11月14日 NHKBS1「国際報道2019」
BRICSを構成する新興5か国。
そのなかで最近蜜月ぶりが目立つのが
Rのロシア
Cのチャイナ。
このふたつの大国は
周辺国も巻き込んだ新たな連携の機運を生み出している。
おそろいのエプロンでロシア風クレープを焼くプーチン大統領と習近平国家主席。
両国の国交樹立から70年という節目。
ロシアの国営テレビはこうした映像を繰り返し放送し
両国の蜜月ぶりを演出している。
友好ムードは市民レベルでも高まりを見せている。
ロシアの世論調査によると
中国の印象について
“よい”と答えたのは70%。
5年前に比べて15ポイントも増加した。
(モスクワ市民)
「両国の関係は非常にいいので
今後さらに友情をはぐくむでしょう。」
そんななか注目されたのは10月のプーチン大統領の発言である。
(ロシア プーチン大統領)
「中国との関係は戦略的パートナーシップで
完全な意味での“同盟”だ。」
この場でプーチン大統領は
中国のミサイル警戒システムの構築を支援していることを明かした。
両国の連携が軍事分野でもかつてなく進んでいることを内外に知らしめたのである。
ロシアと中国の接近は
これまでふたつの大国の間で注意深くバランスをとってきた国々にも影響を与えている。
中央アジア キルギスのジェエンベコフ大統領。
NHKのインタビューに対し
ロシアとの関係を引き続き強化する一方で
中国の一帯一路のプロジェクトにも参加し
関係を重視していくことを示した。
(キルギス ジェエンベコフ大統領)
「ロシアも中国も隣人であり
今後もわが国と両国との関係がいっそう強化されていくと信じている。」
ロシアか中国化という択一的な考えではなく
両社とともに関係を発展できると強調したのである。
専門家は
ロシアと中国が良好な関係を背景にして新たな秩序が生まれる可能性を指摘している。
(中央アジア情勢に詳しい 国際政治学者 アンドレイ・グロジン氏)
「中央アジアの国々は中国の経済力とロシアの安全保障に依存している。
両国は衝突する可能性もあるが
首脳同士の関係により円滑に進んでいる。」
今年9月 ロシアが呼び掛けた大規模な軍事演習。
去年も参加した中国に加えて
今年は中央アジア各国やインドなども軒並み加わった。
演習にはキルギスのジェエンベコフ大統領の視察に訪れていた。
(キルギス ジェエンベコフ大統領)
「先進技術や高度な武器が使用され
自衛の課題を確認した。
理想的な軍事演習だった。」
“蜜月”とまで言われるロシアと中国。
周辺国を巻き込み
影響力を拡大させている。