前作「大きな森…」ほどの記憶がなかった2作目。
森を後にして、旅の末、大草原に家を建てることにした一家。近隣の人々との助け合いのもと、家を建て、井戸を掘り、新しい生活を作り上げていきます。
新しい家はインディアン(先住民)の生活圏内で、家にはたびたび彼らがやってきて、言葉が通じないので、食べ物を要求し、子供心にローラは怖い思いをします。(今思えば、先住民達は隣人として客人に食べ物を分け合うのは当然という価値観を持っていたのかも、とも思う。)
また、一家がマラリアにかかり、愛犬ジャックの働きのおかげで、偶然近くを通りかかった医師に来てもらうことができ、九死に一生を得ます。ここで、ローラは初めて黒人(アフリカ系のお医者さん)と出会います。
今作は先住民(インディアン)が政府に土地を追われる時代背景や白人達がどう思っていたかが一家の生活を通して描かれており、近年史としても歴史資料の1つになるな、と思います。
母さんは人に物を借りたら、返さないといけない、子供達には譲り合いの精神や挨拶や礼儀を教える素晴らしい人柄ですが、一方、当時の開拓者側の価値観で先住民達を毛嫌いしており、お父さんは先住民達の考えを察して、敵意なく隣人としてうまくやっていけるよう、家族に心掛けさせます。
子供の頃、ローラと同じ目線で見ていた物語も、大人になると、開拓達の生活、隣人たちの協力なしには生活できないこと、動物の命を頂き、食し、毛皮を売るという生活。開拓者達から迫害される先住民達、という今の時代からは想像しにくい根源的な生活は今の子供達にどのように映って見えるのだろうか。