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思春期の中学生と接していると、就学前の教育の大切さを実感します。
親の子育てとは一線を画して、保育はたいへん専門性が高い営みです。子どもの育ちに関してのさまざまな点を考慮して行われています。
これから先のことも展望して、たとえば「この子が小学生になったときには、こうできたほうがいいので」と考え、保育士・保育者は子どもとかかわっています。
たとえば、園内の運動会の朝のことです。
子どもたちは運動会を楽しみに登園しています。ところが、あいにくポツリポツリと雨が降り出しました。
その雨を見ながら、ある幼児が「外へ出れなくなった」と泣き始めたのです。運動会を楽しみにしていたのです。
その様子を見ていた担任の保育士は、その子に近づき、「外を見に行こう」と言いました。
手をつなぎ、大粒の雨が降っているのをいっしょに見ながら、「雨が降ってきたね。残念だね・・・」。
こんな言葉を交わしています。
すると、その子は泣き止み、室内に戻ってから遊具をとり、ほかの子と遊び始めました。
この保育士がとった行動は、①子どもの気持ちを受けとめること、そして②その気持ちに応えることです。
①:子どもの「外へ出れなくなった」という気持ちを受けとめ、いっしょに外へ出ました。
②:子どもの「残念だ」という気持ちを、言葉にして表し、同じ気持ちだよと応えています。
このような場面対応が「自然体」でできるのがいいのです。
「ここは受け入れて、次に気持ちを表して・・・」と計算して行うと、うまくいかないことが多いようです。
自然体でできるのは、その保育士に専門性があるからこそできるのです。
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