過去の災害には、未来へと警鐘を鳴らすできごとが含まれています。
被災者への対応も含めて、歴史を学び直し、現代に置き換えて考えることは重要です。
30年前、阪神大震災のとき、兵庫県のボランティアは1年間に延べ137万人で、そのほとんどは初心者でした。
それが1994年がボランティア元年と言われるゆえんです。
ポランティア元年は、制度化の発達によって当時の硬直化した社会・行政のしくみの「すきま」を行動することで埋めたり、縫い直したりし始めたのです。
阪神大震災の時は行政の管理、制約が緩かったため、柔軟な助けあいが各地でありました。
しかし近年、自然災害が頻発し、各被災地で活動をするボランティア数は減少傾向にあります。
阪神大震災の教訓が十分に検証され、リアルな形で地域住民や政治、行政に組み込まれてきたのかという課題が浮かびます。
被災者に対して、みんなで他者のいのちを考え、「自分ごと」として寄り添う姿勢がボランティアの基本です。
ボランティアが被災者の声をすくい上げて専門家へとつないでいくのです。
その過程で、その人のもっている潜在的な力がふっと出てくる。
誰かが「黙ってそばにいる」ことがどれほど大切なのかを考えさせられます。