10月28日 キャッチ!
ニューヨークの街のあちこちで行われているオイスターテイスティングのイベント。
高級なかきが食べ放題。
ウイスキーなどお酒をかけて食べるのが人気のスタイルである。
このイベントは生がきを楽しんでもらうことだけが目的ではない。
食べた後の殻を集めてあるプロジェクトに利用している。
海洋学や航海術などを教えるニューヨーク・ハーバースクール。
ここに市内のイベントやレストランから出た殻が集められている。
学校ではその殻を使って生徒たちにかきの養殖を教えている。
かきが海水を浄化する力を利用し
ニューヨーク湾の水をきれいにしようという取り組みである。
ビリオン オイスター プロジェクト。
約20年かけてニューヨーク湾全体で10億個のかきを放すのが目的である。
3年前に始まった。
(プロジェクト責任者 ピート・マリノフスキーさん)
「生徒が授業で学び
実際にかきを育てている。
かきを増やす体験から環境問題や海の知識を学んでほしい。」
かつて かきはニューヨークの特産物だった。
地元の人々に親しまれただけでなく加工品の輸出も行われていた。
しかし乱獲や環境汚染などで数が減り
ニューヨークワンの水は濁っていったのである。
かきは水の汚れの原因となる窒素やプランクトンなどを吸い込み
1時間で4リットル近い水をろ過する。
10億個のかきがあれば
ニューヨーク湾の水は3日に1回すべて ろ過される計算である。
生徒たちはこれまでに2、400万個養殖し海に放してきた。
水質は少しずつだが改善していると言う。
(生徒)
「プロジェクトが始まったころは水が濁っていて何も見えなかった。
今は1メートルくらい先が見える場所もある。
かき以外の生物も見られるようになった。」
ニューヨーク湾の各地に放したかきが順調に海水をろ過しているか
生徒たちはこまめにモニターして回っている。
美しいニューヨーク湾を再び取り戻すことを夢見て
取り組みが続いている。