9月18日 キャッチ!
ずらりと並ぶ大学生たち。
ソウル市内の大学で開かれた合同採用説明会。
韓国でもトップ3に入る名門校だが多くの大学生たちが就職に不安を抱えていると言う。
大学を卒業しても2人に1人しか就職できないとされる韓国。
20代までの若者の失業率は10%近くに達するなど
若者の雇用情勢は年々厳しくなっている。
いまそうした時代を象徴するある言葉が流行している。
(韓国KBS)
就職できず「恋愛」{結婚」「出産」を放棄する若者たちを「3放世代」と言いますが
最近は「7放(チルポ)」という言葉まであります。
「恋愛」「結婚」「出産」
「マイホーム」「対人関係」「希望」「夢」
就職難で7つをあきらめる若者たちが「チルポ世代」と呼ばれている。
若年層の雇用の悪化は大きな社会問題となっている。
こうしたなか熱い視線が向けられているのが日本への就職である。
8月 日本の就職情報サイトがソウルで開いたのは
その名も“日本就職成功戦略セミナー”。
履歴書の書き方から面接の傾向まで説明はすべて日本語だが
日本企業への就職を目指す学生たちが熱心にメモを取っていた。
一方 韓国人学生の採用に関心を持つ日本企業も増えている。
人事担当者を韓国まで派遣し採用試験を行うケースは去年の2倍近くに増えていると言う。
(就職情報サイト「マイナビ」 山下弘喜部長)
「韓国人学生には日本人と同様の業務をしてほしいし
またできる人材だということがわかっってきた。
日本企業もそういう人材
バイタリティーやコミュニケーション能力の高さを求めている。」
ソウル市内の大学4年生 ミン・ヒョンジョンさんは日本語を専攻し1年間日本に留学した。
今春から日本企業にしぼって就職活動を行っている。
ミンさんは友人と一緒に毎日のように日本語による面接試験の練習をしている。
学生役と面接官役に分かれて対策を練っている。
(大学4年生 ミン・ヒョンジュンさん)
「日本企業は真の能力よりも潜在的な力や意欲を重視して評価してくれます。」
この夏 新たな試みも行われた。
経済団体の日韓経済協会が費用を負担し
日本企業の韓国支社に韓国人学生を派遣するインターン制度である。
日本企業の魅力をもっと知ってもらおうと企画し希望者を募ったところ
定員の10倍近くの学生から申し込みがあり
選ばれた20人が日本企業に派遣された。
(富士ゼロックスコリア 上野靖明社長)
「非常に明るい雰囲気で仕事をしていただいて
想像もしていなかったような意見も出てお互いに良い刺激が得られています。」
インターンの学生たちは事業計画部や人事部などの重要な仕事が任された。
先輩社員がマンツーマンで指導にあたり日本企業のビジネススタイルを学んだ。
(インターンに参加した学生)
「日本企業のイメージが良かったので就職を目指していきたいです、」
日本記号の技術力がどこから生まれるのかを学び就職の希望を強くした学生もいた。
工業用ロボットで世界トップクラスのシェアを誇っている日本企業。
韓国の自動車メーカーや電機メーカーとも取引があり韓国にも進出している。
大学4年生のイ・ジョンヒョンさんは電気工学を専攻していて
将来は自動車関連の企業に進みたいと考えている。
イさんは今回のインターンを通じて日本の企業文化に触れたことが最も大きな収穫だったと言う。
(大学4年生 イ・ジョンヒョンさん)
「誰でも短時間で高い効率性を発揮できる環境が素晴らしいです。
ぜひ日本の企業に就職したいです。」
日本企業で働く韓国人は日韓のビジネスを円滑に進めるために欠かせない存在だと期待されている。
(韓国ファナック ナムグン・ヨン社長)
「日韓がより親密な関係になるために元も重要なのは相互関係です。
仕事を通じた理解が一番望ましいことだと思います。」
日本企業を目指す韓国人の若者たち。
両国の政治的な関係が冷え込むなかでもこの動きは着実に広がろうとしている。