結し“世界の工場”として知られてきたが
いま相次いで工場が閉鎖されている。
5年前から操業を開始し約1,000人もの従業員を抱えていた日系企業は
今年2月に工場を閉鎖した。
(元従業員)
「勤務中に突然もう来なくていいと言われた。
 どうすればいいのかわからない。」
工場閉鎖の原因の1つが人件費の高騰だった。
アメリカのIT企業も工場を閉鎖。
中国で9,000人の従業員を解雇し生産拠点をベトナムに移転することを決めた。
この工場がある東莞(とうかん)では最低賃金がこの10年で3倍以上に上昇。
この会社でも人件費の大幅な上昇が収益を圧迫していた。
中国よりも賃金が安い東南アジアとの競争にさらされる製造業の経営者は労働者の大量解雇に踏み切らざるを得なかった。
一方 賃金が原因で買いこさえた工場労働者は
沿海部の別の都市で仕事を探したり
物価が安い内陸部の工場に移って行っている。
都市部周辺の製造業はコスト削減と同時に生産効率を上げるために思い切った取り組みを始めている。
自動車などの部品を製造する中国企業の工場では従業員を2割削減し
代わりにロボットを54台導入した。
これによって作業時間が大幅に短縮され生産効率は6倍に上がった。
この工場では今後さらにロボットの導入を進め
現在400人いる従業員を100人にまで減らす予定である。
ロボットの値段は1台数千万円と高額だが8年でコストを回収できるとしている。
(工場責任者)
「ロボットを導入した結果 不良品が無くなり製品の質が向上した。
 生産効率も上がり競争力が大幅に強化された。」
日系の中小企業が数多く進出している広東省東莞。
大規模な生産ラインで大量に製品を作る大企業に比べ
少量の生産にとどまる中小企業にとっては高額なロボットを導入することは簡単ではない。
石川健一さん(56)は18年前から東莞で音響メーカーを経営している。
最盛期に280人いた従業員は120人へと6割減らし人件費を抑えてきた。
人数が少なくてもより高度な技術を身に着けてもらおうと従業員の育成に力を入れている。
石川さん亜最も期待しているのが入社7年目の設計担当の鄒(しゅう)福甫(ふくほ)さん。
高い性能を実現するため品質改善のための機能に妥協は無い。
経験とノウハウが必要な業種では従業員の技術力こそが会社の大切な資産。
高度な製品開発につなげるよう鄒さんへの指導にも熱が入る。
(設計担当 鄒福甫さん)
「たくさんのことを学べるので仕事が楽しいです。
 石川さんが教えてくれた品質と技術を徹底しています。」
ここ数年 中国の製造業ではより賃金の高いサービス業などの第3次産業へ転職する人も多く
深刻な人材不足が続いている。
東莞の日系企業で作る団体の会長も務める石川さん。
日系企業の代表が集まり工場で働く人材を確保するにはどうすればいいかを話し合った。
「会社でやった対策は寮を無料化するとか。」
「従業員の福利厚生をより一層行わないと今後ますます採用が厳しくなる。」
人材確保が厳しさを増す製造業。
中国で生き残るためには
労働市場の最新情報を共有するなど日系企業同士の連携を深めていくことが需要だと考えている。
(音響メーカー社長 石川健一さん)
「各企業が困っている問題点について意見を出し合いながら共有して解決していく。
 日系企業同士 情報交換のスクラムを組んで中国で頑張っていきたい。」


 

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