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There's no free lunch.
Sweet talk always has some catch.
そのような英語のことわざがあります。
2010年代に地元の箕面観光ホテル(現、大江戸温泉ホテル)に仕事で立ち寄ったときのことです。
エレベーターに乗ると、浴衣姿のある宿泊客数人が途中から乗り込んできました。
すると、みんながワーワーと中国語を話していました。その一群はある階で降りるとロビーにいた人たちと合流しました。
そこでも話す言葉はみんなが中国語でした。
箕面市は関西では少しは名前の知られた観光都市で、紅葉や箕面の滝で有名です。
「ここにも外国人観光客が来ている」と思ったのを思い出します。
大阪市内で地下鉄に乗ると、心斎橋駅からは大きなスーツケースを引っ張る外国人観光客が乗ってくる。手には「爆買い」した商品を詰めた紙袋。
これらがつい最近まで日常的に目にした光景でした。
当時のあるビジネス誌上には、「これからの日本で成長が見込める産業は観光業である」と書かれていたのを思い出します。
事実、外国人インバウンドをあてにした宿泊施設が乱立するようになりました。
国内旅行にしても、星野リゾートは、泊まり心地のいいハイレベルなホテルを各地に広げていきました。
そのような国内の状況を目にして、わたしは、内心、一抹の不安を感じていました。
こんなに訪日外国人観光客をあてにして、爆買いをあてにして商品を並べて、このような異常とも思える状況がいつまで続くのか。
もし、この人たちが来なくなったらどうなるのか・・・。
こう言った漠然とした不安を感じていたのを思い出します。
果たして、誰もが予想しなかった(研究者や科学者は予想していたでしょうが)、突然降って湧いたような新型コロナウイルス感染症に世界は見舞われました。
観光庁が1月19日に発表した数字では、2019年には過去最多の3183万人を記録していましたが、2021年には99.2%減の24万5900人にまで激減しました。
コロナ災禍により、日本の「水際対策」や各国の渡航制限が続いているためです。
「もうかる」という話が出れば、多くの人がそれに飛びつきます。しかし、それには大きなリスクが伴う。
この危うさをあらためて感じます。