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ゲームを競う“eスポーツ” 最前線アメリカで高まる期待

2017-11-29 07:00:00 | 報道/ニュース

11月9日 国際報道2017


eスポーツ = electronic sports
そのルーツは1980年代にさかのぼる。
当時コンピューターゲームが普及し
その技を競うゲーム大会が開催されるようになった。
1990年代になると格闘ゲームのブームやインターネットの普及で
大会の人気も加速。
欧米では優秀な選手 ゲーマーのプロ化も始まる。
そして2000年ごろから「eスポーツ」という呼び名が使われるようになった。
大会の賞金も年々高額になっていて賞金総額20億円を超える大会もある。
アメリカではeスポーツをテレビやインターネットで観戦する人が急増。
来年にはNBAアメリカプロバスケットボールと並び
2021年にはMLBメジャーリーグを超えるとの予測もある。
こうした人気を取り込もうとしているのがアメリカの大学や企業である。
大学ではeスポーツを体育会運動部として認め
奨学金を出して優秀な学生を集めようという動きが広がっている。

10月にコロラド州で開かれた大学ナンバー1を決めるeスポーツの大会。
全米から110にのぼる大学が出場した。
(全米ビデオゲームリーグCEO ビクター・ススキさん)
「予想の2倍の大学が出場し興奮しています!」
アメリカではいまeスポーツをする学生を集めるため奨学金制度を設ける大学が増えている。
全米eスポーツ大学連盟によると
その数は50校以上。
野球やバスケットボールと同じように優秀なゲーマーを獲得しようとしている。
去年 公立大学として初めて奨学金制度を設けたカリフォルニア大学アーバイン校。
eスポーツ部に所属する選手は現在14人。
彼らがいそしんでいるのは筋トレ。
長時間に及ぶゲームで集中力を保ち
思い通りにゲーム操作を行うには鍛え上げた体が必要なんだとか。
(トレーナー ハイレシュ・パテルさん)
「キーボードとマウスを駆使する腕力が大事。
 試合中のパワーダウンを抑えたいのです。」
毎週4回最大4時間
チームとして練習を行う選手たち。
全員が大学から奨学金を受け取っている。
(eスポーツ部員)
「ゲームばかりやっていて大学は無理と言っていた母も
 奨学金をもらえて喜んでいます。」
(eスポーツ部責任者 マーク・デピさん)
「奨学金によって経済的な負担が減り
 アルバイトをせずにゲームと授業に集中できます。」
この大学が奨学金制度を導入したのは優秀な人材を獲得するためである。
eスポーツの選手はコンピューターサイエンスにも詳しく
有能なエンジニアや研究者になる可能性があると大学は見ている。
さらにeスポーツの強豪校として知名度を上げれば
学生を集めるための広告効果も期待できると言う。
(カリフォルニア大学アーバイン校 トーマス・パーハム副学長)
「eスポーツにはゲームの学術研究 競技性 地域貢献 エンターテインメントの要素があります。
 全米でここだけのeスポーツプログラムを実施していきたいのです。」
eスポーツ人気の波に乗ろうとシリコンバレーなどのIT企業も動き出している。
ゲーム専用機メーカーは
奨学金の資金などとして
カリフォルニア大学アーバイン校に4年契約で約8,000万円を拠出した。
さらに最新鋭のコンピューター80台も無償で提供。
eスポーツに力を入れる大学との関係を強化することで
自社製品の認知度を上げ
販売の拡大につなげたいと考えている。
(コンピューターメーカー タイロン・ウォングさん)
「資金提供には多大きな意味があります。
 大学のスポンサーになることで購買層の若者に自社製品を宣伝できます。」
メディア業界もeスポーツに期待を寄せている。
10月ハリウッドに専用のスタジオが完成した。
このスタジオを使いプロや大学の試合をインターネトで同時配信。
eスポーツをコンテンツとして確立させ
新たなビジネスにつなげようと考えている。
(eスポーツ企画担当者 アダム・ローゼンさん)
「一年中 大学のeスポーツの試合を開催します。
 ファンが選手と交流できる環境が必要です。」
アメリカでは大学と企業が一体となってゲームをスポーツとして定着させ
すそ野を広げようとしている。




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