箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

まずは「母性」です

2020年09月16日 07時24分00秒 | 教育・子育てあれこれ


私が教師になった頃といまを比較すると、両親とも働く家庭が増えたことを実感として感じます。

昔は、お母さんがずっと家におられる家庭は、珍しくはなかったものです。

それから社会のありようが変わり、夫婦のあり方も変わりました。

それは当然のことで、家族の形態も時代に合わせて変わってきます。

いわゆる「専業主婦」が減り、いまや夫も家事を担う場合も珍しくはなくなりました。

また、ひとり親家庭も増え、母子家庭も父子家庭もあります。

このように、家族の形態は変わっていくものです。

ただし、どのように形態が変ろうとも、子育てで心にとめておくべきことがあります。

それは、幼い子にとっては、絶対的に「母性」が必要だということです。

それは、必ず母親が必要だという意味ではありません。

「母性」とは、子どもを無条件で受け入れて、愛情で包み込むことです。

一方、「父性」とは、世の中や社会の規範やルールを教え、導いていくことです。

河合隼雄さんも言われていますが、子どもの育ちには、この両方が必要になります。

しかし、順番は母性が先にきます。母性で十分に子どもを包み込んでから、父性で教え導きます。

かといって、だから両親が必要だとは私は言っていません。

母親だけでも、あるいは父親だけでも、健やかな子どもの育ちは可能です。

なぜなら、母性も父性も、性別に関係なく、あるいは「性的少数者」も、みんなが両方をもっているからです。

さて、最近の幼児虐待の報道を聞いて思うのは、母親が「母性」を発揮する前に、「父性」を出してしまいがちな点です。

母親が「父性」的になってしまうのは、孤立感や不安を感じることが、多くなったからでないかと、私は考えています。

両親がいる場合、夫がすべきことは、妻を支えることです。

子どものオムツをかえたり、ミルクを飲ませたりすることも支えることですが、妻の話を聴くことも支えるという意味で大切です。

支えがあるから、母親はわが子を「母性」で包み込む余裕ができるのです。

夫との関係がよいほど、母親は子育てに前向きになれます。

夫婦仲がいいと、子どもは安心感を覚えます。


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