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ITがモノづくりを変える

2015-09-24 07:15:00 | 経済フロントライン

9月12日 経済フロントライン


3日 大手電機メーカー日立製作所が海外で初めて鉄道車両を作る工場をイギリスに建設した。
(イギリス キャメロン首相)
「鉄道の製造業がわが英国に戻ってきた。
 700人以上の雇用が生まれることも素晴らしい。」
現地の雇用を生むことが評価されたこの工場。
決め手となったのはITを導入したユニークな取り組みだった。
1つの車両に使われるネジの数は1000本以上。
大きさや使われる場所によって締める強さが異なるため
日本では熟練の技術者が経験に基づいて行っていた。
その高度な技を経験の少ない現地の従業員でも使えるようにしたのは
色が緑色に変わると適正な強さで絞められたことがわかる工具。
タブレット端末にあらかじめ日本の技術者の技がデータとして入力されていて
車両全体の安全確保に生かせるようになっている。
(日立製作所 交通システム社 正井健太郎社長)
「人間は常に100点は取れない。
 ITでバックアップしながらミスをさらに減らす。
 安全で信頼性の高い鉄道技術を世界各国に広げていきたい。」
モノづくりのデータ化の波は
伝統的な日本酒の製造現場にも及んでいる。 
山口県岩国市にある旭酒造。
このメーカーがつくる純米大吟醸。
今年醸造酒の世界大会で金賞に輝いた。
売り上げはこの10年で10倍に伸びている。
造っているのは30代が中心の若い社員たち。
酒造りの職人 杜氏(とうじ)はいない。
旭酒造 桜井博志社長は長年勤めていた杜氏が退職したことをきっかけに酒造りの方法を大胆に変えた。
理想の味を追い求めて全国の研究者や農業試験場を回り
あらゆる工程でデータを重視する酒造りに切り替えた。
いわば酒造りの教科書を作り
社員誰もがつくれるようにした。
(朝日酒造 桜井博志社長)
「ど素人の集まりが造るんだから
 最初に言っていたのはとにかく教科書通りにいこうと。
 教科書にちゃんと書いてある目標数値 目標の結果を目指そうと。」
これまでの研究の結果 
たとえば麹造りでは
まず蒸しあがったコメは65,3キロずつ置くのが最適だとわかった。
そして水分が蒸発して64,4キロになった時点で麹菌を振りかけることにしている。
その量も5グラムと厳格に決めている。
さらに温度管理も徹底している。
発酵作業を行う施設の室温は常に5℃に設定。
その後ももろみの重さやアルコール度数を見ながら温度調整を行い発酵が進むようにしている。
こうした1つ1つの細かなデータ管理を行うことで
理想と考える日本酒を1年を通じて大量生産することができるようになった。
(旭酒造 松藤直也工場長)
「データを製造の社員全員が共通の認識として持つことによって
 よりスムーズに酒造りが行えるのは非常に大きな利点。」
この会社では原料のコメ作りにもデータ管理を取り入れた。
原料として使っているコメは山田錦。
その増産のために大手電機メーカーの富士通と協力してコメ作りのIT化に乗り出した。
毎日 気温・湿度・肥料の吸収量などを自動的に計算する機械。
最適なコメ作りに欠かせないデータを農家に知らせる。
去年から山田錦を栽培するようになった山根正之さん。
この日は土の中の肥料が減っていることをデータから知った。
さっそく山根さんは肥料を追加。
IT化でコメ作りがしやすくなったと言う。
(農家 山根正之さん)
「去年は1反当り6,7俵。
 今年は8俵から8俵半は取りたい。」
原料のコメ作りから酒造りのすべての工程まで
旭酒造では徹底したデータ化とITヒット商品を出し続けたいと言う。
(旭酒造 桜井博志社長)
「データ化して数値化して集積していった結果を使いながら
 さらに新しいところに挑戦していく。
 データ化は非常に強みを発揮することができる。」


 

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