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ジョージア 伝統ワインの魅力

2017-11-09 06:00:00 | 報道/ニュース

10月17日 国際報道2017


ジョージアは8千年のワイン作りの歴史があるとされ
“ワイン発祥の地”とも言われている。
そのワインを作るのに欠かせないのが“クヴェヴリ”という素焼きの瓶である。
2mほどの高さのものもある。
このクヴェヴリを使ったワインの製造技術は
4年前にユネスコの無形文化遺産に登録された。

雄大なカフカス山脈を望むジョージアのブドウ畑。
ワイン用のブドウは収穫の最盛期を迎えている。
カフカス山脈の南は“ぶどう発祥の地”とも言われ
ジョージアには500以上の品種があるという。
ジョージアワインの生産者 イアゴ・ビタリシヴィリさん。
ビタリシヴィリさんは伝統にのっとり
土の中に埋めたクヴェヴリを使ってワインを生産している。
細かくつぶしたブドウの皮や果肉を丸ごと入れ
皮などについている野生の酵母だけを使って発酵させるのが特徴である。
約5か月間クヴェヴリの中で熟成させることで芳醇なワインが出来るという。
ビタリシヴィリさんのワイナリーには
伝統のワインづくりを一目見ようと
いまヨーロッパや中国など世界各地から観光客がやってくる。
この日はロシア人観光客約30人が訪れた。
(ビタリシヴィリさん)
「ジョージアはワイン造りが始まった当初の技術を守り続けている唯一の国です。」
説明の後はワインの試飲。
ジョージアの伝統料理とともにふるまわれる。
(ロシアからの観光客)
「とても個性的な味だね。
 フランスワインとは全く違うよ。」
(ビタリシヴィリさん)
「世界のワイン市場が抱える大きな問題は
 どのワインも似てきているということです。
 しかしクヴェヴリで醸造するジョージアのワインは
 他の産地とは風味が全く異なるのが特徴なのです。」
ジョージアワインの人気はクヴェヴリ作りにも変化をもたらしている。
クヴェヴリ職人のザザ・クビラシヴィりさん。
この家では150年以上クヴェヴリを作り続けてきた。
クビラシヴィリさんも父親のもとで修業を積み
25年経った今では“名人”と呼ばれている。
どのように良いクヴェヴリかどうかを見分けるのかというと
(クビラシヴィリさん)
「ほら 石でたたいても壊れないでしょう。
 これが良いクヴェヴリです。」
クヴェヴリの知名度が上がったことで
クビラシヴィリさんのもとには
イタリアやアメリカなどからもワインの熟成に使いたいと注文が相次ぐようになった。
しかしすべて手作業のため製作には時間がかかる。
また天候に左右されるため冬場は作ることができない。
そのため1年間に作れるのは24個が限界。
ジョージアでも腕が確かな職人は10人ほどで
需要の増加に追い付いていないのが実情である。
(クヴェヴリ職人 ザザ・クビラシヴィリさん)
「たくさん作ろうとは思いません。
 クヴェヴリ作りはとても難しい作業です。
 質の高いクヴェヴリを作ることが何よりも大切なのです。」
こうしたなかジョージア政府は伝統技術を広めようという取り組みを始めた。
世界銀行とともに日本円で2億円かけて 
今年 クヴェヴリ職人の養成学校を開校することにしたのである。
この学校では毎年30人の生徒を募集。
2年間かけてクヴェヴリの歴史や作り方を教えることにしている。
(養成学校の責任者)
「職人を養成して
 不足を解消していきます。
 良いクヴェヴリ職人を育てていきたいです。」
世界最古の製造技術をかたくなに守ってきたジョージアワイン。
その伝統を広めようという努力が始まっている。




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