子どもにとって、学校という存在は大きなものです。
朝起きて、身支度をして学校に向かい、夕方に下校して帰宅します。
子どもの生活は学校を軸として構成され、生活のリズムや生活習慣が形成されます。
また、学校は学力を身につけるだけでなく、他者との豊かな人間関係を育み、自己を成長させる場でもあります。
昨年の全国一斉の休校要請を聞いたとき、わたしは驚くと同時に、学校になじみにくい子や障害のある子どもへの影響が気になりました。
障害のある子は、公立学校の特別支援学級か特別支援学校に通っています。
じっさい、障害のある子どもへの影響は大きく、それは学校再開後にも現れました。
では、どんな影響があったのでしょうか。
・テレビやインターネットに多くの時間を費やすようになった。
・友だちと会う機会が減り、家から出たがらなくなった。
・ずっと家にいるので、筋力が弱まり、生活でできていたことができなくなった。
・急に叫ぶなどパニックを起こしたことがあった。
・ストレスで帯状疱疹が出た。
・頭を壁にぶつけるなどの自傷行為が増えた。
・大きな音に過敏に反応するようになった。
・本人にあわせた学校からの学習課題が最初はなかった。
・学校が再開しても、分散登校や午後からは帰宅するなど、いつもの生活リズムと違ったので、子どもにとっては大きなとまどいだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
このような声が、家族から出ているのが全国的な状況です。
障害のある児童生徒は、環境のちょっとした変化にも影響を受けやすいのに、長期の一斉休校は、心身ともに深いダメージを与えたのでした。
さらに、保護者にも影響が出ました。子どもの養育のため仕事をやめなければならなかったり、収入が減った場合もありました。
親が「自分が倒れることができない」と意識が強く、気持ちのゆとりがなくなったなどの声が寄せられました。
「全国一斉に学校・特別支援学校に休校を要請します」とアナウンスしたとき、障害のある児童生徒にどれほどの影響が及ぶかという視点が念頭にあったでしょうか。
「全国一斉に学校・特別支援学校に休校を要請します」とアナウンスしたとき、障害のある児童生徒にどれほどの影響が及ぶかという視点が念頭にあったでしょうか。
学校は教育の機関でもあり、ある意味で安定した生活を実現しょうとする福祉の機関という側面もあるのです。
簡単に休校にせず、みんなが安心して学校に来ることができる体制をどう作るかという視点での対応に傾注するべきでした。
それが、障害をもつ子をはじめとして、すべての子が安心して過ごす生活につながるのです。
なぜなら、障害をもつ子がかかえる問題は、すべての子にかかわる問題が集中的に現れたものだからです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます