日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

ポーランド 安全保障・エネルギー政策 最前線

2014-09-05 07:15:00 | 報道/ニュース

8月28日 キャッチ!


ポーランドはソビエト連邦崩壊を契機に西側諸国と安全保障や経済分野で安定を強化した。
しかしポーランドは今も天然ガスの多くをロシアから輸入している。
西側とロシアとの対立が深まる中ポーランドはロシア依存からの脱却をめざし新たなエネルギー調達の手段を模索し始めている。
ポーランドの安全保障とエネルギー政策を考える際にロシアとの歴史を振り返る必要がある。
ポーランドは第一次世界大戦後独立を回復したものの
第二次世界大戦でドイツと旧ソビエトに侵略された。
大戦後ポーランドは旧ソビエトを盟主とするコメコン経済協力機構への参加(’49)。
東ヨーロッパの軍事同盟ワルシャワ条約機構に加盟(’55)。
1991年に旧ソビエトが崩壊するまで常に旧ソビエトの強い影響力のもとにあった。
冷戦後は一貫して西側への接近を図り
1999年にはアメリカを中心とした西側の軍事同盟であるNATO北大西洋条約機構に加盟。
現在に至っている。
ウクライナ情勢が緊迫する中ポーランド政府はロシアをけん制するためにNATOとの関係強化に動き出している。

ポーランドの首都ワルシャワ。
中心部でひときわ目を引く建物はポーランドで最も高い文化宮殿。
この建物は旧ソビエトの指導者スターリンからの贈り物として1955年に完成した。
ポーランドが旧ソビエトの強い影響下にあったという歴史を思い起こさせる。
ポーランドの人たちは隣国ウクライナの危機に無関心ではいられない。
(市民)
「幸いウクライナが間にありますしポーランドはEU加盟国なので安全です。
 EUが団結すればするほど私たちは安全です。」
「ロシアのせいで被害を受けたウクライナの人たちを助けるべきです。」
国軍記念日の8月15日にワルシャワで軍事パレードが行われた。
国軍記念日は1920年にポーランド軍が旧ソビエト軍に勝利したことを祝う日。
パレードには1200人のポーランド兵士のほか訓練のために駐留しているアメリカ軍やカナダ軍の兵士約100人も参加し
ここ数年で最も大規模なものとなった。
ポーランド軍はウクライナ情勢が緊迫した今年の春以降NATO加盟国のと合同訓練を相次いで実施している。
8月下旬 北西部にあるヨーロッパ最大の軍事演習場で行われた訓練にはアメリカ軍とカナダ軍が参加した。
(アメリカ軍 中佐)
「同盟国との合同訓練は非常に重要でポーランドとは8週間訓練しました。」
実弾を使った射撃訓練やパラシュートの降下訓練などを行い連携を深めた。
イギリス軍も今年10月に予定されている大規模な合同演習への参加を表明している。
(ポーランド シェモニアク国防相)
「米加仏英などの積極的な参加は非常に重要な意思表明です。
 今年の春から我が国はNATOと演習を常にしてきました。
 ウクライナ危機直後の米国のF16戦闘機派遣は意義深く感謝しています。」
旧東欧諸国や旧ソビエトのバルト3国がロシアへの警戒感を強める中
アメリカのオバマ大統領は6月にポーランドを訪問。
これらの地域の防衛に積極的に役割を果たしていく姿勢を示した。
(アメリカ オバマ大統領)
「ロシアによるクリミア編入とウクライナの主権侵害は絶対に認めない。
 ロシアが挑発を続けるならば団結して孤立させ代償を払わせる。」
NATOは9月4日と5日にイギリスで2年に1度の首脳会議を開く。
会議では欧米各国が軍事面でロシアとどう向き合うのか
具体策が最大の焦点である。
ポーランドはNATO軍のポーランド常駐など東ヨーロッパ地域の防衛力の強化を訴える姿勢である。
(ポーランド シェモニアク国防相)
「ウクライナ危機はNATOによる集団的自衛の必要性を認識させました。
 今後NATOが東欧の防衛を強化することを期待します。」

コメント

成長続くか ポーランド経済

2014-09-04 07:15:00 | 報道/ニュース

8月27日 キャッチ!


今年 民主化25周年を迎えたポーランド。
2004年にEUへの加盟を果たした後
信用不安に陥ったヨーロッパの中にあっても堅実な経済成長を続けてきた。
EU加盟国の利点を生かし日本を含む外資系企業の進出も進んでいる。
ポーランドのGDPは1994年以来 順調に推移している。
EU加盟国28か国GDP(2013年)
 1位 ドイツ  2位 フランス  3位 イギリス  4位 イタリア  5位 スペイン
 6位 オランダ  7位 スウェーデン  8位 ポーランド  9位 ベルギー  10位 オーストリア

ポーランドの首都 ワルシャワは人口約170万。
市街地は第二次世界大戦中にドイツ軍によって徹底的に破壊されたが戦後 市民の手で再建された。
歴史地区はユネスコの世界遺産にも登録され多くの観光客でにぎわっている。
GDP国内総生産の伸びは1992年以来 22年連続プラス成長。
リーマンショックやヨーロッパ信用不安の影響も比較的小さく経済は堅調。
経済成長を促す力となったのが2004年のEUヨーロッパ連合への加盟である。
ポーランドはEUから経済格差是正を目的とした巨額の補助金を受け取ってきた。
この補助金を使って高速道路など交通インフラの整備を積極的に進めてきた。
去年までの7年間の補助金は加盟国の中で最も多い673億ユーロ(約9兆円)。
国の南北・東西を貫く幹線道路の建設が続いている。
国内には14の経済特区があり法人税などが優遇される。
このうちドイツへつながる道路沿いにある南部のカドビツェ経済特区にはドイツやイタリア、日本などの企業が進出。
自動車部品を製造する日本企業は2004年 ポーランドがEUに加盟した年に生産を始めた。
去年 新しい工場も完成し生産を拡大させている。
この工場ではヨーロッパで普及しているディーゼル車用に排気ガスを浄化するセラミックス製品を作っている。
従業員は2500人。
人件費は隣国ドイツの半分以下である。
この工場で作られた製品のほとんどはドイツやイギリスなどヨーロッパの西側に向けて出荷される。
高速道路を利用すればドイツの首都ベルリンまで4時間半。
同じEU加盟国のため税関手続きは必要ない。
EUは自動車の排ガス規制を段階的に厳しくしているため
この企業ではさらなる需要が期待できるとして工場の増設も進めている。
(NGKセラミックス ポーランド 石川理社長)
「主な供給先のドイツが近隣にあることがポーランドの利点と言える。
 投資メリットは行政の支援体制が出来ていることで投資に見合ったインセンティブ(優遇措置)を提供してもらえること。」
ポーランド第3の都市 ウッジ。
衰退した繊維産業に代わる新たな産業として企業の会計業務や情報処理などを請け負うサービスセンターの誘致に力を入れている。
2007年に進出したインドの情報システム開発企業。
従業員は2200人。
ヨーロッパの拠点として13の企業と会計業務などの委託契約を結んでいる。
売り上げは毎年約20%ずつ伸びている。
(事務代行会社 ヤツコフスカ社長)
「当社などの事務代行会社がポーランドに拠点を置く理由は
 優秀な人材と非常に優れた教育制度がこの国に備わっているからです。」
この会社で働いているプシェミスワフ・スワビンスキさん(28)。
ヨーロッパの複数の企業から必要な物品の調達を請け負っている。
地元のウッジ大学を卒業したスワビンスキさんは流通な英語とフランス語を生かせる仕事に満足している。
10年前ウッジの失業率は18%を超え
大学の卒業生の多くは仕事を求めてワルシャワやイギリスなどの海外へ出て行った。 
いまその必要はないと言う。
(プシェミスワフ・スワビンスキさん)
「この国は経済も人の生活もダイナミックに発展しています。
 その中で暮らせることは大変幸せです。」

経済の面でポーランドは隣国のウクライナと比べられることが多い。
旧ソビエト崩壊の前年の1990年の時点では1にんあたりのGDPはほとんど同じだった。
それから20年余り ポーランドの1人当たりのGDPはウクライナの3倍以上となった。
その理由のひとつは政治の安定。
ウクライナはロシアからの関与もあってヨーロッパに近づくのかロシアに近づくのかと揺れてきた。
ポーランドは一貫してヨーロッパを目指してEUへの加盟とNATOへの加盟を果たした。
このヨーロッパを目指す路線は国内の経済改革を推し進める原動力になった。
1990年代初めはポーランドでも物価の上昇や国有企業の破たんなど改革の副作用とも呼べる経済の混乱も見られたが
間もなくその混乱も収まり民間企業企業の発展が始まった。
EU加盟後はEUからの補助金でインフラなどの開発計画も進み
またEUという巨大な市場を獲得したことや海外からの投資を呼び込むことにより経済成長を実現した。
今後の課題のひとつはEU経済。
最大の貿易相手国でポーランド経済のけん引してきたドイツの先行きである。
EU統計局の発表では今年4月~6月のドイツのGDPの伸びは-0,2%。
マイナス成長と転じた。
ウクライナ情勢をめぐる欧米とロシアの対立が長引けばドイツ経済への影響は避けられないとみられ
ポーランド経済への悪影響となる恐れは十分にある。
そして経済成長を支えてきたEUからの巨額の補助金が今後も確保できるかどうか。
2020年までは825億ユーロを確保しているがそれ以降は減っていくのではないかという課題もある。
EUはポーランドより遅れて加盟したルーマニアとブルガリア、加盟を果たしたばかりのクロアチアという
比較的新しい加盟国に力点を移していくのではないかいう見方もある。



コメント

“投資したい国”№1 インドネシアで勝ち抜け ②インドネシアに進出 日本の学習塾

2014-09-03 07:15:00 | ビズ プラス

8月24日 BIZ+SUNDAY

 

インドネシア内部の都市スラバヤに進出した学習塾 立志舘ゼミナール。
教えているのは小学生向けの算数。
月謝 3、000円。
年間所得50万円以上の中間層をターゲットにしている。
立志館ゼミナール インドネシア法人 中村俊一社長は去年9月からここで塾の責任者を務めている。
中村さんは20年前から大阪で塾の経営に携わってきた。
少子化の影響で生徒数が伸び悩んでいることからインドネシアへの進出を決めた。
(立志舘ゼミナール インドネシア法人 中村俊一社長)
「大きなビジネスチャンスがこの国にはあるのじゃないか。
 教育ソフトとして日本の教育ソフトが信頼されるならば
 本当にはやる可能性はあるかもしれない。」
しかし経営は出だしからつまづいた。
生徒の勧誘がうまくいかず目標の500人に対して50人ほどしか集まらなかったのである。
原因は中村さんが日本的の仕事の仕方を現地でも続けたことにあった。
塾の講師から始まり今では生徒数7000人の塾長を務める中村さん。
日本では自分が支持を出せば阿吽の呼吸で社員が自発的に話し合いアイデアを出すことが当たり前だった。
しかしインドネシアでは生徒の勧誘方法を考えてほしいと指示を出しても社員からの提案はほとんど無かった。
なぜうまくいかないのか。
中村さんは社員にアンケートを行うことにした。
すると役割分担が明確でなく自分が何をすればいいのかわからないという指摘が相次いだ。
(立志舘ゼミナール インドネシア法人 中村俊一社長)
「漠然と支持を出しておけば話し合って形となるものが出てくるだろうというのはとんでもない間違いで
 仕事については明確に分けて責任を持たせて指示を出していくということが必要になってくると痛感した。」
中村さんは社員全体にではなく一人一人に指示を出すことで役割を明確にした。
さらにいつでも指示を出せるように社長室を無くし社員と同じ部屋で働くことにした。
「中村さんは
 こういう時にはこうしなさいと
 とても細かい指示をしてくれる。
 具体鄭に言ってくれるのでとても仕事がしやすい。」
こうした対応をするなか社員にも変化が表れている。
課題だった生徒の勧誘に自主的に取り組み始めたのである。
小学生の子どもを持つ母親が集まる会合に向かった。
社員からの提案で実現した。
「授業の内容は計算だけですか?
 学校でやる応用問題も教えてくれますか?」
母親たちは強い関心を示しこの日だけで11人が体験レッスンを申し込んだ。
中村さんは社員が自ら動き始めたことに手ごたえを感じながら
インドネシアでのビジネスの難しさを実感している。
(立志舘ゼミナール インドネシア法人 中村俊一社長)
「一緒に働いてくれる人たちと“郷に入れば郷に従え”という形で
 できる限りいい方向に持っていけるようにやっていく。
 成功するまで日本に帰れないかもしれないという覚悟でいる。」

コメント

“投資したい国”№1 インドネシアで勝ち抜け ①日本式で攻めろ 白物家電シェア№1

2014-09-02 07:15:00 | ビズ プラス

8月24日 BIZ+SUNDAY

 

インドネシアは一万以上の島々に2億5千万の人が暮らしている。
平均年齢は29歳。
日本文化への関心が高く親日的な人が多いと言われており
1200社以上の日本企業が進出している。
今年 日本の500社以上の企業を対象に行ったアンケートで“投資したい国(今後3年程度)”の第一位である。

インドネシアで白物家電の1位になっているのがシャープ。
インドネシアの地方都市 あらわれた奇抜な集団。
日本の大手電機メーカー シャープが開いているイベント MATHURI。
流れているのは日本のアニメソング。
インドネシアでも人気である。
こうしたイベントを2か月に1度開くことでブランドイメージの浸透を図っている。
「このイベントのために遠くから来たがとてもよかった。
 子どもたちも喜んでいる。」
このイベントに必ず現れるのが修理専門のサービスカー。
日本式のきめ細かいアフターサービスを行っている。
シャープの製品なら修理は無料。
しかも時間をかけずその場で直す。
ひと月ほど前にテレビが故障した男性は買い換えをせずにサービスカーが来るのを待っていた。
「こうした習りサービスはとても助かる。
 冷蔵庫 テレビ 洗濯機 
 全部シャープの製品を使っている。」
こうした日本式のサービスをアピールすることでシャープは白物家電でシェアNo.1を実現している。
シャープは去年 ジャカルタ郊外に甲子園球場8個分の広さを持つ世界最大規模の工場を稼働させた。
成長するインドネシア市場に対応するため生産能力を2倍以上に拡大させた。
作るのは現地のニーズを反映させた製品。
たとえば洗濯機は販売台数の8割が価格の安い二そう式である。
中に保冷剤が入っている冷蔵庫。
電力事情がよくない地方都市では停電がたびたび起きるがこれがあれば停電しても6時間冷やすことが出来る。
インドネシアの白物家電の普及は始まったばかり。
まだまだ伸びる余地があるとみられている。
経営再建中のシャープはこの工場を軸に2年後までにASEANの売り上げを倍増し再建の大きな柱にしたいとしている。
(シャープ・エレクトロニクス インドネシア 藤井正信工場長)
「今のインドネシアは日本の高度成長期のような感じ。
 当面 中期的にみてもインドネシアの国の需要は拡大していく。」
インドネシア市場にさらなる攻勢をかけるシャープ。
ライバルとの競争が激化する中でいま力を入れているのが日本式の人材育成である。
インドネシア全土から集められた営業マンが受ける研修。
「ハチマキ締めます!」
 スローガンを唱えます!
 腰に手を当てて!
 行くぞ!行くぞ!
 私はできる!
 目標を達成するぞ!
 本気を出せばできる!」
指導するのは昭和の時代を知る元営業マン達。
お客さんの立場に立つというおもてなしの精神をきめ細かく指導していく。
「手をきれいにしていますか?」
気遣いは爪の伸び具合にまで。
身だしなみのためだけではない。
「お子様連れで来られるお客様もいます。
 お子様の背の高さはこのくらいです。
 歩いているときに爪でお子様の顔を傷つけてしまう恐れがあります。」
研修の最後に目標達成への決意を確認する。
「絶対できるのか!」
「絶対できるぞ!」
「やれるのか!」
「やってみせるぞ!」
研修を受けた営業マンが向かうのは町の小さな電気店。
大型の量販店が少ないためこうした店の売り上げが業績を大きく左右する。
営業マンは全国の電気店を月に1度は訪問し売り場のレイアウトなど日本式の売り方を伝えている。
「こちらのテレビですがこの高さだとお客さんからあまり見えないので
 お客さんが見やすいように下の段へ移動してもらえませんか?」
「わざわざ店まで来てアドバイスしてくれるのはシャープだけ。
 他のメーカーはそこまでしてくれない。」
こうした日本式のノウハウを生かした営業活動によってライバルを引き離そうとしている。
(シャープ・エレクトロニクス インドネシア 営業統括 寺岡真司さん)
「お客さんの目線に立つということは非常に重要だと
 これは私が日本で勉強したこと。
 このおもてなしの精神を持って
 お客さんの立場に立って市場を攻略していきたい。」

 

コメント

スコットランド 独立を問う住民投票へ

2014-09-01 07:15:00 | 海外ネットワーク

8月24日 NHK海外ネットワーク


スコットランド イングランド ウェールズ 北アイルランド
イギリスは4つの地域で構成されている。
そのひとつ スコットランドで9月18日 独立への賛否を問う住民投票が行われる。
独自の文化を持つスコットランドの人たちの間には歴史的にイングランドに対する根強い対抗心がある。
そしてイギリス政府の政策はイングランド寄りで
スコットランドはこれまで雇用など経済の面で不利な立場に置かれてきたというのが独立に賛成する人たちの主張である。

エディンバラ城を拠点にした王国がイングランドに併合されてから約300年。
今スコットランドで独立の機運が高まっている。
住民投票を前に独立賛成派の人たちは草の根の運動を展開している。
1件1件住宅を訪ね独立支持を呼びかける。
独立賛成派のひとり ポール・リンスターさん。
いまはパートタイムの仕事を続けている。
友人の多くは地元では職がないとロンドンなどへ出て行った。
独立で地元の雇用を重視する政策が行われれば仕事のチャンスが増えるのでは
と期待している。
(独立に賛成 ポール・リンスターさん)
「イギリス政府はロンドンやイングランド南西部の利益優先で政策を決めている。 
 スコットランドが独立してできる政府はスコットランドの人に選ばれ
 自分たちの富を分配するから信頼できるはずだ。」
独立を目指す運動の転機は
1998年 地方分権を求める声を受けて議会が復活したことだった。
3年前には議会でスコットランド民族党が初めて過半数を獲得。
党首のサモンド氏は独立の賛否を問う住民投票を実施する方針を打ち出した。
独立賛成派がよりどころとしているのが北海油田の存在である。
スコットランド沖に9割が集中。
その税収を自前の財源にすることでスコットランドの経済的自立につなげようというのである。
独立派の主張を受けイギリスのキャメロン首相は地元の民意に従うとして住民投票の実施に合意。
当時は独立への支持は広がらないとの判断があったとみられるが独立派は勢いを増していった。
(スコットランド民族党 サモンド党首)
「私たちが支持ずる政策を実行するために
 私たちの国 私たちのスコットランド 私たちのための独立を。」
住民投票で賛成が多数となればスコットランドはイギリス政府との協議を経て1年半後に独立する方針である。
しかし独立を巡ってイギリス政府はいくつもの大きな課題があると指摘している。
その一つが防衛問題。
独立派は核ミサイルを搭載する原子力潜水艦のスコットランドへの配備に反対しているが
イギリス政府は軍事力の低下につながるとけん制を強めている。
また通貨については独立派がポンドを継続して使用する方針を示しているのに対し
それは認めないとしている。
(イギリス オズボーン財務相)
「独立後のスコットランドと通貨を共有する法的理由はない。」
イギリスのメディアは著名人の意見を次々に掲載。
映画俳優のショーン・コネリーさんは賛成。
将来に明るい展望が開けると主張している。
小説“ハリー・ポッター”の作者J・K・ローリングさんは反対。 
グローバル化の中イギリスにとどまる方が良いとの主張である。
まさに国民を二分した議論になっている。
独立反対派も最後の追い込みで住民への説得に力を入れている。
(独立に反対)
「イギリスにとどまったほうが資源国として国際的影響力も強い。」
「イギリスの国力と安全保障の後ろ盾があるから独立に反対の人が多い。」
独立反対の意見が目立つのがビジネス界である。
コンタクトレンズの製造・販売会社を経営するロン・ハミルトンさん。
売り上げは年間20億円近く。
その大半はスコットランド以外の市場向けである。
独立した場合に安定した通貨であるポンドが使えなくなれば経済的リスクが高まると心配している。
ハミルトンさんは万が一独立することになった場合にそなえ会社の口座をポンドを確実に使い続けられるロンドンの銀行に移した。
(独立に反対 ロン・ハミルトンさん)
「通貨や税制の行方が不確かだ。
 独立したら非常に不安定な中でビジネスを行わなくてはならない。
 イギリスにとどまるのが最善の選択だと思う。」
8月 独立運動を主導してきたサモンド党首と独立反対派の代表との間で初めてのテレビ討論が行われた。
(独立反対派)
「スコットランドの通貨はどうなるのか。
 子どもでもわかるように説明してください。」
(独立賛成派 スコットランド民族党 サモンド党首)
「もちろんポンドだ。
 ポンドはイングランドとスコットランド共通のものだ。」
(独立反対派)
「あなたは独立しても通貨は同じにしたいと言うが
 離婚後も同じ銀行口座を使い続けるようなものだ。」
一連の討論を聞いたハミルトンさんは独立にメリットはないと自信を深めた。
(独立に反対 ロン・ハミルトンさん)
「前にも聞いた話ばかりで新しいものは何もなかった。
 独立しなければならない理由は何もない。
 独立はリスクが大きすぎる。」

コメント