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教師なら学校で、保護者の方なら家庭で、子どもが前向きな(ポジティブな)感情を出すときには、うれしいものです。
「楽しい」とか「おもしろい」という感情を出してきたときは、おとなも笑顔で受け取れるものです。
しかし、「悲しい」や「腹が立つ」とか「さびしい」、「くやしい」、「どうせわたしなんか・・・」などの後ろ向きな(ネガティブな)感情を出す場合もあります。
このとき、大人はどう対応すればいいのでしょうか。
「そんなこと言わないで」とか「そんなことを言うものではない」など、ネガティブな感情を出さないようにという対応を続けるのは好ましくないでしょう。
もし、子どもが小さい時から、おとなに「ネガティブな感情を出してはならない」と言い続けられたら、感情を出せない子になってしまいます。
私たちは、子どもが感情豊かであってほしいと望むのですから、感情に「ふたをしない」ほうが望ましいのです。
そもそも、感情によい/悪いはないのです。どんな感情を持ってもいいのです。ただ、子どもには自分の感情ができるだけ相手に正しく伝わるように、教えなければなりません。
ある中学生が「受験がいやだ」「もう、勉強したくない」と言いました。
「受験なあ。いややな」と言うと、その生徒の表情は若干明るくなったようでした。
そこで、「受験が終わると,何をしたいの?」と尋ねました。「何にもせずに、家でゴロゴロして寝ころびたい」と話してくれました。
そして、「早く受験が終わるといいなあ」とその生徒はつぶやきました。
この場合、受験があることをいちばんわかっているのは本人です。でも不安があるので抱えきれなくなり、ネガティブな言葉で自分の感情を表していたのです。
「いや」とか「こわい」「不安だ」などの感情は、「助けてほしい」とか、「わかってほしい」という願いの裏返しです。
だから、私たちは、相手が大人でも子どもでも、ネガティブな感情を相手から受け取ったときには、その裏側にある「願い」を感じ取るのです。
ただ、相手のネガティブな感情を受け取るのは、ときとしてたいへんな場合があります。
「どうせ、わたしなんか・・・。もうこの世の中から消えてしまいたい」と真剣に訴える中学生に対峙するのは、こちらもエネルギーがいります。それを支えるのは、たいへん重いものです。
でも、おそらく、どんな感情にも、その奥には、その子の願いがあるはずです。
なんとか、その願いを見つけ、わかろうとする信頼関係を結ぶおとながいてくれれば、子どもたちはだいぶん救われることになります。
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