ケンメリレポート from ケンメリパラダイス

C110型スカイライン 通称”ケンメリ”にまつわるブログです。
ケンメリに乗ったり触ったりしたら更新してます。

それぞれの0311

2011年03月11日 16時19分38秒 | レポート
夜勤明け。
例によって帰宅後は居眠りこいていたわけだが、なにやらゆらーりゆらーり・・・

大きな地震でした。

さすがにパニックになり飛び起きていろいろ身構えるが成す術無く。
部屋のものは特に大きな倒壊や落下物もなく、落ち着いたタイミングで倒壊の可能性の有りそうなものを予め全部床に移す。

その中には当然部屋に鎮座しているケンメリのボンネットなどスペア部品も。

世間様の混乱ぶりは既にメディアにて周知されてるかもしれないが、まさか自分自身が生きてる間にこのような災害に遭うとは驚いた。もちろん可能性は0ではなかったのだろうが。

そして各地で電車が動いていない事態を確認する。
こちらは夜勤明けで戻ってきているが奥は仕事に行ったままである。
職場やらいろんな人の安否が気になるところだが当然のように電話はつながらず、下手したらメールもつながらず。

家着のままブルブル震えていたが、このままではいけないと普段着へ着替える。
着替えてからはパソコンとテレビの画面で情報収集。
そんな間にも余震が続き外へ退避するべきか判断に迷う。

そして、テレビで津波の映像がリアルタイムで映し出される。
ただ観てるだけしかできない魅力さになんとも言えないものを感じるが、どうしようもなく・・・

出来ることをしようと思い、とりあえず自宅で待機。
夕方日も暮れてきた頃にやっと奥と電話がつながった。
やはり電車は全てストップで奥も最寄り駅ではなく別の駅まで徒歩で移動することに。
合流場所を新小平駅として、救援に向かった。
道路状況は混乱の極みであり、なんとかWEB上で渋滞していないエリアを調べつつ、かつ裏道を駆使して迎えに行く。

多摩川沿いを走ると、夕焼け空の向こうに薄い線状の雲が。
それを横目に見ながら川沿いの道から裏道へ回避する。

府中街道に出る手前からかなりの渋滞に遭遇。
少しずつ進んでいるとうしろから救急のサイレンが聞こえてくる。
救急車でも消防車でもパトカーでもなく、警視庁の緑のトラックだった。
初めて見るなあ・・と思っていると、反対車線を疾走していった。

そして府中街道に出ると、先程のトラックが南武線の踏切前で横付けに。
南武線は踏切上で停車しており、その前を警察が封鎖していた。
その光景にも驚きながら、府中街道を北上。

なんとか国分寺あたりまで到達。
しかしそこから先が全く進まない状態に。
信号のタイミングを見計らって府中刑務所付近の交差点まで強引に進めて右折。
国分寺街道の方へ回避した。

国分寺街道の方も状況はさほど変わらないが、進み具合は幾分マシかもしれない。
途中、ガソリンスタンドを発見して給油。
この混乱で混雑しているかと思ったがそうでもなく普通に給油して再び国分寺街道を北上。
新小平駅まであと数km、空いていれば5分とかからなそうな距離だがかなりの時間が経っても進んだ距離は僅か。

自宅を18時頃に出て、新小平駅に到達したのはおおよそ20時過ぎ。
当然電車は停まっているが駅前改札口には何かを待つ人々、バス停(タクシー乗り場?)にも行列が出来ていた。
ケンメリを降りて奥の姿を探すが見当たらない。
一旦車内に戻って待機すること数分。
後方から奥が歩いてきた。

車内に乗り込んだ奥から汗の匂い。
この寒さの中で汗をかくほど歩いてきたのかと思うとやりきれない気持ちになる。
奥と合流した後、母からのメールを確認。
どうやら溝の口まで来たが、そこからどこにも行けず足止めを食らっているとのこと。

ナビの目的地を溝の口に再設定し再度救出に向かう。
あちこちに人影が多く、電車が止まったため道路を多くの人が歩いている。
人によっては横断歩道を無視して歩いていたり、黒っぽいコートで目立たなかったりと二次被害を出さないように慎重に走る。
しかしながら、合流などでは譲り合いが多く、こちらも何度も譲ってもらい、冷静なドライバーに頭が下がる。
そんなこんなで新小平駅から2時間以上かかって溝の口付近に到着。
交差点には多くの人が未だに歩いており、いつもの金曜日の夜とは違い徒歩で帰宅をする人々ばかり。
駅前へ車で向かうのは無理と判断し、ケンメリをコインパーキングに停めて駅へと向かう。

人並みに紛れて駅へ到着すると、そこにはタクシー待ちの長蛇の列があった。
一階、二階まで続いている行列に驚き、改札口付近の階段に座り込んで情報収集か、連絡をとっているのか携帯をいじってる人が多い。
既に22時を回ってかなりの寒さ。
メールで教えられた場所付近を捜索していると・・・行列の中に母がいた。

我々を視認すると涙ぐんでやってきた。
並んでいるうちに仲良くなった前の人と挨拶を交わして、行列を離れる。
長い時間寒空のもと動かずにいたせいか、足の感覚が鈍いらしく、歩速はかなりゆっくりに。
母と奥をケンメリに乗せて家へと戻ることになった。

夏は熱くて忍耐を要するケンメリだが、こんな日はフロアからの排気熱も歓迎されている。
自分の家族二人だけだが、なんとか救出することができた。
できれば並んでる人を家とは言えとは言わずとも最寄り駅、あるいは大きな乗り継ぎ駅まで乗せてあげたい気持ちはあるが、さすがに現実的ではなく。
溝の口から自宅へ戻る途中、ファミレスへ立ち寄る。

ケンメリを駐車場に停めて、やっとの食事に母と奥の顔がほころぶが、店に入ると店員さんがいない。
いないというよりは、少ない、少なすぎるくらいだった。

おそらくは地震の影響で交代の人が来ないか何かで若い女の子が一人で切り盛りしているようで、先に入っていた人は1時間も待っているとのこと。
ここで食べずとも死にはしないので、店員さんいプレッシャーを与えるよりは、と店を後にする。
地元付近に戻ってきたのは23時過ぎ。
本日は緊急対応で母も泊まることとなり、コンビニで軽く食料を買って家へと戻る。
テレビもラジオも未曾有の災害を報道し続けており、時折流れる緊急地震速報に身構えながら夜を過ごした。
コメント
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