La douce vie

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フィギュアスケート:NHK杯2020 村元・高橋組初戦

2020-11-29 | figure skathing、ice show
高橋大輔選手が競技スケートのアイスダンスへの転向を発表した時、恐らく、リフトとスピンが課題になるのではないか、と思っていました。

高橋大輔選手はアスリートとしては体が硬い方に思え、ペアで組むスピンの際にその硬さが難点になるのではないかと思っていました。

そして、何よりリフト。昔、村上佳菜子(当時)選手を陸でリフトした時にとても大変そうだったので、どの程度のリフトまでこなせるようになるのか?というのが、一番気になるところでした。

先日、練習風景のニュースを見たところ想像以上のリフトにビックリ。俄然、彼らの初戦に興味が湧きました。

それと、マリーナ・ズエワコーチの元で練習や振付をすることもワクワクするものでした。
高橋選手がシングルの時にはマリーナ・ズエワコーチの振付は縁がなかったですからね。


SD「マスク」
コミカルな動きで始まるプログラム。細かな動きもたくさん散りばめられていて、こんな凝ったプログラムを競技用に用意できたことにも驚きです。
村元選手のキュートさと高橋大輔選手の雰囲気はなかなかよいのではないかと思いました。
ツイズルの距離やリフトのスピードなど細かい点を挙げるより、ここまでのプログラムをわずか一年未満で競技で滑っている二人に驚嘆しました。
村元選手が大技の際でも落ち着いていて、このカップルのリーダーは彼女なのだとわかるし、演技の安心感や安定感は彼女が発しているのだと分かります。

FD「ラ・バヤデール」
美しいプログラム。
とても気に入りました。ツイズルでのミスはありましたが、初戦でこういうミスは悪くない、今後の課題がみえてよかったと思います。そして、高橋大輔選手という人は自分の映像を見た後の修正やクオリティの引き上げがすごい人だと思っていたので、


今回初戦を終えて二人のユニゾンがますます良くなるのではないかと、期待しています。
これほど、プログラムの陰で凄まじい肉体改造に思いを馳せたことはない。リフトのための肉体改造だけでなく、ユニゾンのための練習。

(そういえば、モロゾフコーチにつき始めた頃、アイスダンサー用のエッジを使っていて、モロゾコーチにシングルスケーター用のエッジに戻すよう言われて、ジャンプの安定を取り戻した、というようなエピソードがあったような)

La douce vie : figure skating. ice show 2016-2020

2020-06-27 | figure skathing、ice show
この5年で私の中で特筆すべきは「氷艶」ですね。

2回行われましたが、どちらも楽しみにしていましたし、観る機会がきたらすぐにみました。

フィギュアスケートと異種芸術との交流!面白かった。アイスショーほどの技術を見せなくなりますが、1つの物語を氷上で追う楽しさ!そして、氷艶を見るからこそ、アイスショーでスケーターの本来の能力を観る機会も欲しくなりますし。それから、日本人スケーターが競技人生を終えた後にプロを目指す門を広げた気がします。

今後も氷艶が定期的に公演が見られると嬉しいです。
でも、敢えて言うなら、日本の伝統の物語という枠にこだわらなくていいかな。話や衣装、音楽で制約が多くなるし。

それから、フレンズ・オン・アイスがこれだけ長く続いたことが素晴らしいことだと思う。
あの、小さな会場で、あれだけのキャストが集まること。そして、ベテランスケーターの演技を間近で見たことで、スケーティングの良さというものが、体感できる瞬間があったのもフレンズならではかな、と思います。ファンになりました。
荒川さんが常に正しいプライドの持ち方で高い技術を維持し続けたこと。他のキャストもそうですが、現役を引退してある程度の技術を維持するのって大変なことだと思います。
そして、国内外のスケーターに敬意や友情を忘れないことで、相手からも敬意や友情が返ってきたことがこのショーが長く続いた理由ではないかと思います。
出産後もショーに戻った国内外のスケーター。いったん、ショーに出ることを辞めた田村さんが荒川さんのために戻ったこと、出産直後にフレンズに出演できないかとお医者さんに相談した中野さん、そういうエピソードからフレンズに対するスケーターの思いが伝わります。

 

 

アイスショーではありませんが、ゴージャスな衣装を間近で見る機会があって、嬉しかったです。

 

ここ2年のフレンズ、冬の新しいアイスショーをビデオに撮ってあるのですが、なかなかすべてを見ることができません。でも、いずれ見るつもり。




クリス・リードのご冥福をお祈りいたします。
素敵な演技の数々をありがとう。

フィギュアスケート:全日本の高橋大輔選手と宇野選手

2019-12-27 | figure skathing、ice show
全日本の二人の演技を結果を知った後に観ました。

二人だけしか見ていないので、言及は二人だけになります。

宇野選手

SPは面白い選曲。エネルギーの塊のようでした。

FSは宇野選手に合った曲調。いや、表現の魅力的な選手なので、どのプログラムも素敵ですが、体に音楽が吸収されて、エネルギーにして体から音楽が流れ出すようなタイプの曲だと感じたんです。
完全な演技ではなくても、素敵でした。優勝おめでとう。

高橋選手


SP

ジャンプは調整が間に合わなかったのだろう、と感じました。現役に戻る発表があった時から、こういう可能性は分かっていたので、残念であっても、大きな衝撃は受けませんでした。ただ、結果の字面の印象より、演技の印象はよかったです。

FS
昨年、完成形が見たい、と思い、今年も滑ってくれたFS。でも、全日本が最初で最後とは。でも、この洗練された動き。2005年のロクサーヌとラフマニノフ。あの頃からジャンプや結果でなく、彼の動き、演技、プログラムの世界観に魅了され続けているのだとつくづく思う。



あまりにも、シングル最後というのが強調されていて、びっくり。

今年、氷艶を見て、涙する髙橋選手に「果たして、この後、競技でこれ以上の充実感を味わうことができるのだろうか?」と頭を巡らすものがあったので、アイスダンスに転向することは驚きましたが、これから、長くスケートをするのであれば女性をリフトできるようになれば、より、彼の世界が広がると思っていたので、肯定的に受け止めました。ただ、そのリフトがどれくらいできるのか、というのがアイスダンスをする上で一番大変な部分じゃないかと思っているのですが。(恐らく一番ネックになりそうなパート)

氷艶 hyoen2019 -月光かりの如く- 

2019-09-04 | figure skathing、ice show

前回の氷艶を観た後に、アイスショーの広がりを感じ、歌舞伎とのコラボが可能なら、ミュージカルとのコラボも可能なのではないか?と思っていました。

でも、私が思いつくミュージカルというのは劇団四季。元宝塚の男役トップスターの柚木さんのキャスティングに、「宝塚とフィギュアスケート、合う!」とものすごく感心し、西岡徳馬さん、福士さん、波岡さんと活躍されている俳優さんのキャスティングに驚き、男子新体操のBLUE TOKYOのキャスティングにすごく楽しみ!これぞ異種交流!と心踊らされ、ずっとずっと見たかった氷艶。やっと、観ることができました。

日本が舞台ということで、衣装が美しいのは室町か平安あたりかと思っていましたが、源氏物語ときたか!ただ、ストーリーに関しては洋のミュージカル感。源氏物語のキャラクターを利用した新しい物語です。

光源氏の高橋大輔を取り巻く、恋、兄弟の愛憎の物語。

荒川さんは以前、空蝉のプログラムを滑っていたし、イメージとしては明石の君なんだよなぁ。ただ、悪役としての弘徽殿は美しさと怖さと気品が両立していて魅力的でした。いつも大道プログラムを求められる荒川さんが氷艶ではいろいろな挑戦を楽しんでいることが感じられます。それから、台詞の声の出し方に迫力がありました。織田君の陰陽師もトリッキーで面白かった。こういう名実共にある2人が潔く悪役を演じて物語の魅力を増すことで、若いスケーター達も演技の幅とか与えられた役を楽しむことを理解できるんじゃないかな?

頭中将が福士さん、長道を波岡さんが演じることで、光源氏サイドと対立する弘徽殿サイドのそれぞれに演技や物語を支える太い柱となって支えてくれています。それだけでなく、お二人はスケートも器用にこなし、アイスショーと舞台を中和する存在ともなっています。この二人のキャスティングが1つの物語を作り上げる大きな存在だったと思います。

チームLABOのプロジェクション・マッピングもアイスショーとの相性がよく舞台設定ごとに美しい世界を見せてくれました。

ステファン・ランビエール。もう、佇まいだけで美しすぎて、台詞の必要がありません。和の衣装すらお似合いです。ユリア・リプニツカヤとの森?のシーンはまるでバレエでした。ちなみにユリアに黒髪の鬘をやめさせ、地毛のまま演じさせたのは英断だと思います。アイスショーは銀のロマンティックの世界ですから。

きっと、帝は「ワシと弘徽殿の子供だから美しくて当然じゃが、なんか、ハンサムすぎて朱雀ってより、ステファンじゃね?光源氏の方が親しみを感じる顔だな」みたいな気持ちになったに違いない。弘徽殿にしてみたら「こんな完璧な子供を産んだのに!!」と怒るのはごもっとも。なんていらない想像をしてしまう・・・

ステファンとユリアの参加はすごく大変だったと思う。彼らに対して、英語で説明があっただろうけれど、ほぼ日本語で進行していく合宿についていくのは苦労があったろう。

後半、島流しにあった光源氏は海賊の頭領と出会う。ここで、柚木さん登場。ミュージカル調になっていきます。しかも、男役のトップスターだった方が男として育てられた女性という役柄。これは柚木さんファンだけでなく、宝塚体験をしてみたい人にも嬉しい配役。幕の内弁当みたいですね。

柚木さんの部下として村上佳菜子ちゃん、奮闘!スケーティングで海賊のにぎやかさを盛り立てます。(高橋君、荒川さん、村上さんに台詞があり、織田君、鈴木さんに台詞がなかったのは所属事務所やアイスショーとして派遣した契約の問題なのではないかと思っています。)

ミュージカル調とも違う平原さんのONE AND ONLYの歌声も贅沢の一言。平原さんも歌だけでなく、演技、スケートと大奮闘でした。

それまで、高橋君や荒川さんの台詞があることにも衝撃だったのに、歌まで歌いだします。高橋君の歌声は素直で伸びがあり、彼の歌声に合わせた素直な歌だったような。宮本亜門さん、のせ上手だな!

クライマックスでの殺陣シーン。スケートと殺陣は速さがあり、ダイナミックで見応えがある。そこへBLUE TOKYOのアクロバティックな演技も加わり、大きなリンクいっぱいに広がりを見せます。氷の上でのタンバリングはマットの上と違い、しかも、照明も変わっていく、かなり緊張するものだったのでは?

そして、何役もこなした俳優、ミュージカル俳優、スケーターの方々。場面設定に膨らみをもたせてくれました。私のお気に入りの庄司さん、女優さんも経験されているし、光源氏の恋の相手にしたいくらいでした。村元さんもアイスダンスで培った表現でもっといろいろな役を任せられそう!

今回の氷艶も面白かった。フィギュアスケートとベタな設定の舞台って合うな。まだ、始まったばかりなので、いろいろ試したり、大道の物語を使えたり。

ただ、最初の氷艶-破沙羅 -の存在の大きさを痛感します。物語とアイスショーの融合、平面だけでなく、縦空間を使った演出、荒川さんの悪役。最初に思いついた松本幸四郎さんはすごい。そして、さらにスケールアップさせ、スケーターに次の挑戦をさせた宮本亜門さんもすごい。今回はそれに加えて、観客席に入り、会場を盛り上げる和太鼓チーム、会場での盛り上がりを感じられます。

ショーが始まる前に台本読みで高橋君が悪戦苦闘している姿を見て、スケーターが台詞まわしで悪戦苦闘したり、俳優がスケート靴をはいて上達していく姿、BLUE TOKYOが氷の上でのパフォーマンスで悩む姿を「笑ってコラえて」あたりで何度か放送したら、他の都市をいくつかまわる公演になったかもしれない。

この公演は物語そのものを楽しむだけでなく、それぞれの分野でトップに立った人たちが異文化交流、異種格闘を奮闘し努力する姿が陰にあることを感じる舞台だと思うから。

 このシリーズ、「日本」がテーマ。次にやるなら、「八犬伝」はどうだろう?面白いストーリー。衣装もユニークなものにできそうだし。ふと思いついた。


フィギュアスケート全日本選手権の高橋選手と宇野選手

2018-12-27 | figure skathing、ice show
ショートプログラムの3Aのラウンディングが危うかったのを見て、3試合目でも緊張をコントロールするのは難しいのだな、と感じました。

このSPで、2位についたことで、かなり高い確率で4Tを入れるだろう、と憶測。4Tを入れなければ、ある程度まとめる演技ができ、表彰台に乗る確率が高くなる。高橋選手はそれを良しとしなかったのではないかと。表彰台に上ることが今回復帰の目的ではないし、宇野選手は別格ですが、若手選手が食らいついて欲しい、そして、アスリートとして、なるべく宇野選手との差を詰めたいという欲もあるかな…。まぁ、人は自分にとって都合のいいストーリーを考え出してしまうもの、私の勝手な憶測です。


FS。最初の踏切りでタイミングが合わなかったのか、3Tに。その後は少しプログラムを通すバランスを崩したように思えました。
ちょっと、カメラワークが…。最初は真正面から撮って欲しかった。あの肩や肩甲骨のラインの動きが見えにくい!サーキュラーのステップも途中途中、雑誌の切り抜きのように美しいポージング、角度がちょっと残念。フィギュアスケートってカメラワークも重要。
後半の音楽で手拍子が起きそうなメロディがあるんですが、手拍子起きないんですよ、手拍子大好き日本人なのに(笑)きっと、みんな、最後まで滑り切れるか心配。今回は西日本の時と違って、最後のステップに繊細な気遣いが出来ていた印象。あっという間だったな。


結果的に2位。世界選手権辞退は特に驚きませんでしたし、彼の言うことが第三者としてもファンとしても理解できるものでした。

それと、全日本まで、プログラム全体を滑り切る体力というか、作品の完成度というか、に、満足出来ないなら、現役を続行するのではないかという予感。これも勝手な憶測です。


今回も順位や演技に一喜一憂することはありませんでした。心が氷の上に戻ってきている様を感じられる事が嬉しい。FSの完成形を見たい気はあるが、それは世界選手権である必要は感じず、アイスショーでも来シーズンの地方予選でも、私にとってはどこであっても構わないのだ。




宇野選手

素晴らしいSPとFSでした。技術が凄いのだけれど、彼はそれを芸術作品として、まとめ上げることができる。美しい調べを技術の犠牲にせず、音楽の中に溶け込む。当然の結果だけど、優勝おめでとう!子供の頃から知っている選手ですが、すっかり、世界のトップの風格が身についています。演技だけでなく、氷を降りた後の態度ま含め。

実は放送で直接見ることができたのは、宇野選手のSPの演技だけ。あと、6分間練習でした。
練習のステップで少しバランスを崩し、顔を歪めていたので、心配でした。もう、演技を楽しむという気持ちより、怪我の状況、宇野選手のジャンプ構成での着氷の負担の大きさを思うと、正直、棄権した方が良いのでは、と。
捻挫を押しての演技。足の踏ん張りがきかない中、難易度の高いジャンプを次々と降りる彼の4回転ジャンプの習得がこれほどのものかと驚嘆しました。

医師の見立て、コーチとの相談、最後は自分の意志と、明快な状況報告。
メディアに対する受け答え、賢い選手だと本当にいつも感心します。
ただ、前に書いたこともある、正義感が強すぎて、怪我をしないか心配、今回で言えば怪我が深刻にならないか、心配です。スケート関係者は競技に関してもアイスショーに関しても宇野選手のこの部分に甘えている、と私は思ってしまう。
競技でもアイスショーでも宇野選手の演技を1つでも多く見ることができるのはファンとして嬉しい。ただ、自分をすり減らさないように、と思えてならない。

小塚君がGPF後に試合の狙いを定めるよう、一見厳しいようで、思いやりのある記事がありました。トップスケーターとして活躍していた小塚君だからこそ、宇野選手に対して見えるところもあるんだろうな。

ただ、宇野選手がこういう人柄だからこそ、応援したくなる、という矛盾した気持ちも(笑)

話は移りますが宇野選手はいつも選曲に感心するというか、宇野選手に合う曲を本人も振付師もよく分かっているな、と感心します。衣装も素敵です。



男子も女子もビデオに録画はしてあるんですけど、見どころがありすぎて、まだ、手をつけられません。しばらく、見ることができないので、今回は二人に絞りました。
2004年から黄金期を迎えた女子の百花繚乱の再来を見るのも楽しみ。またどこかで、書く機会があれば。

フィギュアスケート:西日本選手権、高橋大輔選手、レジェンド・オン・アイス他

2018-11-14 | figure skathing、ice show
ちょうど、陸上の末續選手の特集をみたところなので、そのことを思い浮かべながら見ていました。

第一線で活躍していた頃のイメージで能から指令を出しても、体がついていかなかったり(その結果、怪我につながったり)とかがあるのかな?とか。

ただ、現在の末續選手は充実しているように見える。彼のまわりには伸び盛りの若手が集まり、相談にくる、それに的確なアドバイスを与えることも喜びではないかと思う。

SP:シェルタリング・スカイ

衣装が(←まず、それ?)色は空色でいいんです。よく晴れた砂漠の空って宇宙まで透けるような濃い青だったりするイメージ。でも、形がうーん、ビートルズメドレーを思い出すんだよなー。前回のは色がリンクに溶け込んじゃうので、違う色だったら、どうかな?と思ったんですが・・・。

シェルタリング・スカイ。私の中で高橋選手のSPというのはヒット曲を連発しているミュージシャンのシングル曲でFSはアルバムの最後の曲、というイメージなんですけど、シェルタリング・スカイはアルバムの中にある曲の1つ、というイメージで、今までの高橋選手のアプローチでない、だけど、選手生活でやっておかなければならなかったところだったような気もするので、これはこれでよいと思います。

FS:PGG

滑り出す前の最初の数秒のパフォーマンス。なんて、魅力的でなんて雄弁だろうと思う。動きの1つ1つがよい意味での引き、洗練されていると思う。バチェラレットの頃の動きと比べると、なんて柔らかい。手袋のお陰で腕から掌、1本1本の指先まで動きがくっきり見える。エレガントで柔らか。

ジャンプは前回よりも噛みあっていたようですが、確かにジャンプのまわりだすタイミングが変わっている。実は以前のジャンプの形や描く放物線が好きだったので、変わったらいやだな、とちょっと思っていましたが、変わっても嫌な変わり方じゃなくてよかったです。

ステップが進む方向や溜めが今までの振付師の誰とも違って、興味深い。

ステップ後、後半、体力的に厳しそうな印象。
おそらく、ステップにこれだけ時間と体力を使っているスケーターはそういないのでは?でも、高橋選手は敢えてそれをやりたいのだろう。体力が残っていたら、最後のステップももっと違う世界が広がりそう。(こんなもんじゃないでしょう?)

作品性を全面に押し出しながら、技術的に今のルールに対応している「理想のプログラム」それをやらなければ、現役に復帰する意味もないのだろう。
引退前の彼を想像して、右肩上がりの成長を思い浮かべてしまいがちですが、現在の体との対話はどのようになるのか、末續選手を見て、改めてそのことも肝に銘じなければと思いました。

近畿ではジャンプが決まらずにいたけど、引退前のような気持ちになることもなく、今回、優勝しても、やはり、引退前の頃のように成績に一喜一憂することはなかった。当時、何故、それほど成績を心配したかというと、素晴らしいプログラムを滑っているのに国内外での注目があまりされていなかったから、ジェフやステファンのような存在になってもらいたいと思っていたからたと思う。それはもう既に果たされたので、今は応援というより、ただただ、プログラムを楽しみたいのだと思う。
結局、私はこのプログラムの魅力にヤラれて、より、完成された演技を待ち望んでいるのだ。



レジェンド・オン・アイス(順不同…順番忘れました)

NHK杯の特別企画。レジェンド・オン・アイス。伊藤みどりさんによると急遽決まったとのことですが、さすが歴戦のツワモノ達です。それと、最近、日本のアイスショーでも素晴らしい日本人スケーターがたくさんいるにも関わらず、日本人プロスケーターが出演する枠が少ないことを残念に思っていたので、こういう企画はウェルカムです。

本田さん:本田さんといえば、アランフェス、やっぱり素敵です。フレンズで見ているので、分かっていますが、本田さんがいまだにこれだけのスケートをされることにびっくりされる競技ファンの方もいらっしゃるのでは。

川口さん:川口さんのSWAN懐かしい。スミルノフ選手が大きかったので、小さな印象でしたが、一人で滑る川口さんはのびやかでたおやかでした。そこへ、本田さんが。リフトとスロージャンプを披露。短期間でここまでしてくださったのは、川口さんと本田さんのスケーティングと人柄のお蔭。

鈴木さん:ステップの見どころがあるプログラム。競技プログラムなのにショーでみても素敵ですよね~。

織田さん:一番好きなプログラム、一番好きな衣装。ジャンプとスピンでミスをしたのは、調子が良すぎたからではないかな?と、思いました。あと、鈴木さんの話で気が付いたのですが、NHK杯独特の競技の空気にショーなのに、競技感みたいなものを呼び覚まされてしまったのではないかな?せっかくなので、この後のアイスショーでも滑っていただきたい。10年前、2008年のNHK杯観に行きました。優勝したのが織田選手でした、10年後もこんなに素敵なスケーティングをしてくれて嬉しいです。

高橋選手:「シェルタリング・スカイ」なんとなく、NHK杯に参加してほしいという要請の折衷案として、このショーに参加、ということになった気がします。おまけにマンボ。10年前の2008年、観に行ったNHK杯に高橋選手の姿はなく、その後、彼の怪我は当初よりも深刻なものでした。10年後、選手としてまだ、彼の演技に魅了されているとは。。。

荒川さん:トゥーランドット。スパイラル、イナバウワー、ジャンプがなくても一蹴りで映える風格あるスケーティングは特別です。(第2子ご出産おめでとうございます。)

伊藤みどりさん:伊藤みどりさんに一際大きな拍手を送るお客さん、急遽準備したとのことでしたが、シングルアクセルも跳んでくださいました。私も子供の頃見ていたフィギュアスケートと言えば、伊藤みどりさんとNHK杯。やはり、格別な方です。

チーム酉年。さすが、年の功で話上手になっています。伊藤さんが気さくに後輩スケーターに話しかけるのも、荒川さんが常に伊藤みどりさんに最大限の敬意を払うのも、本田さんが日本選手だけでなく世界の選手への応援もお願いするところも、NHK杯という日本で行われる国際大会への感謝も、これから活躍するスケーターがこの話を聞いていて、他者をいたわる気持ちというものを持つことを心の片隅に覚えていてほしい。

今回の企画、第二弾、第三弾とかできそうなほど、日本の選手層が厚い!佐藤信夫コーチ!佐藤有香さん、田村さん、村主さん、太田由希奈さん、安藤さん、小塚崇彦さん、浅田真央さん・・・!まだまだ、もしかしたら、スケート界から離れてもスケートを続けているレジェンドがいらっしゃるかもしれないし!




「あいつ今何してる?」

小塚夫妻登場。
小塚君がトップフィギュアスケーターでありながら、学校生活を楽しく過ごしていたことが伺えます。顔面にドッジボールをぶつけられて、忘れている心の大らかさ(フィギュアスケーターなのに)。高いレベルにあった野球選手、サッカー選手のクラスメートも。そう、小塚君はいつも他競技の友人とアスリートとしてお互いを認め合っているところが素敵だと思う。(そして、器用すぎる小塚君が他のジャンルのスポーツか何かに奪われてしまわないか、今でもちょっとひやひやしている。

フィギュアスケート:高橋大輔選手復帰戦

2018-10-11 | figure skathing、ice show
先日、フィギュアスケート近畿選手権が行われ、高橋大輔選手が競技復帰を果たしました。

練習映像の断片だけ見るだけでも、素敵なプログラムそう!と、わくわくしていました。
でも、いざ、試合が近づくと、忘れていた競技へのざわざわとした気持ちが現れてきて・・・。とにかく、周囲の雑音に自分が惑わされるのが嫌だな、純粋に楽しみたいな。
私はプログラムを楽しむことに専念しよう、と決めていました。

技術的な面に関しては本人が体の現状と対峙して、やっていくことだと思っているので、私は作品について感想を。

SP「シェルタリング・スカイ」
「シェルタリング・スカイ」と知った時は正直、がっかり。私、この映画、映画館で観た記憶があるのですが、好きじゃなかった。曲もあんまり…。映画の印象のせいもあるのか。でも、ふと、もしかして、この曲を好きにさせてくれるかもしれない。VASや「ブルース…」みたいに、彼の表現で音楽の良さを教えてくれるんじゃないか、という期待が生まれました。

デビッド・ウィルソン氏の振り付け。ジェフが滑りそう。リフレインのように続くメロディ。もしかして、デビッド・ウィルソンはこの曲でフリープログラムを作りたかったのかも、と、ふと思う。
今までの高橋選手のSPは印象が濃いものが多かったけれど、これはさらりとしている。さらりとしているけれど、切なさやふとした色香を残す。緊張からか体が動いていない印象なので、これから先どうなっていくか楽しみ。


FS「ペール・グリーン・ゴースト」
これだけ、ミスが続く演技はざっと思い出す中ではNHK杯の「道」以来かな??ただ、その時の心配よりも、同じ年のフィンランディア杯の「道」この時も調整が間に合っていない印象を残してものの、プログラムを見る楽しみな気持ちが勝ったことを思い出します。ミスが続いても音楽の曲想を支配し続ける、それが、彼の類い稀な能力の1つである。

ラフマニノフの「鐘」の現代アレンジであるこの曲に演技も情感のあるエレガントな動きと洗練されたダンスが融合されている。「SWAN LAKE」のリショー版。振付師の若さと野心が伺えます。
ただ、SP同様、緊張と調整が遅れた影響からくる体力不足からか、本来の彼の持つスケーティングが影をひそめ、滑っていない。この先、もっと壮大になるだろうこのプログラムが楽しみ。

それから、衣装もすごく好み。ジャケットのラインはどこもかしこもカッコイイ。あの手袋のライン、あそこまで緻密に計算するんだ。


2つの作品の「デッサン」の状態を見て、その「デッサン」がとても気に入った、というところです。
油絵なのか、水彩画なのか、彫刻なのか。彼がどんな色に染め、どんな肉付けをするのか、すごく、すごく楽しみです。

高橋選手には最初に現役復帰を決めた原点を忘れず、外からの雑音に惑わされず、自分のスケートをしてほしいです。

フィギュアスケート:デニス・テン選手逝去

2018-07-22 | figure skathing、ice show
最近のニュースで、明日も続くと思っていた日常を突然奪われた方々を思うと打ちひしがれるような思いが続いました。

デニス・テン選手のニュースもとても受け入れ難いニュースでした。

デニス選手のスケートがトップレベルだと認識したのはバンクーバーシーズンの前の年あたりから。

技術的に上手いだけではなく、音楽表現にも力を注いでいる選手でした。

「死の舞踏」や「アーティスト」素敵なプログラムを沢山披露してくれました。

日本のアイスショーにもよく出演してくれたし、日本のスケーターも呼んでくれました。

バンクーバー五輪では小塚君がキスアンドクライからデニスにエールを送っていたこと、カザフスタンのアイスショーで高橋君と打楽器対決をして敬意や友情を示してくれたことも、デニスと日本人スケーターとの交流を知る素敵なエピソードです。

デニス・テン選手のご冥福をお祈り致します。

フィギュアスケート:高橋大輔選手競技復帰へ

2018-07-13 | figure skathing、ice show
青天の霹靂とはまさにこのことかと思うようなニュースでした。

まったく予想していなかったし、申し訳ないけれど喜べなかった。。。

ただ、本人の記者会見の言葉を読んでみると、それはもしかしたら本人の意図と少し外れているのではないかもしれないけれど、「あぁ、なるほど」と思うことができました。

引退後の彼の演技を見ると、素敵だけれど、演技をするたびに力を失っていくような不思議な感覚に襲われていました。それを解決するのは「時」しかないのでは。。。と、思っていたのですが、彼は私のような凡人には到底思いも付かないような「答え」を導き出していたのでした。

決定するまでには悩んだろうし、躊躇っただろうし、ただ、会見に臨んだ高橋選手は久々に「力」を取り戻したようないい顔をしていました。

あぁ、これで彼は戻ってくるんだ、と。

そして、なんといっても、彼の演技のファンである私は心配の中で、高橋選手の演技が競技という制約の中でみせる芸術、あれをまた見ることができるのだ、なんという誘惑。と思ってしまった。

SPはデビッド・ウィルソン氏。VAS好きなんです。そして、ウィルソン氏は織田選手のセビリアや小塚選手のインナー・アージなど、タイプの違うスケーターにもはっきりと絵の見える「作品」を作ってくれること、太田由希奈さんの「ラ・ワリー」荒川さんの「ア・モメント・ライク・ディス」のようにプロに対しても創作の手を緩めず、素晴らしいプログラムを作ってくれるところも好きなんです。

FSの振り付けの方は、すみません、存じ上げなくて。でも、カメルレンゴ氏を指名した時のようなわくわく感があります。

正直、ビートルズメドレーは好きじゃなかった。そして、彼の競技生活の最後も悲しかった。

過去は変えられないけれど、最後を変えることはできるのだ。と、思った。そこにはなんの保障もないのだけれど。

そして、その先にプロスケーターとしての彼が戻ってくることを期待している。



ちなみに、いまさらなんですが、せっかくなので、五輪シーズンにところどころ見たほんの少しだけですが、スケーターの感想を。(シングルとペアはほぼ観ていないんですけど)以下、追記あり。

・宮原選手の五輪。申し分ない演技とはこのこと。ジャンプ、スケーティングの技術、スピン、演技中のスピード感。そして音楽表現。かつて、五輪でここまでの演技ができた選手がどれほどいるだろうか、と思うほど。

全日本の女子は2004-2006年あたりの蠢きを感じるような、誰が表彰台に立つか分からない、わくわくした大会になりましたね。2005年の全日本女子は競技スケートの面白さを感じた試合だったので、そのような楽しみが味わえるのではないかと思い、久々に女子を見ました。

・本郷選手の全日本SP。本郷選手がここまで演じ切るとは、という鳥肌が立つ演技でした。

・樋口選手、紀平選手。活字でみる彼女たちのイメージはいわゆるジャンパー系選手なのかと思いましたが、動きも美しく、演技も魅力的でした。樋口選手はロシェット系と感じました。

・本田真凛選手。さすが、濱田コーチ門下生。技術だけでなく、表現力まで行き届いた演技をするスケーター。

・男子、宇野選手。なんというか、競技を見るのが嫌で嫌で、宇野選手は好きな選手だということは分かっていたのですが、競技で見る気力がなくて、彼の演技がいいらしい、という演技はチェックしていました。五輪プログラムのSPが四季冬、と知った時、ステファン、パトリックの記憶が強いので「あかん、シルバープログラムだ」と思い、FSは「トゥーランドット」と知った時、嬉しいけれど、新しいプログラムを観てみたいとちょっとだけ思いました。
責任感強すぎて、無理して大きな怪我をしないように・・・。

・アダム・リッポン選手。SPを見たときに、もともとアーティスティックなスケーターでしたが、過去の彼との違いを感じて、演技が終わるころには、それは「体幹」を鍛えたことにより、体の可動範囲が広がり、今までの制約以上の動きを手に入れたのではないか、と感じました。彼のPCSがどう推移しているかは知りませんが、芸術性の好みは千差万別ですが、こういう目に見える違いを見せたスケーターにポンと数字を上げれば、理解しやすいんだけど、と思いました。FSの鳥さんも素敵でした。

平昌五輪 アイスダンス

2018-02-26 | figure skathing、ice show
久々に競技の話題。

小塚選手が引退した後は、競技観戦は遠ざかっていました。どうしても、あのドキドキが苦手なのですよ。
ただ、アイスダンスは見ました。2007年のシニアデビュー以来テッサとスコットに思い入れはあるけど、彼らにとって一番重要な五輪で一番好きなSDとFDのプログラムで金メダルは取っているし、パパシゼも素敵、だから、あんまりドキドキしないですみました。

アイスダンスを意識して見るようになったのは、2007年の東京ワールドで、デンコワ/スタビスキーのリベルタンゴと7つの大罪、デュブレイユ/ローゾンのAT LASTのプログラムが気に入ったのが、きっかけです。デュブレイユ/ローゾンはコーチに。時の流れを感じます。たしか、テッサとスコットはその2007年の東京ワールドでシニアデビュー。彼らの最後の競技を演技みるために、久々に競技を通して見ました。

ヴァーチュ/モイヤー組
ずっと大好きなカップルで、バンクーバーで早くに金メダルを獲得して、このまま若くして引退したら、残念だと思っていたのですが、長い現役生活を送り、素晴らしい競技プログラムを数々披露してくれたことに感謝しています。
今回は団体戦で試合(ジャッジ)の方向性が見えて、余裕を持って演技をしているように見えました。さあ、我々のショーの始まりだ、と言わんばかりの演技。FDのムーランルージュのはじめのテッサが後ろのスコットに背面でジャンプするあのポーズ、すごく素敵。
好きな選手が長く活躍する姿を見ることができるのはファンにとって、とても幸せなことです。

パパダキス/シゼロン組
このカップルも好きです。二人のスタイルに合った選曲「月の光」。流れるようなプログラム。技から技へというより1つの流れの中で演技に要素が溶け込んでいます。小塚君の競技キャリア最後の数年に見せたスケーティングと音楽の融合を感じる魅力。彼らはこのスタイルを貫き通して欲しい。


シブタニ兄妹組
直前の全米選手権で2位になった時、ベルアゴのことを思い出し、母国の後押しを得られないハンディのようなものを感じたのですが、SDで僅差の4位。FDもベストを尽くし、メダルを獲得。五輪で金メダル候補でありながら、表彰台に上がれなかったたスケーターも多くいる中で、稀有なケースだと思う。実のところ、競技としてのドキドキやハラハラはシブタニ兄妹に一番感じでいたかもしれません。
美しいスケーティング、正統派でアジア系として兄妹として好ましく思える表現、洗練された音楽を捉えるセンス、美しくどの組よりシンクロしたツイズル、素晴らしいリフト、好きなカップルです。

カッペリーニ/ラノッテ組
この組も好きです。
東京ワールドで金メダルを獲得して以降、順位を落として苦しい4年間だったと思います。
ずっと、彼ららしいドラマチックプログラムを貫いてくれてありがとう。やっぱり、私はドラマチックプログラムが好き。
ルカがちょっとツイズルでミスをした時にあぁ、やはり五輪は緊張するよな、と、つくづく思ったものです。

ウィーバー/ポジェ組
このカップルも好きです。いつも日本に来てくれて、サービス精神がある。テッサとスコットが休養している間、カナダの新しいエースとして嘱望されていたのに、テッサとスコットが戻ってきて、成績も伸び悩んで、カッペリーニ/ラノッテ組同様、苦しかったと思う。

村元/リード組
村元さんのチャーミングさ、クリスの豪快なリフトが気持ちよかったです。ツイズルの距離感もなかなかで、カップル結成から短期間でよくここまできたなたと思います。