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NIKE社の動画広告をご存知でしょうか。
YouTubeで2020年11月から公開されています。
動画の名前は「動かしつづける。自分を。未来を。The Future Isn’t Waiting. 」です。
この動画は、日本での在日外国人問題に関係したいじめを取り扱っています。
NIKEジャパンは、この動画について次のような説明を加えています。
「スポーツを通じて世界を一つにすることが企業指針である。NIKEはすべての人に平等な競技の場を作りたい」
この広告は、アスリートが実際に日本で受けた体験をもとにストーリーが組み立てられています。
動画には、サッカー少女が何人か登場します。
チョコレート色の肌の女子がいます。
チマチョゴリを着た在日韓国・朝鮮人の子も出てきます。
まわりの子となじめない様子が映され、女子生徒がいじめを受けたり、疎外されたりします。
女子生徒のつぶやきが流れます。
「わたしってナニモノ?」
「わたし、期待外れなのかな?」
「ふつうじゃないのかな?」
「ここにいちゃダメなの?」
それらを打ち消すかのように、サッカーで活躍して自分の居場所を持ちます。
そして、動画の最後には「You Can’t Stop Sport.」(スポーツはやめられない。)というキャッチフレーズが鮮やかに映し出されます。
私は、このフレーズを「スポーツがあるからいじめに負けない」という意味であると解します。
スポーツの世界では、民族差別・人種差別、その他の人の尊厳をおとしめる行為に反対して、多様性を尊重しあう姿勢を重要視するのが今の時代です。
たとえば、2014年にサッカーJリーグ浦和レッズのサポーターが「JAPANESE ONLY」という横幕を掲げました。
その制裁として、浦和レッズは国内はじめての無観客試合を行いました。
また、テニスの大坂なおみ選手は、「Black Lives Matter」のアピールをしました。
今回のNIKE社の動画は、スポーツ企業の社会的責任として、そのスタンスを明らかにした、いわゆる「意見広告」のようなものです。
いじめや排除は教育現場に限らず、日本社会の閉鎖性に基づく課題であり、マイノリティ当事者の声は、私たちにいろいろなメッセージとなり、考えさせられるものがあります。
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