11月27日 NHK「おはよう日本」
飛鳥時代に都が置かれ
今はのどかな田園風景が広がる
奈良県明日香村。
この村を舞台に
ふだんは都会で働き休日は農村で過ごす
そうした暮らし方を生み出そうという動きが進んでいる。
明日香村の貸農園。
大阪など都市に住む家族が休日に訪れている。
利用は月3,000円~。
野菜の苗や肥料・農具の代金も含まれている。
「もう少し肥料をふるまっていいですよ。
大盤ぶるまいしてあげてください。」
地元の農家が指導もしてくれる。
(農園の利用者)
「大阪からも来やすい。
週末の気分転換になる。
明日香村いいところだな。」
この農園を運営しているのは大手マンション建設会社である。
一昨年 明日香村と地域振興の連携協定を締結。
マンションの入居者と村を結ぶ事業を次々と仕掛けている。
目指すのは新たなライフスタイルの提供。
“普段は都会で働き休日は農村で過ごす”など
多様な暮らしを実現するサービスを充実させ
マンションの付加価値を高めたい考えである。
全国約40万戸の入居者に向けた情報誌でも積極的に明日香村を特集している。
“豊かな歴史や文化
農業に適した気候
明日香村は休日を過ごすのに最高”とアピールしている。
(長谷工コーポレーション)
「明日香村は豊かな自然の原風景が残っている土地。
都心からもアクセスしやすい。
そのあたりを都心のマンションにお住まいの方にPRしやすい。」
貸農園を利用するのは主に都市部のマンション入居者。
農作業の後は
レストランで村の食材を使った料理を堪能したり
直売所で村の野菜を手に取ったり
明日香村ならではの魅力を楽しむことが出来る。
(農園の利用者)
「自分の住んでいるところとは違う環境に行けるというのと
ちょっと観光もできる。
野菜を買ったり
その土地にしかないお菓子を見られるのはすごく楽しい。」
企業ではさらなる一手の準備も進めている。
空き家になっていた古民家を
マンション入居者などが使える宿泊施設に改装しているのである。
明日香村も物件探しや許可申請を全面的にバックアップ。
この日は企業と役場の担当者がそろって古民家を訪問した。
(企業)
「屋根は補修しないといけない。」
(役場)
「明日香村は瓦しか無理という規制があるので。」
景観の規制が厳しい明日香村でどう活用するか
意見を交わした。
こうした動きを村も歓迎している。
(明日香村 総合政策課)
「空き家を使っていくので
明日香村の歴史的風土が保全されるのが大きなところ。
行政だけではできないことがたくさんある。
これを機にいろいろな事業に拡大できたら。」
(長谷工コーポレーション)
「まずは我々も手探りで進めているが
この取り組みで村にとっても企業にとってもいい形が固められれば
他の地域でも挑戦してみたいという気持ちはある。」
大手企業が明日香村の協力を得て進めるこの取り組み。
“普段は都会 休日は農村”という
新たなライフスタイルの先進地となるのか注目される。