長らく中学校の教育活動の一つとして、部活動は実質的な位置を占めてきました。
いま中学生の子どもをもつ保護者のかたも、中学校時代を振り返ると、クラスのことや友だち関係、学校行事と同様に部活動でがんばった思い出をお待ちだと思います。
その当時から現在まで、中学校の部活動はずっと続いているので、わが子の部活動に寄せる関心は高いでしょう。
顧問の先生がいて、先輩後輩の仲間関係を育み、子どもが知識や技能・技術を身につけることができる。
部活動は実質的に教育活動の一環として、全国どこの中学校も実施していますが、じつは中学校学習指導要領が定める教育課程には含まれていないのです。
だから、顧問の教員のボランティアで成立しているのが実情です。
学校に部活があり入部する生徒がいれば、教員の誰かが顧問にならなければなりません。
その顧問がその部活の専門ならいいですが、誰かは専門外の初めての部活をもたなければなりません。
しかし、生徒や保護者は、技術・技能を高めることができると当然のように期待します。
中学校なら部活があり、指導してもらえるのは当たり前という感覚で、ずっと部活動は継続してきました。
たしかに、部活が生徒指導面で果たす役割は大きいものがあります。
また、生徒の成長に寄与する役割にも大きいものがあります。
顧問の側も、部活動に熱心に取り組み、大会で優勝したり、入賞したりする実績を残すことも多いです。
ただし、それは教員のボランティアとして支えられています。
顧問は、平日は月から金まで指導して、土曜も日曜も大会に勝ち進めば、ずっと自宅にいないことになります。
自分の家庭をある意味で犠牲にしている場合もあります。
また、ここ数年間中学校の教員の時間外労働の長さが問題とされ、部活動の指導がその理由になっていることが認識され、働き方改革を国が推し進めています。
じっさい、放課後の部活動の指導が終わり、生徒が帰宅してから、明日の授業の準備にあたることが多いので、どうしても時間外勤務が増えるの現実です。
こういう状況に、最近やっと腰をあげたのが文科省です。
中学校の部活を、学校の「地域スポーツクラブ」に改編し、指導はそのクラブの専門人材に委託します。
試合や大会、コンクール、発表会などに専門人材がコーチとして引率、指導できるようになります。報酬も自治体により支払われます。
もちろん、専門性をもった教員が部活を指導したいときには、そのコーチに登録すればいいのです。
この取り組みを、いま全国の自治体でいくつかの学校がモデルケースとして、先行実施しているのが現在です。
また、今度この続きをブログであげます。
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