9月3日 キャッチ!
多民族国家のインドネシアではさまざまな人たちが思い思いのファッションでジョギングを楽しんでいる。
インドネシアはイスラム教徒が国民の約9割を占める。
多くの女性たちは走るときでも「ヒジャブ」と呼ばれるイスラム教徒のスカーフをつけて走っている。
「ヒジャブは気にならないわ。」
彼女らの次に目を引くのが肥満傾向にあるメタボな人たちである、
「もちろん体重を落とすためさ。
目標は85キロ!
今は102キロ。」
ジャカルタでは意外に肥満傾向にある人たちが多いことに気がつく。
人口1千万人以上のジャカルタ。
めざましい経済発展とともにここ数年問題視されているのが人々の肥満である。
もともと揚げ物などを好むインドネシアの人々。
欧米のファスフードなどの影響もあり
余分なカロリーの接種が原因とされている。
またオフィスの中でデスクワークに追われる人も増えている。
放送のシナリオ制作会社で働くアメリアさんは日ごろ体を動かすことはほとんどないと言う。
(シナリオ製作会社役員 アメリアさん)
「パソコンの前で座りっぱなし。
いつも食べてばかりいます。」
肥満など生活習慣病が意識され始めており
シェイプアップすることが人々の大きな関心事となっている。
なかでも人気はシューズがあれば手軽に始められるジョギング。
2年前のジャカルタマラソンの開催がブームに拍車をかけた。
しかし問題はジャカルタの劣悪な道路事情である。
歩道に穴があいていることも多いだけでなく
それをよけて車道にはみ出ると渋滞を避けてすり抜けるバイクと接触する危険性がある。
快適に走るにはスポーツクラブの入会も選択肢としてあるが
利用料金は日本円で月額約4,000円~と
平均月収が約3万円のインドネシアではかなりの金額である。
そこで安く安全に走ろうと人々が集まるのがジャカルタ中心部にある競技場。
周辺はジョギングコースではないが路面が整備されて走りやすくなっている。
年中最高気温が30度を超えるジャカルタ。
日中の炎天下はジョギングには適していない。
「夕方から走っているわ。
健康的な生活を送りたいから。」
そんなジョギング愛好家たちが待ちわびる日がある。
毎週日曜日の午前中 ジャカルタ中心部の道路約6kmが歩行者天国に変わるのである。
普段はゆったりと見られない車道側から見える景色を楽しみながら走れる。
この日も日が高くなる前の涼しい時間にジョギングを楽しもうとたくさんの人たちが集まった。
「人が少ないときは走っていますよ。
歩くよりいいですから。」
「健康のためよ!
女の子はスリムでいなくちゃね。」
この7月 インドネシアに初めて出店した日本のスポーツ用品メーカーも
今後の盛り上がりに期待を寄せている。
(スポーツ用品店 販売担当 M・キャッパさん)
「インドネシア人の健康志向は間違いなく高まっています。
ジョギングはジャカルタだけでなくインドネシア全域でブームです。」
インドネシアで火がついたジョギングブーム。
健康意識の高まりとともに多くの人々をランナーへと変えている。