La douce vie

sweetsや美味しいもの,雑貨,映画,art,音楽,本,マンガ,スポーツ観戦,ice show,旅行等ゆるブログです

フィギュアスケート世界選手権:宇野選手世界王者!坂本選手世界女王、りくりゅう銀メダル

2022-03-28 | figure skathing、ice show

今回の世界選手権はコロナ禍の中、有観客、歓声okで、例年より日本人ファンが少ないため(←悪い意味で捉えられたくないのですが)ヨーロッパの反応をダイレクトに感じました。日本の国境を振っている観客もよく見れば、欧州の方が多く映っていました。彼らの選手達の成長を楽しみ、どの国のスケーターにも同様に温かな反応が嬉しかったです。

宇野選手

SP今季最高の出来。

ジャンプの回転がいつもより早く感じる。この美しいプログラムが彼の世界王者プログラムとなってくれたことが嬉しい。宮本賢二さんが宇野昌磨というアーティスティック・アスリートのマスターピースと呼ぶに相応しい仕事をしてくれたことが嬉しい。

どの場面を切り取っても美しいこのプログラム、今回私は100点満点中、98点だと思います。演技自体は120点ですが、衣装が私のお気に入りのグレーではなかったこと、最後の腕を胸に当てる振り付けをすぐやめてしまったこと(ガッツポーズ自体は見ていてこちらも嬉しい)あの、胸に手を当てる振り付けは素晴らしい芸術作品を見た後の観客のため息の余韻のためのものでもあるのです。友野選手が溜めがなかったことを指摘してくれて、嬉しい。

FS

4LO4Sを綺麗に決め、4Tのあと少し足が引っかかったように見えた時はヒヤッとしましたが、落ち着いていました。

3Aはその印象を払拭するような美しさ、3連続がうまくいかなくても、思わず照れ笑いが出る心の余裕。11つのジャンプが決まるたび、大きな歓声がおき、フランスの観客もまた宇野選手というスケーターの成長を見守ってきてくれたのだと思いました。

最後のステップで宇野選手の見せ場はここでもあると知っているという観客の歓声が嬉しい。

最後のポーズはステファンも一緒。

コーチになる前から宇野昌磨というスケーターを愛してくれたステファン。そのステファンに世界王者のコーチ兼コリオグラファーの称号というこれ以上ないお返し。

それとこのボレロの衣装はおニューですか?前も来ていましたか?ボレロがよりボレロっぽいです。

(洋服の名前のボレロの方の意味)演技も素晴らしかったせいか、今回の衣装の方がより好きかも。

小塚元選手が引退した時にもう競技フィギュアスケートを見るのはいいかな、と思っていたのですが、宇野選手だけは気になって、宇野選手だけは演技を見続けてきました。

宇野選手の努力や彼が観客に与えてくれた芸術的プログラムにこのようなご褒美が与えられ日がきてくれて嬉しいです。

記者会見でも、そういったプログラムに対する質問や感想があったのも嬉しかった。

宇野選手はノービスの頃から注目されるほどの表現力のあるスケーターなのに、こうしてタイトルを取った後にステファンや高橋大輔選手を目標する、という謙虚さ。ステファンや髙橋選手も本当に喜んでいることでしょう。

鍵山選手

このSPいいですね。ジャンプやスピンの要素だけではない、楽しいプログラム。彼の若さにも合っている。

金メダルが見えるところにあったと思うのですが、鍵山選手も高難易度のパッケージ。なかなか、いろいろなコントロールが難しかったのかな?と思います。なんにせよ、鍵山選手の前途は揚々に思えます。

友野選手

SP

誰もが予想しなかっただろうピンチヒッターで素晴らしい演技。友野選手も表現まで大事にしていて、世界選手権のSPトップ3が日本独占なんて日本選手の層の厚さに誇らしいやら、驚きやら。

FS

高難易度のジャンプが詰まったプログラム。決まらないジャンプもある中、友野選手はネガティブな気持ちをおくびにも出さず、表情も表現も観客を楽しませてくれる楽しいプログラムを演じきってくれました。これって、すごいこと!観客がそのことをわかっていて、楽しんでくれていて嬉しかったな。

ゾウ選手

SP

印象がよいプログラムでした。

回転不足(今はこういう言い方しないのかな)の点数の低さって大っ嫌い。こちらの印象に水をさされた気持ち。少なくとも、解説が演技中にその事をあえて指摘してくれなかったおかげでプログラム自体楽しむことができて良かったです。私は言葉数は控えめで全選手に温かな目線でコメントする解説が好みです。

坂本選手

坂本選手がなかなか結果を出せなかった頃、なんとなく、ぼんやりと、でも、今の競技が求めていることって、坂本選手みたいなスケートだよな?と思ったことがあって、そういうぼんやりとした直感って正しかったりするもんです。

突然、優勝候補として注目されるのはどれほどのプレッシャーだったでしょう。

演技前の表情で大きすぎるプレッシャーと闘っているのが分かります。

それでも、すべての要素を素晴らしい質で、世界選手権という場でも圧倒的なスピードで、2つのプログラムをクリーンに決めてくれました。

NHK杯の後のスケーターさんいらっしゃい、で、坂本さんが荒川さんに少し小さくなりながら、表現のことを問うた時(きっと、コーチ達から厳しく指導を受けているに違いない)、荒川さんがよくできてるよ、と誉めた言葉で坂本選手が花を咲かせたような笑顔を見せ、努力が実ってきていると遠慮がちに語ったのが印象的で、大勢の観客やテレビの前で荒川さんという存在に肯定してもらえるというのは現役アスリートにとって、ポジティブな影響を与えるのだ、と思ったものです。

その後も振付師のリショー氏はフランス人であり、今シーズンは坂本選手に全方向から追い風が吹いていると思わされた年でした。もちろん、実力に呼応した追い風です。金メダル、おめでとう。

樋口選手

FS

樋口選手も有力なメダル候補だとわかっていたと思います。ジャンプが決まらず、気落ちしそうな彼女を観客が鼓舞してくれました、全方位に温かな観客にありがとうと申し上げたい。

この曲をよく捉えていて、歯切れのよい動きはロシェット元選手を彷彿とさせ、好感が持てます。

 

河辺選手

NHK杯.全日本、いい選手だと思いました。

大舞台でなかなか実力を発揮出来なかったのは、かつての荒川さんも同じでした。シニアの競技生活はまだまだこれから、始まったばかりです。

三浦・木原組

正直、スケートアメリカの彼らの演技を見た時、デュハメル&ラダフォード組のようなすべてのエレメンツの質の良さに驚き(メーガンはコーチだった、なるほど)他のペアスケーターの演技を見ていないのに、世界選手権でメダルを取れる組だと思いました。

そして、今回、やはり他のペアの演技を見ていないのに、金メダル候補だと思っていました。

怖いのは、彼らが実際にその雰囲気に気付いていつも通りの演技が出来なくなってしまうこと。

五輪ではうまくセーブできていましたが、今回は金メダルが具体的に見えすぎる位置でプレッシャーが大きかったのだと思います。

spFSも彼の今シーズンを思えばいい出来と言えませんでした。三浦選手の表情がこちらまで伝わってきて…。世界選手権のメダルを取るにふさわしいスケーターがそのメダルを取ることなく現役を終えていくのを何人も見てきたので、兎にも角にも、その実力のあるりくりゅうの手にメダルが納まったのは嬉しいです。来シーズンはもっと強くなることを信じています。

それにしても、木原選手の笑顔は観客を魅了していると思う。

 

ちなみに、木原選手が、ハオ・ジャン選手に技術的なアドバイスを求め、場所と時間を別に設けて教えて下さった、という話に感動しました。

中国の選手でも教え子でもない選手なのに、なんて素敵な方なのでしょう。ノブレス・オブリッジのような、世界トップレベルペアだった彼は世界のペアの普及も彼の役割のひとつと思った行動だと思います。高橋成美さんが、かつてのパートナーを絶賛するのも、ペア普及という日本のペア第一人者としての自覚からくるものだと思います。


北京五輪:フィギュアスケート ペア 三浦・木原組 入賞! 他

2022-02-21 | figure skathing、ice show

三浦・木原組

SPでのミスは悔しかったでしょうが、気持ちを切り替えて大舞台で思い切りのいい演技。木原選手の膝をついた状態からのリフトがすごく好き。3連続ジャンプのタイミングもしっかり合っていました。

1つ1つジャンプを降りるたびに二人に笑顔が広まって、二人の世界に引き込まれていきます。

最後は三浦選手の笑顔と木原選手の涙でフィニッシュ!素晴らしかった!!

昨年のスケートアメリカで初めてこの組の演技を見た時、とにかくスピードがあって、スロージャンプもリフトも技の質がいい。表彰台に乗るべくして乗った組だと感じました。リフトの前の難しい入り方とか、三浦選手の体幹の強さとか、褒めたらキリがない。

フィギュアスケートは特にシングルは若い選手にシンデレラボーイやシンデレラガールが生まれやすいスポーツで、それが観る側を惹きつける要因だったりする事もあるのですが、木原選手のように長い時間をかけて、身体を鍛え、ひと回り大きくなってもジャンプを維持し続け、相性の合うパートナーにやった巡り合い、結果を出す姿を見るのは、なんとも言えない大きな喜びがあります。

坂本選手 銅メダル

坂本選手の大きくて質の高いジャンプやエッジをうまく捉えて四肢を大きく動かした演技、テレビでも感じるスピードは見ていても爽快です。恐らく、大会場の一番奥で見た時、坂本選手の評価の理由が分かると思います。

今までは国際舞台ではなかなか評価されなくて、悔しい思いをしていたと思いますが、リショー氏の振付で坂本選手の良さがクローズアップされて、採点システムが坂本選手のストロングポイントと合って、大事な試合でクリーンな演技をし続けて、この五輪のタイミングで坂本選手に風が吹き、今までの努力に光が浴びた素敵な瞬間でした。

樋口選手はSP.FSともに3Aを決め、ジャンプだけじゃないリズム感の良さとそれを表現できる歯切れの良い動き、素敵なプログラムでした。誤解を恐れずに言えば、樋口選手が五輪のメダル(団体)を持って帰れるのは救いです。

小塚ブレード

宇野選手の履いていたスケート靴が小塚ブレードだったそうで、長く使えるので調整に時間を取られずに済んだ、と語っていましたね。縁の下の力持ちがここにも。

 


北京五輪フィギュアスケート:宇野昌磨選手 祝・銅メダル

2022-02-14 | figure skathing、ice show

SP

宇野選手のSPの中でも特に気に入っている作品。顔を腕で包むような振付が印象的。最後のポーズにも余韻があって。高潔さが漂うプログラム。五輪プログラムで嬉しい。ただ、勝つだけのためでない作品性。団体戦の赤い衣装より、今回の衣装の方が好き。

今シーズン一貫して公言していた4-3を団体に引き続き成功。非常に難易度の高いジャンプを入れているのにも関わらず、難易度の高いスピンも振付の一部であるが如く、芸術作品として完結されている。

この作品が宮本賢二氏であることに驚きました、ステファンの作品かと思いました。(ステファンも首で一緒にステップ踏んでいたし)

宇野選手は日本が誇るべき振付師の宮本さんを再び五輪メダリストの振付師にしてくれました。

 

FS

最初に決まっていなかったという4Loを美しく決めて、4Fと最後のコンビネーションのミスがあったものの、あれだけのジャンプ構成でありながら、なんとか収めるところがスゴイ。そして、本当に大事なのはここ、とばかりにボレロに情熱のあらん限りを吹き込んだステップ。宇野選手にしかできないプログラム。

フィギュアスケートでボレロは希望すれば誰でも滑れますが、バレエでは選ばれたダンサーしか許されない。芸術性の高いスケーターの一人であり、バレエもきちんと取り組んだステファンが「昌磨の五輪プログラムに相応しいのはボレロ」と選択したのが、宇野選手にとっては大きかったのではないかと思う。

ステファンが宇野選手を王者になるべきスケーターと認めてくれたことが、競技者として自分を追い込めるスイッチになってくれたのだと思う。そしてその感謝に対して五輪のメダリストコーチにするという偉業で恩返ししたかったのではないかと。ステファン、本当にありがとう。

宇野選手は日本人フィギュアスケート初の五輪3つのメダリストとなりました。でも、それ以上に普段フィギュアスケートを見ない人達に高い技術とハイセンスな芸術が融合した作品を届けてくれてありがとう、と言いたい。

この構成で完成された作品が見たいというのはあまりにも無知すぎると思うのですが、私は宇野選手の作品が好きなので完成系を見てみたい。

それから、インタビューですが、宇野選手がどういう状況でどういう心の動きがあって、技術的にどういう感覚だったのか、客観的に冷静にとても分かりやすく伝えてくれる。ライバルに対しても常に敬意を払う、非常にクレバーな選手だと思います。

鍵山選手は質の良いジャンプを跳びますね。スケーティングもいいですね。昨年の世界選手権、今回の五輪と大舞台で結果を出し続けるところも凄い。

団体戦

もしやとは思ったけれど、本当に取ってくれた団体メダル。国別からいろいろ不満を持っていた団体戦でしたが、日本人五輪メダリストを一気に倍増してくれました。

個人戦へのコンディション、連帯責任といういつもと違うプレッシャーの中でも結果を出すなんてスゴい!

出場したスケーターみんな素晴らしいけれど、予選、決勝共に出場し、実力を発揮して貢献したペアのりくりゅうとアイスダンスの小松原組には特に労いたいです。

 

 

振付師・宮本賢二氏特集

ジュニアの才能あるスケーターの振付の様子。宮本さんの振付はどのレベルのスケーターも見ていて魅力を感じるプログラムを振付るので、とても好きです。今回の選手も素敵な作品に仕上がって、お家でも家族の前で演じて喜んでいましたね。見ている側も本当に引き込まれました。海外の熱心なスケートファンが全日本選手権を見るのも、どの技量のスケーターも魅力的なプログラムを滑っている率が高くて、トップスケーターのチェック以外にも魅力があるからだと思う。

そういう縁の下の力持ちの宮本さんに再びアーティスト宇野選手の五輪メダルプログラムという勲章が与えられて嬉しく思っています。

 

 


フィギュアスケート:四大陸 村元・高橋組

2022-01-24 | figure skathing、ice show

RD

冒頭で村元選手の脚の下をくぐるところで、接触の転倒。やはり、この組が高いスキルを持ちながら、経験値の少なさ、というところが出てしまう故だと思う。

ただし、ここから、すぐ持ち直して作品性のキズは最小限に抑えられたと思います。

個人的に、冒頭の唄の後の間奏から次の唄が始まるまでがツボ。

この作品はケア姉弟のスコティッシュ・アイランド(蛍の光)を彷彿とさせる。観客をワクワクさせるプログラム。アイスダンサー(フィギュアスケーター)にとって、それって本質的に大事じやないかと思う。

FD

全日本の体調の悪さが記憶に残っていたので、よく動けていてよかったです。

髙橋選手がオフシーズンに怪我で練習再開まで時間がかかったことを知らなかったので、それを思うとよくこの短期間にこれほどのことをやつてのけたと思う。そして、パートナーである村元選手が彼の技術向上の為、献身的に協力したであろう。村元選手のアイスダンサーとしての立ち居振る舞い(氷上でもインタビューでも)には本当に敬意を感じます。

リフトの後、繊細なガラス製品を置くようにそっと村元選手を着氷させるところ、好きだな。

このプログラムを観ていると、カッペリーニ・ラノッテ組を思い出します。いつも、映画を観るように1つのドラマを見せてくれるカップルでした。私はそういうプログラムが好き。これぞ、アイスダンスを観る歓び。

髙橋選手がシングルの頃、ズエワ氏振付に縁がなかったけど、こうして、ズエワ氏の王道で細部にまで気を配った作品を見ることができるなんて、幸せです。

 


フィギュアスケート:アイスダンスと宇野選手

2021-12-29 | figure skathing、ice show

RD

 事前にニュースを知ってから、演技を見ました。

1つ1つの要素を明確にジャッジに慎重にアピールしているように思え、そのせいか、NHK杯に比べ、スピード感がないようにも感じました。

転倒はありましたが、二人ともすぐ立ち上がり、作品性が損なわれことはなく傷は最小限に抑えられました。

村元・髙橋組は周知の通り、前例のないカップルです。ファンにとってだけでなく、コーチにとっても、本人達にとっても。

おそらく、ズエワコーチは二人のスケーティング能力はかつての教え子達のレベルと比較してコーチという立場から体感しているから、凝った振付をシーズン中に変更していったのだと思うし、二人は能力があるから、要求に応じられたのだと思う。

能力の高さと短期間で積み上げた故の脆さ、ベテランでありながら経験値の少なさ(結成後の試合数の少なさ)、プログラム内容のブラッシュアップ。高橋大輔というスケーターであるが故の日本のみならず、世界的な注目度と期待、それが故のプラス面とマイナス面。競技復帰後初めて国内外を行き来しての試合、アイスダンサーとしてのリカバリー。そういう背景は後から気づくものです。

でも、二人が結成すると聞いた時に、こんな短期間でここまでのプログラムを滑るカップルになれるなんて、想像もできなかった。リフトとスピンもツイズルもプログラムの密度も想像以上でした。

そして、ずっと、海外のトップアイスダンサーのプログラムを繰り返し見ていた私が、日本のソーラン節をわくわくしながら繰り返し見るなんて、こんな日が来るなんて、思いもしなかった。本当に二人にはおみそれいたしました。

FD

髙橋選手が万全じゃないというニュースを知ってから、演技を見ました。

それでも、ところどころ危ういところを技術で持ち堪えた印象。

よく、全日本を頑張ってくれました。昨年から大きく成長してくれました。

結果が出てから書いても説得力がないかもしれませんが、私は二人の作品を見るというところが一番大事なのです。

だから、四大陸、世界選手権であと2度見ることができるなんて本当に嬉しい。

 

小松原組

RD

小松原選手がツイズルでミスしたのを見て、全日本はやはり緊張するんだな、と思いました。細かい腕の振りまで突き詰めて合わせて、表情も楽しくつけてステキなプログラムです。

FD

 NHK杯の衣装は氷と同化していったので、今回はよかったです。

NHK杯の頃から二人にぴったりなプログラムだと思っていましたが、より、完成度が高まっていました。コレト選手のリフトが魅力ですね。全日本優勝おめでとう。五輪頑張って下さい!

 

高波・西山組

踊るのが大好き、表現するのが大好きと伝わってくるような素敵なカップル。

 

平山・立野組

 

大人のせつない情感を表現。

今回は日本のアイスダンスが4組も見ることができて嬉しい。

 

ただ、コロナのため、来日出来ず全日本に出場出来なかった選手もいることを思うと胸が痛みます。

男子 宇野選手

気品があるSP。高潔、高貴という言葉が浮かびます。ジャンプが終わっても、曲が終わる瞬間まで極上なのが、宇野選手。

FS

時にジャンプミスがあっても作品性を損なわない演技というものがあって、今回のボレロはそれでした。転倒した後の4T.そして情熱をぶつけたステップを見ながら、私は家でうおーっと叫びたくなりました。

これぞ、宇野選手。これぞ、フィギュアスケート!


フィギュアスケート:ワルシャワ杯 村元・高橋組

2021-11-23 | figure skathing、ice show
  1. 相変わらず、得点や順位は関係なく、観た印象のみです。

村元・高橋組は実戦経験が少ないので、少しでも多く場数を踏んで滑り慣れることはよいことだと思います。

SDの方が自信を持って滑っている印象。
基本、和のプログラムは好きじゃないのですが、これは好きになりました。
日本人の方が振付に関わったお陰でなんだそりゃ感ではなく、外国人ウケしそうな日本イメージでこちらとしても受け入れやすかったし、村元選手の衣装も巫女さん的なイメージがあり、豊漁の女神っぽくてよい。
昨年のマスクはよく、こんなに踊れるな、という印象でしたが、今年の演技を見た後、マスクを見たら、演技が小さい。もちろん、昨年とは違うパターンダンスなので、一概に比較はできませんが。



FD

つくづく、私のフィギュアスケートのイメージって、こういうプログラムなんだよな、と思う。いろいろ見てくると、こういうプログラムもああいうプログラムも素敵と分かってくるけれど、フィギュアスケートに詳しくない時にフィギュアスケートと言えば、こういうプログラム、というイメージそのもの。

そして、この練られたプログラムを見ると、ズエワコーチの思い入れの強さを感じます。
私の中でズエワコーチはバレエプログラム、正統派の美しさ、に秀逸な腕を発揮するという印象なので。

フィギュアスケート:NHK杯2021 雑感

2021-11-15 | figure skathing、ice show
最近の私の傾向ですが、ほんの一部の選手しか見ていません。ずっと試合の緊張感が続くのは心が疲れてしまうのですよ。
だから、他の選手との比較や最近のルールやジャッジの傾向はとんとわかっていません。ただ、見て楽しむだけ。


村元・髙橋組

RD

前回の試合のFDは昨年と比べ、かなり構成が変わっていることに気が付いていませんでした。気に入っていてもら大きなミスがあるプログラムはクリーンな演技と比べて、繰り返し見れないものがあります。(時にミスがあっても秀逸なプログラムというものもある)
スピードもあり、距離もずっと近くなっている。(
今回のソーラン節は冒頭から細かいアレンジが加わっていることに気付きました。(長い前置きは前回のアメリカでの試合の演技が良かったので、細かいアレンジに気付くほど何度も見たと言いたかった)滑り込んだ分、細かい演出や表情なども入って、よりプログラムのクオリティを上げている印象。リフトも安心して見てられました。
髙橋選手の腕の筋肉もさることながら、血管の浮き出方が凄い。厳しい筋トレをしてこられたのが感じられます。思えばアイスダンサーの筋肉(リフトなどに必要な)は短期間でつけられる訳ではなく、昨年は技術もだけど筋力も発展途中だったのだと思います。
は〜どっこいしょ♪という謳でリフトされることを許した村元選手はナイスアイスダンスガールです。

FD
このプログラムもアメリカの時から細かいところが変わってませんか?
他のアイスダンサーはどうか分からないんですけど、こんなに試合後にマイナーチェンジを繰り返すまのかな?
二人の能力を見極めての変更でしようが、結成間もない二人にはかなり厳しい注文だな、とも思いました。
ひやりとする瞬間もありましたが、うまくまとめ上げた印象。このプログラム好きなので、このNHK杯の演技を繰り返し観ることになると思います。

あと、アメリカではバレエ舞台的なのかアメリカ的好みなのかメイクしてます然としたメイクが私の好みではなかった(10年くらい前にランビエールも荒川さんもアメリカで盛り盛りメイクさせられて怪しげなマジシャンみたいで好きじゃなかった)ので、今回のナチュラルでもきちんとしたアイメイクでよかったです。髙橋選手の最後のシングル時代のSPも振付師に盛り盛りメイク要求されていたけれど、なんで。アメリカではああいうメイクが未だに良しとされるのだろう?

小松原・コレト組

RD
ノリノリのディスコミュージック。
ダンスもフリーレッグもよく合っている。さすがだな、と思っていたら、この諸事情やご時世もあり、なかなか一緒に練習できなかったりという日々が続いてたそうで、そうと思えない親和性に驚きました。

FD
しっとりとした情感や難易度高いだけでなく、形も美しいリフトがこの組の魅力だと思う。
選曲がこの2人にぴったり。

チョック・ベイツ組
FD
ストーリー性がある訳ではないけど、すべてのポジションが美しく見応えがありました。

シニツィナ・カツラポ組

個人的な好みの問題なんですが、ソチの頃からカツラポフのツイズルのクセの強さが気になるんだよな。



ペアSP
三浦・木原組

凱旋の演技。技に入る前に高い評価を得られそうな難しいことを簡単そうにやっている印象。
日本人という贔屓目なしにしても、目を引く演技。
今後、大きな大会で、点数や順位が上がることがあるような可能性を秘めている気がする、そういう時は動じず、従来の演技ができるように。

FS
スピード感を感じる、1つ1つのエレメンツの質の良さを感じます。
ホームの喜びと同じくらい期待へのプレッシャーもあったと思うのですが、力を出しきる練習を積み上げて来たのでしょう。
ミスをしても引きずらない強さ。
キスアンドクライでの三浦選手の涙は自分のミスに対する悔しさだと聞いた時いた時、トップに登るメンタリティからから言葉だと思いました。

木原選手の笑顔の理由は数年越しの思いが詰まっていたのですね、昔は日本人は無表情とか欧米で言われていたくらいですから、演技つけわすれていたかもしれないけれど、さわやかな笑顔な方が絶対いいですよ。

元パートナーの高橋成美さんが気持ちの良いほど絶賛しているのを聞くと、こちらも気持ち良くなります(笑)



男子SP

宇野選手

高難易度のジャンプが終わっても張り詰めたような空気感があって、それは試合の緊張感なのか、プログラムから感じられる近寄り難いような高潔感からくるものなのか。すべての要素、どれをとっても素晴らしかったです。
試合後のインタビューでは彼にしか分からない技術的感覚を説明してくれたことや、今後の道のりを考えた上での話をしてくれたのですが、宇野選手はフィギュアスケーターとして本当に賢い人だなと、つくづく思います。(毎回インタビューを聞くたびにに思うのだけど)
衣装もプログラムから感じられるような高潔な美しさと男性らしい凛々しさもあって、素敵です。

FS

ジャンプの着氷の流れが伸びているものが多く、今大会の得点の伸びに繋がったのではないかと思います。スピン、ステップの上手さは言わずもがな。ボレロの曲調も踊れる宇野選手に合っていると思います。
それにしても、スゴいジャンプ構成。

インタビューでは敢えてこのシーズンにトップで闘う覚悟の発言。スケーターさんいらっしゃいでは、謙遜した発言。いやいや、あれほどのジャンプ構成の最後にクリムキンイーグル入れられるスケーターはあなたしかいませんよ。


フィギュアスケート:スケートアメリカ 木原選手の積み重ね

2021-11-12 | figure skathing、ice show
NHK杯を前に書いておきたかったので。

スケートアメリカが始まっていたのに気が付かず、ニュースでりくりゅうペアが表彰台に立ったと知ってびっくり。
ペアの表彰台というのは私の記憶に残っているのは、トラン・高橋組の2012年の世界選手権。
ごめんなさい、りくりゅうペアの演技を見たことはなかったので、すごく見てみたくなりました。
スピードがあって二人ともいいジャンプをしていて、トランジッションも魅力的。
何より目を引いたのは木原選手の頼もしさ。
今までの日本ペアの多くは男性は外国出身の方が多く、日本の選手は線が細くパワー系の技術で苦戦している印象がありました。
しかし、木原選手はトレーニングを行い、カッコいい筋肉を身に着け、三浦選手を頼もしくリードしていて、三浦選手も木原選手を信頼してペアならではのアクロバティックな大技、大きなスロージャンプや難しいリフトを見事に披露しているではありませんか!
そして、木原選手が始終笑顔で演技しているのも、体力に余裕があり、細部の表情にまで演技をいきわたらせているのだと思います。彼の長年の積み重ねに敬意を表したいです。
もちろん、パートナーの三浦選手の実力や相性もなければここまでの結果は出せなかったでしょう。デススパイラルって女子選手の腕の力や腹筋や背筋力が半端ないと思う(実際はどこの筋肉が必要なのかはしらない。どうなんだろう?)
ここ10年くらいあまりペアは見ていなかったのですが、彼らが高い評価を得るのは当然だという印象を受けました。
五輪シーズンということが彼らに悪いプレッシャーを与えず、このままずっとのびのびと演技をしてほしい。

カナダに拠点を移し、帰国せずにトレーニングを続けたとのことですが、まさにその成果が出た印象。
コーチング技術はやはりカナダに魅力を感じる。トータルバランスのいい選手になる印象です。

それから、三浦選手のショートヘアでも髪が乱れる印象はなく、魅力的でした。




女子:宮原選手フリー「トスカ」
宮原選手の演技はジャンプやスピンだけでなく、トランジッション、表情、1つ1つが素敵で、衣装もシンプルなようでゴージャス、気品があって素敵。私にとって宮原選手のプログラムこそ理想なんだ、といつも思います。



男子:宇野選手フリー「ボレロ」
4回転のフリップを後半に入れてくるとは…。3Aの回転が少なく思えるほどのジャンプ構成で、でも、ボレロという曲に情熱のあらんかぎりを詰め込んだステップをしてくれる宇野選手であってくれて嬉しい。
ジャンプミスがそれほど気にならず、素敵なプログラムでした。
ステファン、宇野選手を支えてくれてありがとう。

フィギュアスケート:レイバー・デイ・インビテーショナル村元・髙橋組

2021-09-06 | figure skathing、ice show
RD「ソーラン節」
 
思った以上にディープにソーラン節でした。(これが規定に認定されるのか、未だちょっと心配)
もっと、ヒップホップに合うとか、ダンサブルな要素が多いかと思いきや。
リフトがアクロバティックで曲調に合っていた。高橋選手が始めて2年目なのに、曲ごとにリフトを変えてきているのがすごい。年ごとにレベル取りの評価の条件が変わるのか?二人の技術とタイミングが合うものを模索しているのかもしれない。
それと、3回目くらいにして、ハッと日本語で歌っていることに気がつきました。そりゃそうか。


FD「ラ・バヤデール」
このプログラムとっても好きなので、持ち越してくれて嬉しかったです。
昨年二人の2つのプログラムを見てびっくりしたのが、ツイズルでも、手の振りまで入れて間を入れて、経験値の少ない二人なのだから、基本に忠実にして二人の距離を縮める方に集中させた方が良いのではと思ったのですが、今年を見て、コーチ陣はすぐこのレベルに行くことが分かっていたのだと思いました。こんな難しいこと最初からさせてたら、点数取りこぼすよ、という印象だったんですが、これは二人のポテンシャルを見極めた上での二年計画だったのかと思いました。

バンクーバー五輪くらいまでは、両方向の回転をするツイズルが苦手なトップスケーターは結構いたんですよ。バーチュ&モイヤ組とデービス&ホワイト組は新世代で子供の頃から、両方向のツイズルを取得してきたから、新採点法で当時のアイスダンス界では異例に早く頭角を表すことができたんですね。高橋選手もその苦手な選手たちと同世代なのに、両方向ともスムーズにこなし、それ以上のことをこなしている。シングルスケーターでショーで女性と組むくらいのことをしていた時はここまで出来ると想像していなかったので、本当に驚いています。
村元選手も昨年は失礼だと思ってかけなかったのですが、シングルスケーター時代の彼女の印象から想像していた以上に高橋選手と対等な存在感で踊れて、プログラムごとに表現を変えることに驚いていました。お見それいたしました。アイスダンスは女性が目立たなくてはいけないから、ネームバリューのある髙橋選手に負けない存在感があることはホント素晴らしいし、よい組み合わせだと思います。
(ツイズルに関しては村元選手は新採点に最も適しオールラウンダーを育てることに長けているコーチングをしているように思える濵田門下生だったので驚きません)
二人で組むスピンも軸が細く早くなってきているし、今年はこの環境の中、コーチの元でじっくり練習を積めてよかったと思います。

フィギュアスケート:全日本 村元・高橋組2戦目と女子表彰台

2020-12-30 | figure skathing、ice show
NHK杯では村元・高橋組だけでしたが、今回は女子も少し。

全日本選手権直前練習での接触で負傷した村元・高橋組。
試合では、リズムダンスでは、怪我を感じさせない演技で魅了。

フリーダンスでは高橋選手が慎重にという意識が強すぎてミスに繋がったようなイメージだったんですが…。
NHK杯ではミスがあっても、作品を楽しんでいられたのですが、今回は最後まで滑り切れるかハラハラしました。
アイスダンスでハラハラするのはシブタニ兄妹が五輪でメダルを獲得するか!という、あの時以来かも。
基本的にアイスダンスは作品を見るのがメインですが、それほど、ミスが少ないということですよね。トップの組でも、ツイズルのミスはよく見るように思うので、本当に難しいのだろうな。


それにしても、二人が組むまで、私の中での高橋選手のベストパートナーはジョアニー・ロシェットだったんですが、村元選手と組むと、なんとしっくりくる事でしょう!それは足の運びや音楽の捉え方を揃えるという地道な努力に土台があるのですが、違う曲調でも、同調した曲調の捉え方表現、腕のひと振りや表情の付け方も2人で同じ絵を描いているなと思います。(あと、見た目も(笑)

そして、怪我を堪えて、パートナーを称える村元選手のアイスダンサーとしての矜持も素晴らしいし、アイスダンサーとしてキャリアが長い分、技術だけでなく、精神的にもパートナーはこうあるべき、というところがところどころ伺えて、なんて素敵なパートナーなんだろう!と思います。


小松原組

恥ずかしながら、小松原組を見たのはNHK杯が初めてでした。
なんて、素敵なカップルなんでしょう!シンクロ率も高く、リフトも素晴らしい。何より、作品として見ていて美しい!



女子

紀平選手

技術を体得していることが感じられる4S、流れもあり綺麗でした。その後の3Aも詰まりながらも着氷して、2つの大技を決めてその後はノリにノった演技。紀平選手はジャンプ構成だけじゃない。その器の大きさに見ていてワクワクします。

坂本選手

坂本選手を見ていると、体幹が強そうだな、と思います。大きなジャンプ、四肢を大きく動かして、バランス能力の高さも伺えるし、スピードもある。見ていて、気持ちがいいですね。
マトリックスの衣装もかっこいい!個人的にブライアン・ジュベールの衣装と並べたい。

宮原選手

トランジッションのスケーティングが素晴らしいし、エレガントな動きに表情もついて、3-3のジャンプがエレメンツのひとつでしかないくらい全体の作品としてプログラム構成が素晴らしい。
いつも、うっとりしてしまいます。

ところどころ、加筆訂正しました。失礼しました。