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一帯一路“海の道” マレーシア華僑たちの思惑

2017-11-21 06:30:00 | 報道/ニュース

10月25日 おはよう日本


「一致一路」
この「一帯」はユーラシア大陸を通ってヨーロッパまでを鉄道で結び
「一路」は東南アジアとアフリカそしてヨーロッパまでを海路でつなぐ。
この「一帯一路」の経済圏はGDP国内総生産のの合計が約2,400兆円にものぼると言われる。
中国政府はこの地域に陸と海の独自のルートを作ることで主導権を握り
貿易などで巨額の利益を手に入れようとしているのである。
“海の道”で中国が重視しているのが
東南アジアに約4,000万人もいると言われている「華僑」「華人」たちである。
この中国系の人たちに貿易拡大の推進役となってほしいと考えている。

去年12月 マレーシアの華僑たちが新たに立ち上げた経済団体「一帯一路センター」。
登録企業は設立からわずか9か月で1,000社を超えた。
中国が作る“海の道”を利用して華僑系企業がヨーロッパなどへ事業が拡大するのを後押ししている。
(「一帯一路センター」顧問)
「センターに登録しているこの中小企業は
 いまや160億円もの契約を勝ち取っています。」
専用の車まで用意し相談を無料で受け付けている。
(「一帯一路センター」幹部)
「一帯一路はマレーシアにとって突破口と言えます。
 マレーシアは輸出型の国で
 国際貿易は私たち華僑にとって生命線です。」
センター設立の背景には中国とマレーシアの政府の後押しがある。
去年11月に行われた中国の習金平国家主席とマレーシアのナジブ首相との首脳会談では
「一帯一路」を強力に推し進めることなどを確認した。
9月「一帯一路」をテーマに中国広東省で開かれた国際的な商談会。
ヨーロッパや中東など56の国や地域から1,700の企業が参加。
中国が作る“海の道”に乗り遅れまいと
自分たちの商品の魅力を中国側にアピールしていた。
最も大きなスペースを割いて商品をPRしていたのがマレーシアの「一帯一路センター」の登録企業だった。
参加した国で最多の300社が出展した。
こうしたなかマレーシアではこれまで中国と距離を置いていた華僑系の企業も動き出している。
マレーシアを代表する家電メーカー。
この会社ではこれまで独自の販路を使い
東南アジア向けに製品を輸出してきた。
中国はいま中東やヨーロッパへと通じる海沿いの国々に次々と港を整備し
独自の巨大な海運ルートを築き上げようとしている。
この海運ルートにうまく加えてさえもらえれば
海外展開を加速できると考えているのである。
(大手家電メーカー 周俊仁社長)
「大きな夢を持つ華僑企業にとって
 事業を中東・ヨーロッパにまで拡大するチャンスなのです。」
中国の側もマレーシアの華僑たちを最大限利用しようと必死である。
中国政府が去年マレーシアに初めて開校した中国の名門大学の分校。
中国から派遣された教員が華僑たちの子ども約3,000人に中国とのビジネスを教えている。
将来「一帯一路」の実現に役立つ人材を育てるのが狙いである。
しかし学生の中には中国経済の先行きに懸念を感じている人もいる。
「専門家でも自信を持って答えられる人はほとんどいません。」
若者の中には「一帯一路」への期待がある一方
不安も混在していた。
「一帯一路」とどう向き合うべきなのか。
華僑たちの企業家の間でも迷いが生まれ始めている。
マレーシアの華僑の企業がすべて「一帯一路」に賛成しているとは限らない。
中国企業との取引の難しさを感じている会社もある。
庭園などの設計を手掛けるデザイン会社では
中国の不動産開発会社と3年前から富裕層向けのマンション開発を手掛けてきた。
しかし中国政府は「一帯一路」を推し進める一方で
経済の減速が鮮明になった去年
中国企業による海外への投資を制限した。
プロジェクトは中断を余儀なくされ
この会社では約7,000万円の損失が出た。
(デザイン会社 ディレクター)
「私たちにとって大きなプロジェクトでした。」
中国政府の意向が強く反映される「一帯一路」とは距離を置くことを決めた。
(デザイン会社 ピーター・タン ディレクター)
「中国で何か起きれば私たちも影響を受けます。
 多くのビジネスが政治とつながっていることは変えようがありませんが
 私は一帯一路に関わりたくありません。
 政治と関係なければ
 どんな仕事でも選ばずにできますからね。」



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