11月22日 NHK「おはよう日本」
三重県四日市市には
ちょっと異色の作風を持ち味にする和菓子職人がいる。
SNSを通じて広がった和菓子の数々は海外でも注目。
日本伝統の和菓子作りを学びたいと
異国の地から弟子たちが舞い込んでいる。
みたらし団子が名物の和菓子屋。
店内にあるのは
刺身・・・?
「ん!?」
「甘い!」
「ん?
なんだこれ。
和菓子?」
実はこれは和菓子。
その名も「刺身羊かん」。
四日市市には本物そっくりの和菓子を作る職人がいる。
岡本伸治さんである。
和菓子作りを始めて25年。
遊び心で刺身羊かんを作って販売してみたところ
SNSでたちまち話題に。
(Twitterより)
ホントは刺身なんじゃ?
ばえるの~
ちゃんとスジ状の模様もある
(岡本伸治さん)
「3日間のみ作ろうと思って販売する予定で用意していたが
それが初日にほとんど全部売り切れてしまって。
本当にありがたいなって思うところと驚きです。」
糸をねじり
羊かんを切ると
まるで刺身のような仕上がりに。
牛乳や砂糖・寒天などを混ぜ入れて作ったダイコンのつま。
醤油さしには本物の醤油を少し混ぜた黒蜜を入れるこだわり。
岡本さんはネットやSNSの発信力を感じた。
今年5月からは和菓子をつくる過程を自分で撮影して編集。
SNSに投稿している。
作り手の目線で
難しい作業でもなるべくワンカットで撮影するのがこだわりである。
(岡本伸治さん)
「手軽に作ってみようというラインまで行かないのが和菓子の難しさと思うし
映像化したものを見せるだけで
すぐ納得してもらうとか
さらには
もっと知りたいという興味を引いてもらうとか
いい入り口になっているのかと。」
この日は非常勤講師を務める地元の製菓学校での授業。
洋菓子のパティシエを目指す学生も多いなか
岡本さんはSNSやショート動画を始めて学生に紹介した。
動画をきっかけに和菓子に興味を持ってもらい
さらに繰り返し練習ができるよう授業に取り入れた。
(生徒)
「SNSで配信するのはすごく分かりやすくていいなと思った。」
「あまり作っているところを見ることがないから
頭に入りやすくていいなと思う。」
より多くの人に和菓子に興味を持ってほしい。
岡本さんの思いはいま海外にも届いている。
韓国や中国から岡本さんのSNSを見て
“和菓子作りを教えてほしい”という連絡もあった。
これまで4回韓国から店を訪れ和菓子作りを学んだ女性も。
(岡本伸治さん)
「海外から和菓子を習いに来た子がいるということ自体が
僕にとっては驚きでもあるし
そういう時代になっていくんだろうな。
今後 日本を含めて世界の若い子たちが
こういうきれいなお菓子を作ってみたいと思ってこの業界に入ってくれると
自分のやっていることの意味があると思っています。」
SNSで和菓子を身近なものにしたい。
岡本さんの願いである。