9月12日 経済フロントライン
高い場所や炎天下での作業を行うこともある建設作業員。
体調を崩せば重大な事故にもつながりかねないため
現場でも体調管理が重要な課題となっている。
そこで大手繊維化学メーカー 東レが開発しているシャツは
NTTコミュニケーションズのシステムと連動させて心拍数のデータを離れた場所に送信できる。
異常があれば危険を知らせる。
作業員の心拍数をリアルタイムに現場責任者が把握できるため
労災事故が減ると期待されている。
(大林組 工事事務所 河原宏副所長)
「顔色を見ても体調がいいのか悪いのか判断しにくい。
数字で出てくるのは非常に有効。」
シャツの裏側には心拍数を測るための特殊な布が張り付けられている。
この布の開発が行われている滋賀県大津市の工場。
布に特殊な樹脂をコーティングすることで
心臓の動きに伴って発生する微弱な電気信号を感知し心拍数を測ることができる。
布にも精度を高める最新の技術が使われている。
繊維の直径は髪の毛の100分の1。
極めて細くなっている。
一般的な繊維では皮膚との接着面が一部にとどまる。
しかし極めて細い特殊な繊維を使うことで肌と密着しより確実に電気信号を感知できる。
(東レ 加工技術開発室 竹田恵司室長)
「心拍だけでなく
筋肉 関節の信号 脳波もある。
そういう部分をとれるようになって服が感知して
医療のサポート ヘルスケアなどデジタルヘルス分野の展開を広げていきたい。」
救急医療の現場でも新たな製品の開発が進んでいる。
心電図を簡単に測れる電極布。
大手繊維メーカー 帝人が京都大学医学部付属病院と共同で開発を進めている。
胸部など10か所に電極を装着する心電図の計測。
救急の現場では正確な位置に取り付けることが困難なことがある。
緊急時にいかに素早く心電図を撮るか。
開発中の布には電極となる繊維がすでに織り込まれている。
そのため巻き付けるだけで電極が密着。
即座に心電図が計測できる。
病院への搬送前にデータがいち早く把握できればより適切な病院に搬送できるという。
(京都大学医学部付属病院 黒で知宏教授)
「命が助かるか助からないかは
どれだけ短い時間に治療まで持ち込めるかがキーになる。」
現在布のサイズは5種類。
今後はどんな体系の人でも1種類の布で正確な心電図が図れるよう開発を続けている。
(帝人グループ 帝健 上島一夫さん)
「こういったウェアラブルの製品はいままでなかったマーケットシーン。
こういったところへの戦略を非常に重要視して今後進めたい。」