教職を希望する大学生が減っています。
教職をめざす人が過酷な労働条件を聞きおよび、教職志望をやめる人が増えているからといわれています。
じっさいに、#教師のバトンをあければ現役の教師から赤裸々な「告白」(「告発」)が並んでいます。
「出産で休むといったら責められた」
「親族のお通夜に出席するため、早く退勤するといったら、イヤそうな顔をされた」
「部活指導で休みがない」
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「#教師のバトン」は、文部科学省が教職の魅力を広く知ってもらうというねらいで2021年3月にツイッター上に開設したものです。
ところが、その書き込みはねらいとは正反対の方向の「つらい」「しんどい」「やめたい」の書き込みで膨れあがったのです。
現在の大学生は、SNSの書き込みはしょっちゅう見ますし、その書き込みから影響を受けやすいという傾向があると、私は考えています。
これを読んで、教職は私にはできないとか、あわないという理由で教職志願者の減少に影響しているというのは、ある程度事実だと思われます。
しかし、その書き込みをそのまま受け入れるには「ちょっと待ってください」と思います。
わたしは校長をしているときでも、出産の知らせをきいたら「おめでとう」といいましたし、通夜で早く学校を出たいなら「気をつけて」といいましたし、実際にそのように配慮する管理職や同僚は少なくありません。
しかし、SNSでの書き込みで、「子どもも産めない」となると、たいていは多くの同調する書き込みが続き、読む人はそればかりを読み、「私にはつとまらない」となってしまいます。
学生を対象にしたある調査によると・・・
「志望していたが、志望をやめた」 21%
「志望していたが、迷っている」 37%
その理由は「民間の待遇の方がよく、働きがいがある」とか「自分の体を壊してまで働きたくない」という考えが多くありました。
ほんとうにそうでしょうか。
たしかに仕事がきついときもありますが、教職に従事することで得ることができる喜びややりがいにはとても大きいものがあると、経験上思います。
書き込みをしている人も、きついと思いながらも、一方でやりがいを感じている面もあると思います。
児童生徒の成長にかかわる喜びを体感できる教職の魅力を知って、教職をめざす人が増えてほしいと願います。