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マレーシア コスプレに漫画 いまどきのイスラム教徒

2017-11-20 06:15:00 | 報道/ニュース

10月23日 国際報道2017


世界に広がる日本のアニメや漫画。
イスラム教徒が6割を占めるマレーシアも例外ではない。
最近若者の間ではイスラム教徒としてのアイデンティティ―を守りながら
新たなサブカルチャーを生み出す動きが広がっている。
その1つがアニメのキャラクターに扮するコスプレである。
人前では髪や姿をさらさないイスラム教徒の女性も
さまざまな工夫を凝らしコスプレを楽しもうとしている。

マレーシア最大級のコスプレイベント。
幼いころからテレビやインターネットを通じて日本のアニメや漫画に親しんできた世代を対象に
こうしたイベントが頻繁に開かれている。
最近増えているのがイスラム教徒の参加者である。
宗教上 着られる服に制約がある彼女たち。
それでも工夫を凝らし好きなキャラクターに近づくのは楽しいという。
髪は見せられないので伝統的なヒジャブでピンクの髪を表現した女性。
(アティカさん)
「“境界の彼方”の栗山未来ちゃんになりました。」
ネットを通じて友だち同士イスラム教の教えに反しない可愛い衣装の作り方を教え合っている。
7年前からコスプレをしているノル・ファラヒンさん(28)。
はじめは自宅で1人で楽しんでいたが
同じ趣味を持つ仲間がいることを知りイベントに参加するようになった。
(ノル・ファラヒンさん)
「自分の宗教を犠牲にしなくても趣味を楽しめます。
 コスプレは自己表現を行う手段なんです。」
敬虔なイスラム教徒のファラヒンさん。
毎回コスプレには工夫を凝らす。
たとえば髪や首元を出さないようヒジャブで覆った衣裳。
体のラインが強調されすぎないようスカートを重ねてはく。
もともと引っ込み思案な性格だったが
強い女性のキャラクターに扮することで自信が持てるようになったという。
(ファラヒンさんの姉)
「妹はコスプレを始めてから友だちが増えました。」
保守的な考えの人たちにはコスプレに批判的な声もある。
それでも宗教と趣味はきちんと両立できるとファラヒンさんは言う。
(ノル・ファラヒンさん)
「コスプレによって自分のすべてが変わるわけではありません。
 趣味のために宗教を犠牲にするのは悲しいことです。」
イスラム教の教えを漫画で広めようとする若者もいる。
マレーシアにあるイスラム教の大学に通うラヒミさん(21)。
子どものころから大好きだった日本の漫画を独学で習得し
描いた作品をネットで公開している。
(ラヒミさん)
「これが好きな漫画です。
 効果音などを表現するときの参考にしています。」
描く作品の主人公はイスラム教徒。
日常のエピソードを通じて
コーランの教えに従い正しく生きることを説いている。
こうした漫画を描くようになったのは
相次ぐイスラム教過激派のテロで
世界の人々がイスラム教徒に偏見を抱くのではないかと不安を感じるようになったのがきっかけだった。
(ラヒミさん)
「最近は世界の人たちがイスラム教のことを恐れていて
 とても悲しいです。
 イスラム教の良いイメージを伝えたいと思いました。
 テロリストとイスラム教とは違います。」
「ニスリナ(白い花)」はイスラム教徒が持つやさしい心を表現した作品である。
主人公は友だちのいない女の子。
同級生の遊びに混ぜてもらおうと声をかけても断られ自信を無くして家に帰る。
すると大好きなお父さんがこう声をかける。
「いっぱいいっぱい笑顔を見せよう。
 そうすればきっとみんなお前のことを好きになってくれるよ。」
「イスラム教の教えを守れば
 必ずいいことがあるよ。」
(ラヒミさん)
「日本の漫画は10代の若者に身近なものとなっています。
 漫画を通じてイスラム教の良いイメージを伝えたいです。」




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