箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

よく話しかけてくれる先生

2019年11月14日 05時57分00秒 | 教育・子育てあれこれ











ふだんから生徒に笑顔で応対して、話しかける先生がいます。

そんな先生は、体の調子はどうかとか、家で何かあったのかとか、習いごとはどうかとか、いわゆる世間話を聞いてくれる先生のクラスは、居心地がいいクラスです。

そういった先生なら、体調が良くないときには、「先生、・・・」と訴えやすいですし、先生にとっても、ふだんからコミュニケーションを生徒ととっているので、生徒の体調不良を早くキャッチしやすくなります。

つまり、生徒は、落ち着いて、安心しながら、学校生活を送りやすいのです。

一方、そのようなコミュニケーションをふだんから交わしていなければ、体の具合が悪くても、先生に言い出しにくいものです。生徒はよほど悪くなって、「もうダメ」となってから言ってくるので、先生も早期に生徒の体調不良を知ることが難しくなります。

このように、どのように生徒から話を聞くかによって、教師と生徒の信頼関係はちがってきます。

また、経験上思うことですが、生徒に自分の経験や考えを話す先生は、生徒からの信頼を集めやすいことは、たしかなようです。

自分の失敗談やこうしてがんばったという話、最近の出来事についてどう考えているかを語るのです。

生徒と教師の年齢は、10年以上離れており、中には40年近く離れている場合もあります。年期の入った先生が語ると、「先生、それ昭和の話?」と生徒は言いながらも、けっこう聞くものです。

これは、教師の方から「自分を開いている」(自己開示)のです。生徒にすれば、先生というのはどういう人かがわかるので、親近感が増します。

一方、あまり生徒に自己開示しない教師は、生徒にとっていつまでも「知らない人」、「得体のしれない人」なのです。

自己開示して、自分のことをいろいろと話してくれる教師がいれば、生徒は聞いた話を自分と重ねて、「わたしの場合は・・・」で、時代を越えて、「ここはいっしょだ」という共通点を見つけたり、「わたしは先生とはちがっていて、・・・」というように思います。

そして、生徒によく話しかける先生は、特定の生徒だけでなく、誰にも公平に話しかけます。

無口な子、おとなしい子でも、にぎやかでおしゃべりな子と同じだけの思いと願いをもって、学校生活を送っています。

どの生徒とも、たわいもない会話ができる教師のクラスは、安定していて、みんなにとって過ごしやすいクラスです。

「どの子に対しても先生は同じように接してくれる。どの子も大事にしてくれる」と感じる生徒が多いほど、生徒同士の仲間関係も仲良くなります。生徒間に不公平感がないからです。

「わたしのことを大事にしてくれるのだから、あの先生なあの子のことも大事にしている」と、感じて生徒同士で不公平感が生まれないのです。

志して教師になった人なら、こんな当たり前のことができる人であってほしいと思います。



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