
私は、中学時代、芥川龍之介の小説「トロッコ」にかなり入れ込みました。
主人公良平の心情の変化が、痛いほど伝わってきて、おおいに共感して、何度も読みました。
さて、名刺ホルダーにたくさんの枚数の名刺を入れ、悦にいっている人がいます。
なにかの食事会や懇親会、パーティで多くの人と知り合い、あいさつを交わしながら集めた名刺かもしれません。
同様に、知識や情報をたくさん集めるために、かたっぱしからいろいろな本を読む人がます。
いわゆる極端な「多読」です。
名刺交換をしたから、知り合い・友人になったとはいえない。同じく、本に関しても、相手を尊重して、深く知らなければなりません。
その意味で、自分の時間をつぎ込み、本につきあう。
これを「精読」というのであり、たんにじっくりと詳しく読むだけではないのです。
中学時代には、忙しい日常生活を送りながらも、三中の子には、自分の時間をつぎ込むような本に出会ってほしいと願います。