10月19日 キャッチ!
いまや18人に1人が犬を飼っていると言われる台北市。
犬を家族の一員として共に暮らす人たちが増えている。
こうした台北市に
9月下旬
犬を放して遊ばせたいとする市民の要望を受けて
犬専用の公園が完成した。
その名も「毛の生えたベビーたちのハッピー公園」。
台湾で犬や猫がマオ・シャオ・ハイ(毛の生えた子ども)と呼ばれていることに由来している。
(利用者)
「この子らはうちの子どもで
みんなで家族のように暮らしています。」
台北市内に住む施さん(42)は愛犬を我が子のように可愛がる1人である。
共働きの夫と暮らす施さんに子どもはおらずウェルシュコーギーを飼っている。
施さんは11年前に婚約に合わせて犬を飼い始めた。
しかしその後
結婚して半年
夫は中国の上海に5年間単身赴任することになり
1人の生活を余儀なくされた。
夫が帰宅するのは1か月に一度。
寂しさに耐える施さんを支えたのはメスのウェルシュコーギーのミルク(11)だった。
以降 施さんにとって離れられない存在となっている。
(施さん)
「毎晩9時に帰宅すると部屋は真っ暗。
夫のいない5年間
ミルクはいつも私の帰宅を待っていてくれた。
結婚生活が続いたのはミルクのおかげ。」
夫が上海から戻り
またミルクに妹のクリ(3)も加わって
今では生活もにぎやかに。
買い物をするときもまず愛犬たちの事を優先して考える施さん。
夫もこれには理解を寄せている。
(施さん)
「コーギーのグッズは値段を見ずに買ってしまう。」
(夫)
「買い過ぎだと思うけど
妻が幸せなら私はそれでいい。」
ミルクは今年11歳。
平均寿命の15歳になるまであと4年しかない。
それまで
心の支えになってくれたミルクのためには何でもかなえてあげたいと考えている。
(施さん)
「ミルクは多くの幸せをくれたので恩返しをしたい。」
ペットたちの健康管理は飼い主にとってとても大切である。
獣医や動物の栄養管理 ITの専門家が集まって会社を設立。
1匹1匹に必要な栄養を最適なバランスで配合するシステムを開発している。
(ペットフード会社社長)
「大人と子どもが違うものを食べるように
ペットも年齢や品種が違えば異なる食事を与えるべきです。」
ホームページでは品種や体重 年齢
それに気になる持病や症状を入力すれば
ユーザー自身で理想のえさを作ることができる。
台北には愛犬と一緒に仕事ができる環境を整えた職場もある。
犬を連れて出勤できるだけでなく職場でリードも外せるという会社。
時には会議に一緒に出席することも。
(社員)
「家に置いてくると心配ですが
一緒だと安心して仕事ははかどります。」
「こんな環境の仕事場は初めてですが
新鮮で楽しい。」
この会社が扱う製品は
留守宅の愛犬を観察するドッグカメラ。
アプリの遠隔操作でおやつを与えることも出来る。
試作品のテストにも愛犬が参加する。
ふだんから共に過ごすので新しい商品開発のアイデアも得やすいと言う。
(ペット用品会社CEO)
「私たちは毎日犬を観察して
彼らの幸せのために製品を革新します。」
自然が大好きな愛犬ミルク。
施さんはミルクのために運転免許を取得。
みんなで頻繁にキャンプに行くようになった。
(施さん)
「車も運転できるようになり
キャンプの趣味もできて
友だちもたくさんできた。
ミルクには本当に感謝しています。」
ひとり暮らしと核家族化が進む台湾。
多くの人たちが孤独に悩む現代で愛犬はかけがえのない家族となり
人々に暮らしに豊かさをもたらしている。