箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

受けとめ、気持ちに応える

2021年02月08日 08時57分00秒 | 教育・子育てあれこれ


思春期の中学生と接していると、就学前の教育の大切さを実感します。

親の子育てとは一線を画して、保育はたいへん専門性が高い営みです。子どもの育ちに関してのさまざまな点を考慮して行われています。

これから先のことも展望して、たとえば「この子が小学生になったときには、こうできたほうがいいので」と考え、保育士・保育者は子どもとかかわっています。

たとえば、園内の運動会の朝のことです。

子どもたちは運動会を楽しみに登園しています。ところが、あいにくポツリポツリと雨が降り出しました。

その雨を見ながら、ある幼児が「外へ出れなくなった」と泣き始めたのです。運動会を楽しみにしていたのです。

その様子を見ていた担任の保育士は、その子に近づき、「外を見に行こう」と言いました。

手をつなぎ、大粒の雨が降っているのをいっしょに見ながら、「雨が降ってきたね。残念だね・・・」。

こんな言葉を交わしています。

すると、その子は泣き止み、室内に戻ってから遊具をとり、ほかの子と遊び始めました。

この保育士がとった行動は、①子どもの気持ちを受けとめること、そして②その気持ちに応えることです。

①:子どもの「外へ出れなくなった」という気持ちを受けとめ、いっしょに外へ出ました。

②:子どもの「残念だ」という気持ちを、言葉にして表し、同じ気持ちだよと応えています。

このような場面対応が「自然体」でできるのがいいのです。

「ここは受け入れて、次に気持ちを表して・・・」と計算して行うと、うまくいかないことが多いようです。
自然体でできるのは、その保育士に専門性があるからこそできるのです。


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