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インドネシア 首都移転計画

2019-12-04 07:00:00 | 報道/ニュース

11月7日 NHKBS1「キャッチ!世界のトップニュース」


今年4月に再選され10月に就任式を終えたインドネシアのジョコ大統領。
憲法で任期は“2期10年まで”と定められていることから
大統領にとって最後の5年間となる。
2期目の重要政策に掲げているのが
現在ジャワ島のジャカルタにある首都を
1000キロ離れた中部のカリマンタン島東部に移転する計画である。
今後 議会の承認を得たうえで
来年末から建設工事をはじめ
任期の最後の年2024年に一部の政府施設を移転させるとしている。

(インドネシア ジョコ大統領)
「私は議会に首都をカリマンタン島に移すことを認めるように求めます。」
今年8月
インドネシアのジョコ大統領は
首都をジャカルタからカリマンタン島東部に移転させると発表した。
政府機能のほか
経済の中心としての役割を担っているジャカルタ。
周辺の首都圏を含めると3,000万人が暮らし
人口の過密化は大きな課題である。
さらに世界で最もひどいと言われる渋滞が毎日発生。
大気汚染は年々深刻な問題になっている。
こうした課題を解決するため
ジャカルタに政治経済の機能が集中する状態を解消し
均一に発展させようというのが首都移転の狙いである。
移転先となるカリマンタン東部。
新しい首都は国が所有する森林地帯を切り開いて建設される見通しである。
選ばれた大きな理由は
地震などの自然災害が少なく
周辺に東カリマンタン州の州都サマリンダや港湾都市バリクパパンがあり
空港や港湾施設への交通の便が良いことである。
さらに高速道路の建設も進められている。
地元住民は首都の移転を歓迎している。
(地元住民)
「大賛成です。
 これで発展するでしょう。」
(地元商店)
「多くの人が来れば売り上げが増えます。」
(東カリマンタン州 イスラン・ヌル知事)
「我々は国のために土地を用意しなければいけませんが
 国の利益のために働けるのは光栄なことです。」
また土地の価格上昇を見越して土地を買い占めようという企業も出ている。
(村長)
「この場所の元所有者は1ヘクタール1,000万円余で土地を売りました。
 ほかにも数人の住民が首都移転の計画にともなって
 かなり高い価格で土地を売却したと聞いています。」
一方で予定地は実現に向けた課題も見えてきた。
新しい首都の移転先になるとみられているのは
周りに森林が広がるのどかな地域である。
この付近は野生動物の住みかとして知られている。
ジョコ大統領は環境に配慮した首都づくりをするとしているが
具体的な道筋は示しておらず
環境団体から懸念の声が上がっている。
またジョコ大統領は
自身の人気が終わる2024年には一部の省庁の移転を始めたいとしているが
道路・建物・移転する政府職員の住宅をあと5年で建設できるのか
疑問視する声も上がっている。
都市計画の専門家は
国民への説明もなくジョコ大統領は突如 首都の移転を決めたことに対し
拙速すぎると批判している。
(都市計画の専門家 スリハルタ―ディ―氏)
「移転するためには
 全ての利害関係者を巻き込んだ議論が必要です。」

 

 

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